画像生成 AI モデルのライセンス一覧! このモデルは商用利用は可能なの?
はじめに
こんにちは、きまま / Easgoing です。
今回は、画像生成 AI を使う上で必ず押さえておく必要がある ライセンス について見ていきます。

ライセンス = 著作権者の権利の制限
ライセンスは、著作権者の権利の制限 に当たります。
画像生成 AI をはじめとしたコンピュータプログラムは著作物なので、著作権が適用されます。
ライセンスとは、著作権者が 特定の目的に沿った利用 であれば 著作権の侵害に当たらない こと表明するもので、著作権者が自分自身の権利を制限することに当たります。
AI と著作権について
オープンなライセンスは普及する!
ライセンスは著作権者の権利を制限しますが、設定する側にもメリットがあります。
それは、オープンなライセンス が設定されたモデルは 普及する ことです。

オープンなライセンスが設定されたモデルは、多くのユーザーが使うのでシェアが広がりますし、コミュニティでの開発が進んでより発展したモデルが生まれてきます。
標準ライセンスと独自ライセンス
ライセンスには、策定から時間が経って広く認知されている 標準ライセンス と、モデルに対して個別に設定された 独自ライセンス があります。
標準ライセンス → 利用者本位
独自ライセンス → 著作権者が目的に沿って設定
それぞれついて具体例を見ていきます。
標準ライセンスは分かりやすい!
標準ライセンスは、利用者にとって分かりやすいライセンスです。

標準ライセンスは、世界的に広く認知されていて、ライセンスの適用についても、過去の判断例 が多く存在します。
標準ライセンスは 信頼度が高く、今後変更される可能性もほとんどありません。
代表的な標準ライセンス
画像生成 AI モデル で使われている、代表的な標準ライセンスは次のようになります。


オープンな標準ライセンス
上側の4つのライセンスは、細かな違いがあるものの、全体として 商用利用を含めたモデルの自由な利用を認める ライセンスです。
MIT(Massachusetts Institute of Technology)
ソフトウェアの使用、コピー、改変、公開、販売を無制限に許可
ソフトウェアは「その状態」で提供、損害に対する提供者の責任を免除
配布時に MIT ライセンスの全文を含める 必要がある
Apache 2.0 (Apache License, Version 2.0)
永続的・世界的な非独占的著作権ライセンス
複製、改変、配布、サブライセンスを許可
MIT と比較して、特許権の明確な付与 と 派生物の明示義務 がある
WTFPL(Do What The Fuck You Want To Public License)
ジョークな名前だが、法的に有効 と判断されることが多い
作品の再配布や改変を許可、著作権についてほぼすべての権利を放棄
保証免責条項がない(企業で使われることは少ない)
CC0(Creative Commons Zero)
著作権を完全に放棄、放棄できない国では最大限の自由な利用を許可
ユーザーは許可を求めずにコピー、改変、配布、商用利用が可能
作品に関する保証は一切なし
以上4つのライセンスが設定されている場合、モデルを 安心して商用利用 することができます。

商用利用が制限されるライセンス
一方で、商用利用が制限 される標準ライセンスとして、代表的なものに CC-BY-NC-SA-4.0 ライセンスが挙げられます。
CC-BY-NC-SA-4.0(Creative Commons Attribution-NonCommercial-ShareAlike 4.0 International)
著作物の自由な利用を許可するが、商用利用は禁止
原作者の クレジットの表示の義務
改変は自由だが、同じライセンスを継承 する必要がある
CC-BY-NC-SA-4.0 ライセンスは、いくつかの AI アップスケールモデル で設定されています。
このライセンスは 商用利用が明確に禁止 されているので、該当するモデルは商用目的では使わないようにしましょう。

独自ライセンスは、著作権者が独自に設定
標準ライセンスが、世間一般に広く受け入れられているライセンスであるのに対して、独自ライセンス は著作権者が独自に設定するライセンスです。
独自ライセンスは、標準ライセンスより自由な条件が設定できるので、オープンな利用をアピール しながら 著作権者の権利を維持 したいケースで多く使われます。
独自ライセンスは、適用後に変更される ことが多く、また裁判などでの判断例も少ないため、標準ライセンスと比べると 信頼度が劣ります。
画像生成AI で使われる独自ライセンス


CreativeML Open RAIL-M
モデルの改変・再配布・商用利用を許可
不適切な目的での利用を禁止
出力物の所有権と責任はユーザーにある
CreativeML Open RAIL-M ライセンスは、Stability AI が Stable Diffusion 1 の公開に合わせて策定したライセンスです。
AI 技術の 責任ある利用 と、自由な開発 を掲げています。
CreativeML Open RAIL++-M
CreativeML Open RAIL-M の改訂版
権利者(Stability AI)の モデルの遠隔更新・出力変更権を削除
よりコミュニティでの利用を促進
CreativeML Open RAIL++-M ライセンスは、先の CreativeML Open RAIL-M ライセンスに対して、コミュニティから受けた指摘をもとに改定したバージョンです。
Stability AI が持っていたモデルの 遠隔更新・出力変更権を削除 することにより、より自由な開発が可能になりました。
Fair AI Public License 1.0-SD
主要部分は CreativeML Open RAIL++-M 互換
改変・再配布の際は、改変部の ソースコードを公開 する義務
派生モデルの 独占の禁止
Fair AI Public License 1.0-SD ライセンスは、2023年11月に公開されたAnimagine-XL 3.0 モデルに設定されたライセンスです。
先の CreativeML Open RAIL++-M よりオープン化を進め、モデルを改変した場合は 改変部分を明示 し、モデルを誰でも使える状態に公開 することが求められています。
Stability AI Community License
Stable Diffusion 3 に適用されるライセンス
個人・小規模事業者は無料で使える
年間収益100万ドル以上 のユーザーは商用ライセンスを購入が必要
Stability AI Community License は Stable Diffusion 3 の公開に合わせて策定されたライセンスで、個人・小規模事業者には無料 で利用権を与えるものの、大規模事業者 には有料ライセンスの購入を義務付ける内容になっています。
FLUX.1 [dev] Non-Commercial License
研究向けの 非商用ライセンス
改変・再配布は可、出力物を 競合モデルの訓練に使うのは不可
出力物の商用利用について曖昧な記述(概ね不可)
FLUX.1 [dev] Non-Commercial License は、Black Forests Labs の Flux.1 [dev] シリーズに適用されるライセンスです。
モデルの自由な利用と改変は認めますが、出力物を他のモデルのトレーニングに使うことは禁止しています。

Flux.1 [dev] の商用利用は曖昧
FLUX.1 [dev] Non-Commercial License は、商用利用について かなり曖昧 な記述になっています。
ライセンス名は「非商用ライセンス」
初版(ver 1.0)には、「出力物の商用利用は認める」記述があった
翌日の ver 1.1.1 の改定で、以前の表記に戻った
FLUX.1 [dev] モデルは、ver 1.1 の時点では 商用利用は禁止 されています。
FLUX.1 [dev] Non-Commercial License のように、重要部分が頻回に変更される ライセンスは、どうしても信頼性が劣ります。
現在の Flux.1 [dev] モデルの商用利用はさまざまな解釈がありますが、筆者は FLUX.1 [dev] Non-Commercial License には 商用利用を禁止する意図がある と捉えています。

Illustrious-XL シリーズはライセンスが複雑
Illustrious-XL シリーズは、韓国の Onoma.AI がリリースした SDXL の 人気のアニメモデルですが、バージョン毎に違うライセンスが設定されています。
Illustrious-XL シリーズ のライセンスのポイントをまとめると、次のようになります。
初期バージョン(ver 0):改変部分を明示し、モデルを誰でも使える状態に公開する義務 がある
最新バージョン(ver 2.0):派生モデルと出力を改変する権利 を権利者(Onoma.AI)が保持している

Illustrious-XL シリーズには多数の派生モデルがあり、場合によっては 複数のバージョン を組み合わせたモデルも存在します。
Illustrious-XL シリーズとその派生モデルを使う際は、事前にライセンスを良く確認するようにしましょう。
2025.10.21 追記
Illustrious-XL モデルのライセンスについて詳しくまとめました。
ライセンスの改定は遡って適用される?
独自ライセンスは改定されることが多いですが、改定以前の古いライセンスが既に適用されているモデルには、一般的には ライセンスが更新されても新しいライセンスは適用されない(遡及適用はしない)と考えられています。
しかし、独自ライセンスについての具体的な判断例は少なく、またライセンスや利用規約の中に 将来の改定を示唆 する条文が含まれている場合もあります。
独自ライセンスは、あくまで著作権者の目的に沿って設定されるものであり、変更や適用される範囲については 権利者の裁量が大きい ことを覚えておきましょう。

ライセンスが設定されないことも!
ローカルで利用するモデルには、普及を促すために先に挙げたようなライセンスが設定されるのが一般的です。
一方で、大企業がオンラインで提供するようなサービスの場合、ライセンスを設定しなくても十分な普及が見込める モデルについては、ライセンスが設定されないケースが多いです。
ライセンスが設定されないモデルの例
Open AI:GPT-image-1
Google:Imagen, Gemini 2.5 Flash Image (nano-banana)
X.ai:Aurora
これらのモデルはライセンスが設定されていないため、権利者が全ての著作権を保持 しています。

これらのモデルを利用する場合は、利用者側にライセンスによる保証が無い ので、どのような用途で使用可能なのか、事前に 利用規約 などをしっかり確認する必要があります。
nano-banana(Gemini 2.5 Flash Image)の利用規約
オンラインサービスは、データを二次利用する
オンラインの画像生成サービスの多くは、入出力されたデータをサービスの紹介 や AI のトレーニング に二次利用することが規約で定められています。
例:Gemini API 追加利用規約(nano-banana の無料利用を含む)
Google による使用者のデータの利用方法
本無料サービス(Google AI Studio や Gemini API の無料枠など)を使用する場合、 Google は使用者が本サービスに送信したコンテンツと生成された回答を使用し、 Google のプライバシー ポリシーに従って、 Google のプロダクト、サービス、機械学習技術 (Google の企業向けの機能、プロダクト、サービスを含む)の 提供、改良、開発を行います。
クライアントから依頼を受けたイラストを、オンラインサービスで作成する場合は、意図しない情報の流出を避けるため データの二次利用をしないことが明記されたサービスやプラン を利用するのが好ましいでしょう。
使用したモデルは伝えない
また、クライアントに商用イラストを納品する場合は、原則的に 使用したモデルは伝えない のが無難です。
これは、将来的にそのモデルの商用利用が不可能になるような規約の変更がされたときに、クライアント側に何らかの対応をする責任 を負わせてしまう可能性があるためです。

AI イラスト を生成する場合は、トラブルを回避するために モデルやプロンプトなどの記録 は必須ですが、納品する際は先方からの要望が無い限り、こうした情報は伏せておく のが良いでしょう。
まとめ:標準ライセンスは安心!
標準ライセンス は信頼できる
独自ライセンス は変更される
使用したモデルは伝えない
画像生成 AI には様々なライセンスがあります。
オープンな標準ライセンス が設定されたモデルの AuraFlow, Flux.1 [shnell], HiDream, Qwen-Image は、出力を安心して商用利用することができます。
一方で、独自ライセンスが設定されたモデルはその解釈が難しく、確実な答えは存在しません。

独自ライセンスのモデルに対しては、どうして標準ライセンスが設定されなかったのか を考え、権利者は何を守りたいのか を想像すると、ある程度その答えが見えてくるかもしれません。
最後までお読みいただきありがとうございます!
