葬送のフリーレンに学ぶ人生論 アニメ6話(前編)
漫画・アニメ「葬送のフリーレン」は、「もっと早く出会っていたら人生が変わった」と思える、示唆に満ちた作品だ。
笑いあり、涙あり、そして人生について考えさせられる。
その「フリーレン」にツッコミつつ、人生論から感想を綴る本連載。完全ネタバレ有りなので、アニメ視聴後に読むのがおすすめ。
引用の太字は人生論や重要なセリフ等、通常はツッコミ他。コメント歓迎。
以下のマガジンにアニメ1期全28話と、2期も随時掲載中。
今回は6話「村の英雄」の前編。
必要なのは覚悟だけ
夜にフェルンが峡谷を訪れると、音はシュタルクの修業が理由だった。フェルンは、竜が村を襲ったら戦うのかと尋ねる。
シュタルク 死んだって嫌さ。でもよ、この村の連中にとっては、俺は英雄なんだろ。俺が守らなきゃならないんだよ。とは言ってみたが、実際は逃げ出しちまうかもな。
シュタルクは額の傷を、魔物と戦うのが嫌で、アイゼンと喧嘩してできたと明かす。手の修業の跡を見て、フェルンは真っすぐシュタルクを見る。
フェルン シュタルク様は逃げないと思います。
シュタルク 俺の何が分かる。
フェルン みじんも分かりませんが、怖かったことを思い出したのです。
フェルンも初めて魔物と戦った時、足がすくんで逃げた。フリーレンは助けてくれなかったが、追い詰められたフェルンが覚悟を決めると、体が自然に動いた。
フェルン 必要なものは覚悟だけだったのです。必死に積み上げてきたものは決して裏切りません。
シュタルク様はどうしようもない臆病者ですが、村を守りたいという覚悟だけはきっと本物だと思います。
シュタルク 覚悟、か…。
このフェルンの言葉は作品中でも上位に入る名言だと思う。受験など様々な試験、スポーツの試合、大事な仕事…人生の大きな勝負には、それに臨む覚悟がいる。そして、そのために積み重ねた努力は決して裏切らない。
宿に戻ったフェルンは、フリーレンに「シュタルクはきっと大丈夫」と伝える。
超なげー3年
翌朝、二人が峡谷に向かうとシュタルクはいなかった。ジト目のフリーレン、フェルン。
フリーレン 逃げたか。期待していたんだけど。
恐ろしい顔のフェルンに、フリーレンは「竜と追いかけっこだ」と宣言。「えっ」と木にしがみつくフェルンを引きはがそうとする。
そこにシュタルクが現れ、フリーレンに「途中で死んでも、竜は必ず仕留めてほしい」と頼む。
フリーレン でも、なぜ村の人たちのためにそこまでするの。
シュタルク 俺はこの村に3年もいたんだぜ。
フリーレン 短いね。
シュタルク 超なげーよ。
1000年以上生きるフリーレンに限らず、若者の3年と中高年の3年は、感じ方が全く違う。シュタルクの年齢の3年は、ほぼ高校生活だ。それは「超なげー」し、思い入れも当然だろう。
怖いものは怖い
覚悟は決めたシュタルクだが、「怖いものは怖い」と、手が震えている。その様子に、フリーレンはアイゼンと同じだと明かす。
ヒンメル これは強敵だな。
フリーレン アイゼン、手が震えている。怖いの?
アイゼン ああ。
フリーレン あっさり認めるんだね。
アイゼン 怖がることは悪いことではない。この恐怖が俺をここまで連れてきたんだ。
恐怖を克服してこそ成長できる。必要なのは、その恐怖に立ち向かう覚悟だろう。
フリーレン 震え方まで同じだ。
シュタルク そうか。師匠も怖かったんだな。必要なのは覚悟だけだ。
シュタルク覚醒の瞬間だ。
シュタルク対紅鏡竜
シュタルクが間合いに入ったが、警戒する紅鏡竜は動かない。
攻撃をかわし、崖を駆け上がって斧を振り上げるシュタルク。フリーレンは、シュタルクを反射的に殴ったアイゼンの言葉を思い出した。
アイゼン かわいそうなことをしてしまった。怖かったんだ。俺は怖かったんだよフリーレン。こいつはすごいことだ。俺の弟子はとんでもない戦士になる。
魔王を倒した勇者パーティの一員で、歴戦の戦士であるアイゼンを怖がらせ、思わず手を出させてしまったシュタルクの潜在能力。
覚悟を決めた今、その力がついに開花する。
紅鏡竜の爪を砕き、空を飛ぶ体にしがみつく。紅鏡竜は振り飛ばしてブレスを放とうとするが、シュタルクの一撃が先に頭をとらえ、地面に叩きつける。
シュタルク いまだ、撃ちまくれ!
フェルンが攻撃しようとすると、フリーレンが止める。
シュタルク おーい!なんで撃たねえ!言われた通りにやっただろ。一人で戦えってか。ふざけんなよクソババア!
フリーレン もう死んでいるよ。
シュタルク へ?
フリーレン …クソババアか。
フェルン あとが怖いなぁ。
根に持つ女・フリーレンw
実際、「クソババァ」発言はかなり後まで引きずっている(アニメ29話で登場した)。
くだらなくて、とても楽しい旅
「俺が一人で倒したのか」と信じられないシュタルク。フリーレンは「よくやった。期待以上だ。偉いぞ」と褒め、「宝の山だ~。うっひょ~」と、珍しくテンションを上げて巣をあさる。
フェルン 全部は持って行けませんよ。三つまでにしなさい。
フェルン、安定のママみw
がらくたをあさるフリーレンに、シュタルクは「本当にくだらねえな」とあきれる。
シュタルク 師匠はおまえのせいで、勇者一行の冒険がくだらないものになったって言ってたぜ。
フリーレン そ。
シュタルク くだらなくて、とても楽しい旅だったってよ。
シュタルクの言葉に、フリーレンはかき氷を出す魔法を思い出す。
ハイター すごい!本当にかき氷が出てきましたよ!
フリーレン 探索したかいがあったでしょ。
ハイター しかもこれ、シャリシャリじゃなくてフワフワのやつですよ。
フリーレン 本当だ!
アイゼンは当時、「くだらん」と気に入らなかったが、ヒンメルは「別にいいじゃないか。まだ旅は始まったばかり」と気にしない。
人類最強という南の勇者が七崩賢に討たれたと聞き、アイゼンは「俺たちだって生きて帰れるか分からないんだ」と悲壮的だ。
ヒンメル アイゼンは辛く苦しい旅がしたいのかい。僕はね、終わった後にくだらなかったって笑い飛ばせるような、楽しい旅がしたいんだ。
誰だって辛いより、笑い飛ばせる楽しい旅がいい。それは人生も同じ。実際に魔王討伐後、四人が語り合ったのは「クソみたいな思い出しかないな」と、笑い飛ばせるような旅だった。
ハイター ところでフリーレン、シロップは?
フリーレン シロップを出す魔法はないよ。
ハイター ないんだ。
アイゼン 本当にくだらんな。
見事に落としてきたw
思い出してほほえむフリーレン。シュタルクが3年過ごした村を、3人で出発する。
夫婦漫才
道中、服が透けて見える魔法を試すフェルン。
フリーレン どう。透けて見える?
フェルン 見えますが、あまり面白い魔法ではありませんね。
フリーレン 悪かったね、面白い体じゃなくて。
面白い体って…。そしてフェルンはシュタルクを見る。
シュタルク あ?何?
フェルン ちっさ。
シュタルク ちっさくねぇよ!
ジト目のフェルンに、かぶせ気味につっこむシュタルクw
このやり取りは何度見ても笑える。
シュタルク 師匠が俺を連れてけって言ったんだろ。それに、俺もくだらない旅がしたくなったんだ。
今回のまとめ
人生の大きな勝負には、戦う覚悟がいる。
積み重ねた努力は、決して裏切らない。
恐怖を克服してこそ成長できる。
必要なのは、その恐怖に立ち向かう覚悟。最後にくだらなかったって笑い飛ばせるような、楽しい人生にしたい。
次回はこちら↓
本連載に直接は関係ないが、現在、東日本大震災の被災地を巡り中。人生観に大きな影響を与えそう。
