【今日は何の日エッセイ|#06】一年で一番長い夜。パチパチと薪が燃える音と、熱すぎた五右衛門風呂。
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今日は12月21日。「冬至」です。
一年で一番夜が長い日。みなさんは今日、柚子湯に入りますか?
柚子のあの鮮やかな黄色と爽やかな香り。それを思うと、私の記憶はいつも、横浜で過ごした幼い頃の、あの古い木造の家へと引き戻されます。
今から考えると、「いつの時代?」と自分でも突っ込みたくなるような話なのですが。 私が本当に小さかった頃、実家のお風呂は、なんと「薪風呂」だったんです。
そう、五右衛門風呂のような鉄の釜を、下から薪で焚いてお湯を沸かす、あれです。
冬になると、父がどこからか木材を調達してきて、昼間のうちにせっせと薪割りをしている姿が日常の風景でした。それが、夜のお風呂の準備なんです。
今みたいに「追い焚きボタン」なんて便利なものはありません。
「kotori、寒くない? もう少し薪を入れるから、ちょっと待ってね」
お風呂に入っていると、外の釜場から母の声が聞こえてきます。パチパチと薪がはぜる音。やがて、冷たくなりかけたお湯が、お尻の方からジンワリと熱くなってくる。
時には「あつっ! お母さん、ちょっと熱すぎるよー!」なんて、のぼせそうになることもあったけれど。 「kotori、どう? あったかくなったー?」「うん、ちょうどいいよー!」 湯気越しに交わすそんなやり取りが、お湯そのものよりも温かかったことを覚えています。
手間はかかるし、火加減も難しい。 でも、父が割った薪で、母が沸かしてくれたあのお風呂は、一年で一番長い冬の夜も、体の芯までポカポカにしてくれる最強の場所でした。
それから少しして、家を建て替えてからは、ボタン一つでお湯が沸くようになりました。 冬至の日には、母がスーパーで買ってきた柚子を、新しい浴槽にたくさん浮かべてくれました。
「こうするとお肌がすべすべになって、風邪もひかないのよ」
そう言いながら、母が柚子を私の小さな体にこすりつけてくれる。ゴツゴツした皮の感触と、浴室いっぱいに広がる、少しほろ苦くて爽やかな冬の香り。
お風呂の形は変わっても、そこにはいつも、私を温めようとしてくれる家族の愛がありました。
今夜は一年で一番長い夜。 もし、心や体が冷え切っている人がいたら。 温かいお湯に浸かりながら、あなたを大切に思ってくれる誰かの顔を、そっと思い浮かべてみてください。
きっと、どんな入浴剤よりも、あなたを芯から温めてくれるはずです。
kotori 🕊️
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