「在り方」の流れの元をたどる旅――崩壊の後の「再生」(前編)
▲「在り方」の流れの元をたどる旅
――再生の前の「崩壊編」
前回のこの記事からの 続きです
いきなり本文となります
よろしくお願いいたします
自分らしく生きること――20年後の現在
それから 20年
いろいろ ありましたけど…
いま やっと
こころが 平穏だと
想えています
身体も すっかり 丈夫です
一時は 腰痛に苦しみましたけど
勉強して 治しました
この経験は
リハビリにも活きています
アレルギー体質も
東洋医学 西洋医学のふたつで
乗り越えました
漢方を煎じる
専用の土瓶
買って使いましたねぇ~
あとで 知ったのですが
わたしは
子どもを作りづらい体質
だったんです
東洋医学って面白いですね
アトピーと その体質
原因は
「同源」
と 診断されたんです
一つのお薬を飲むことが
両方の治療になっていました
聞いたことない植物や
セミの抜け殻とか
鉱物とかね…
煮だして いただくんですけど
何とも言えない あの
デリシャスの真反対の味!
そして あの猛烈な匂い!
がんばって飲んだなぁ~
はははは
不妊治療
元妻と6年くらい取り組みましたけど
おかげさまで
長女は 人工
次女は 自然で
授かることができました
今でも ときどき
バランスを崩すような食事をすると
すぐに体に 湿疹が出ちゃいますけど
一日 1回の食事を
丁寧にいただいて
今では アレルギー
ほとんど 気にせず
生活できています
「若いころに比べて 衰えた」
って 同年代の患者さんが
言うんですけど
「ですよねぇ~」
って 返事はしますけど
本音は
全然 ピンときていないんですよね 笑
わたし 今が いちばん
健康
かもしれません
「自分らしく 生きる」
これが 実は
一番の 健康の秘訣
なのかも
しれませんね
孔子と歩むか――そこに留まるか
ごめんなさい
健康自慢しちゃった 笑
コーヒー おかわりしません?
あ じゃぁ
ふたつ 頼みますね
…
それにしても
「在り方」って
なんなんでしょうね?
何かの小説のエピソードの
うろ覚えなんですけど
こんな 創作の話があるんです
… …
中国の春秋時代に
孔子
という 人がいた
孔子が弟子を引き連れて
旅をしている途中
道端で 倒れている人がいた
弟子の何人かが
その人を 助けようとした
ですが
孔子はそれを
「やめておきなさい」
という
「この先 そのような人が
いくらでもいる
我々は
その一人一人を
助けるのではない
そのような人がいなくなるような
政治を希求するのだ」
といって
道の人を見捨て
先へ進んで行った
… …
という 話です
これは 正式な逸話ではないです
たぶん
「礼記」にある
「苛政は虎よりも猛し」
と
「新約聖書」の有名な
「善きサマリア人」
の話が
混ざった話だと 想います
でも この創作の話
わたし なぜか
忘れることが
できませんでした
いろいろ 考えることができる
お話だと 想うんですよね?
わたしは 孔子って
はっきり言って
好きじゃないんです
中国諸子百家の中では
老荘思想に
惹かれるタイプです
でもね
この話の中の
孔子が言っていることは
「正しい」
とは わかります
だからといって
助けようとした弟子が
「考えが浅い」
とは
決して想いません
あなたが
その場 にいたら
どうします?
孔子とともに 去っていって
制度設計に 励みますか?
弟子と一緒に
その人や その他大勢の
行き倒れの人々を
延々と助けますか?
…
わたしはね
わたしの場合
ですけど
そこにいたとしたら
孔子と袂を分かつ覚悟で
その人を 助けようとします
わたしはね
そういう
「選択」
をする
人間です
「理由」
はありません
どうしても
" そう " としか
生きられないんです
「三条市7.13水害」――私が選んだ道
(おかわりの コーヒーが
運ばれてきました)
どうも ありがとうございます(←にっこり店員さんにお礼
(コーヒーを飲む)
ふぅ…
あれ?
ちょっと 雨が
降り出したんですね…
あの歩いている人
傘
広げましたね
…
話が 変わるんですけど
わたしが
何もかも失ったと 絶望した
30歳のあのとき
1か月くらい 入院して
その後 退院しました
実家で暮らし始めましたが
ぽっかり
穴の開いたような
毎日でした
初夏の ある日
猛烈な雨が
降り始めます
母校があった
三条市で
水害が 発生するんです


本当に この日の雨は
異常でした
あの 雨音
今でも覚えています
その後テレビで
災害の状況を知ります
『何か お手伝い できないか?』
と 想いました
高校時代を過ごした
思い入れのある 街ですからね
でも同時に
『こんな 虚弱な体質で
しかも 病み上がりの身体で
お役に立つのだろうか?』
と 不安にも想いました
悩みましたが
ボランティアに
参加するんです
三条市のとなりに
燕市という ところがあって
そこに
地場産業振興センター
というところがありましてね
そこの駐車場まで 車で移動しました
そこから 被災地のボランティアセンターまで
シャトルバスが出ているんです
もう20年近く 経っているのに
最初の日
今でも 覚えていますよ
バスに乗る人
わたしと同じ
不安感を持っている人が
たくさんいました
あるご婦人が バスの運転手さんに
「力も何もないのですが
わたしでもお役に立てること
ございますでしょうか?」
って 聞くんですよね
運転手さん 嬉しそうに
「女性だからこそ できることがありますよ!
さぁ どうぞ 乗ってください
大丈夫ですよ
無理だけはしないでくださいね!」
って 答えていましたね
それを聞いて
わたしは
少し 安堵したことを
覚えています
なんか あのバスの中
想い出すと 泣けてきますね
ご縁――初めて出逢う「大人」
バスは 満員でした
わたしの 隣に
初老の男性が 座っておられました
ボランティアセンターに 到着すると
どこに どんな作業をしに行くか
グループを作るんですけど
なんとなく その男性と
わたしは 一緒になるんです
人間 作業をしていると
親しくなるものです
毎朝の バスに乗るところから
帰りのバスまで
その人と 一緒になる
毎日が始まりました
その方
こういう ボランティア作業に
とても詳しくて
一緒に 作業をしながら
何も知らないわたしに
いろいろ
ご指導していただきました
赤十字の社員さんだって
おっしゃっていましたね
優しい方なんですけど
一本スジが通っているような方でした
災害に遭われた方々に
寄り添われる あの接し方
ごく少数ですけど
被害者意識で 理不尽な要求をしてくる人には
毅然とした
でも相手の気持ちも理解しているような
そんな 大人の態度で
きちんと お断りしていましたね
変なことをいいますけど
わたしは その時
初めて
「大人」
に出逢ったのだと 想います
学歴と職歴――「無価値」と示す画面
ボランティア活動も
終わりが 見えてきた
ある日
一日の活動を終えて
一緒に 座って
飲み物を飲みながら
その方と
ぽつり ぽつりと
会話をしたんです
その日も暑い日でしたが
その時間は
夕日がきれいで
少し 風が涼しかったですね
わたしの 身の上について
初めて
いろいろ
聞いてくださったんです
「お若い方が
毎日ボランティアに参加されている
素晴らしいことですけど
一般的には
毎日は難しいことです
何かご事情があるのだろうとは
思っていましたが…」
なんて 言われるんですよね
ね?
優しい方でしょ?
わたしね
退院してから
災害が起きるまで
ハローワークに通って
仕事を探していました
自分がやっていた仕事に
ある程度 自信がありましたから
その経験を活かせる仕事を
探していたんです
でもね
時代は厳しかったんです
そんな求人
ありませんでした
正社員を希望していましたけど
そもそも 求人自体が
無いんです…
新潟大学大学院修了して
それなりに仕事をやってきた
ちょっと自慢できるような
成果をあげたこともある
自分のことを
どこか そうやって
評価していましたけど
求人票検索結果の
ディスプレイが
「で?
それが なんですか?」
って 言ってましたね
自分の
無価値を
まざまざと
感じていました
いただくお言葉――流すなみだ
そんなことを
その方に お話した気がします
すると その方
たしか こんなことを
言われたんです
「あなたが
これまでやってこられたお仕事は
社会的な意義は
もちろんある
体調を崩すほど
熱心に取り組まれた
…
わたしが 思うに
あなたは もう
その世界に
十分貢献したんですよ
あなたを 少しの間ですが
そのお仕事ぶりや
被災者の方々との接し方を
拝見していて…
こういう お仕事が
あなたには 向いていると
思いましたよ
あなたと 一緒に 活動してきて
私も ずいぶん
勉強になったんです
お礼をいいます
どうも ありがとう」
…
(少し 涙を拭う)
…
あの方 その後
どうされたんでしょうね?
若かった わたしは
その後 その方と
連絡をとることを
怠ってしまいましたね
悔やまれます…
…
あれ?
あははは…
あぁ ちょっと
お話 中断していいですか?
ははは…
ダメですね
年を取ると
涙もろくって
困っちゃいますね…
ちょっと
ごめんなさい…
(中編へ続きます)
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昨28日夕方
熊本県で大きな地震が発生しました
震度7という激しい揺れ
そして報じられた痛ましい被害や事故のニュースに
言葉を失っております
亡くなられた方々のご冥福を心よりお祈り申し上げますとともに
被災された皆様
今なお不安な夜を過ごされている皆様に
心よりお見舞い申し上げます
一日も早い平穏が戻ることを
祈っております
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「在り方」の流れの元をたどる旅
――崩壊の後の「再生」(前編)

