【連載:真夜中のチューニング】「やらない後悔」の重さを、AIと客観視してみた話
「失敗したらどうしよう」
「時間や労力が無駄になったら嫌だな」
新しいことを始めようとする時、こんな風に足がすくんでしまう。
私は、何かを決断する前にはいつも悩んでいます。
でも、この「動けない理由」は、決してただ臆病だからではないと思うのです。
失敗を恐れるのは、それだけその物事に真剣に向き合おうとしているから。
適当に扱って後悔したくないという、真剣な思いがあるからこそ、どうしても慎重になってしまうんですよね。
ただ、ここで私たちの心は、ある種の「錯覚」に陥りがちです。
目の前にある「失敗した時の精神的ダメージ」や「費やした時間の損失」を過大に評価してしまう一方で、
将来ずっと抱え続けることになる「あの時、やっておけばよかった」という『やらない後悔』の重さを、軽く見積もってしまうのです。
心理学でも「損失回避」という言葉があるように、人は得るものよりも、目の前で失うものの方に強く反応してしまう生き物だと言われています。
この感情のブレーキがかかった時、私はAIにトレーナーとして壁打ちを頼みます。
「これを始めたいけど、失敗した時のリスクばかり考えて動けない。客観的に整理して」
するとAIは、「失敗した場合の一時的なコスト」と、「5、10年後に『やらなかったこと』を思い返した時の長期的な精神的コスト」を、客観的に比較して提示してくれます。
AIは急かしたりしません。
ただ淡々と、「長期的な視点で見れば、今挑戦して失敗する方が、精神的なトータルコストは圧倒的に低いです」という事実を映し出してくれます。
その揺るがないロジックを見ると、感情で歪んでいた視界がスッと晴れていくのを感じるのです。
「思い立ったが吉日」とはよく言ったもので、心の中に情熱が灯ったその瞬間に動いてしまうのが、精神衛生上は一番健全なのかもしれません。
それに、冷静に考えてみれば、これからの人生において「今」が一番若い瞬間です。
一番体力があって、一番動ける。
そう思うと、失敗を恐れて立ち止まっている時間が少しもったいなく感じられて、不思議と気が楽になります。
迷ったら、とりあえずやってみる。
もし転んだとしても、その経験は必ず自分の糧になるはずだ。
そんな風に、AIと一緒に事実を整理しながら、少しずつ行動へのハードルを下げています。
機械に人生の答えを求めているわけではありません。
ただ、後悔という重くて熱を持った感情を、温度のない冷静な視点で紐解いてくれるからこそ、私はもう一度、自分の意思で前を向くことができるのです。
皆さんは、「やっておけばよかった」と後悔しそうになった時、どうやって自分の背中を押していますか?
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