ナッジで身につく『7つの習慣』第6回:「シナジーを創り出す」〜数学では解けない、1+1が3にも10にもなる奇跡〜
「人と協力するのって、なんか疲れる…」 「意見がぶつかって、かえってややこしくなる…」
そう感じたことがある人にこそ、知ってほしいのが『第6の習慣:シナジーを創り出す』。
このコラムでは、シナジーとは何か、なぜそれが価値を生むのか、そしてその実践を支えるナッジの工夫について紹介します。 「違い」を否定せず、「組み合わせる力」に変えることで、人間関係もチームもグッと面白くなります。
■ある会議にて
「で、誰の案を採用するの?」
会議室で部長がそう切り出した瞬間、場の空気が固まった。
その沈黙の中、ふと思った。
(あれ……シナジーって、どこ行った?)
■ 第6の習慣「シナジーを創り出す」とは?
『7つの習慣』の第6の習慣は、「違いを力に変える」こと。
それぞれが持つ意見や価値観の違いの優劣を競うのではなく、
「第3の案」を探す創造的なプロセスがシナジーです。
「妥協」ではなく、「共創」。
妥協からは、せいぜい1+1=1.5くらいの成果しか期待できません。
シナジーによる「共創」は、
どちらかの意見を押し通すのではなく、
妥協点を見つけるのでもなく、
お互いの強みや視点を生かした、
“誰も思いつかなかった最高の案”にたどり着くこと。
ここで重要なのは、第1〜5の習慣がベースになっていることです。
自ら主体的に動く(第1)
目指すゴールを持っている(第2)
優先順位をつけられる(第3)
相手も大事にする(第4)
まず理解に徹する(第5)
これらが身についていないと、
「違いを受け入れ、活かす」なんてとても無理。
これまで積み上げた習慣があってこそ、
ようやく“共創のステージ”に立てるのです。
■ シナジーを創出する会議(冒頭に感じた違和感の正体)
たとえば、会議で意見が割れたとき。 従来のパターンは、
A案 vs B案 → 多数決 → どちらかが我慢
でも、シナジー的アプローチではこうなります:
A案の利点 × B案の利点 → C案(まったく新しい解決策)
ポイントは、「勝ち負け」でなく、「より良い第三案」に向かう姿勢です。
こんな経験、ありませんか?
・子どもとの進路相談で、本人の夢と親の希望を話し合った結果、誰も想像していなかった“新たな選択肢”が浮上した
・企画会議で、全員のアイデアを統合して、より洗練されたプロジェクトが誕生した
これこそ、シナジーの瞬間です。
■ 「違うって、面白い」を育てるナッジ
では、この“シナジー体質”を育てるには、どんなナッジが有効でしょうか?
🌱ナッジ①:「異質ミックス」ワークシート
会議の前に、あえて“異なる視点”の役割を割り振る。
例:「反対派の立場からコメントしてください」
「10代の目線で発言するとしたら?」
違いを楽しむ練習を、日常に仕込むことができます。
🌱ナッジ②:「強みマッピング」
チーム内で、お互いの強みを付箋で貼り合う。
「○○さんは発想が柔軟」「△△さんは論理が強い」など。
違いが“ありがたい”ものとして見えると、自然とシナジーが生まれやすくなります。
それぞれの案についても、同様にやってみましょう。
🌱ナッジ③:「第3の案ボード」
意見が対立したときに、「どちらでもない案」を貼る専用スペースを設ける。
「勝ち負け」モードを外すと、クリエイティブな解決策が出やすくなります。
🌱ナッジ④:AIの“無邪気な案”を投入
ChatGPTなどに「この議題について、子どもの目線で」「宇宙人ならどう考える?」と投げてみる。
AIは、前提を壊すのが得意。思わぬアイデアが「第3の案」の呼び水になります。
■ まとめ:「正解を決める」のではなく、「新しい答えを生み出す」
シナジーは、衝突の回避ではなく、衝突の昇華。
「違うから無理」ではなく、「違うから面白い」と思えるようになること。
そこには、努力と信頼と、ほんの少しの“仕組み”が必要です。
共創の奇跡を、日常の中で起こすために——
まずは、あなたの“1”と、誰かの“1”を、ぶつけてみませんか?
そうすれば、それが“3”にも“10”にもなるかもしれないのです。
でもその前に、部長にシナジーを理解してもらうための作戦会議を、
みんなで始めましょうか?
スピンオフ編もどうぞ
競争の習慣が共創を阻む ~シナジー実現の壁を越えるには~
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