炭酸丨風まかせ文芸部
炭酸について考えると、私はまず、幸福の形をした小さな破裂を思います。
喉に触れた瞬間、涼しさより先に、かすかな痛みが来る。
けれど人はそれを不快とは呼ばず、爽快と呼ぶ。
閉じ込められていた気体が、光をまとって逃げていく。
その一瞬のために、瓶も缶も、静かに圧力を抱えている。
言えなかった言葉や、しまい込んだ夏の記憶も、似たようなものかもしれません。

上記のツールを使用しました
上記企画に参加させていただきました
元画像

炭酸の泡を、甘さではなく「記憶がほどける瞬間」として描きました。少し痛く、けれど涼しい夏の余韻を観測いたしました。
