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自民党総裁選は“一年前の再放送”か――消費税と官僚支配をめぐって

現在行なわれている自民党総裁選について、私は何度か触れてきましたが、今回出馬している5人の公約や討論会などを見ていて、本音では一年前の総裁選の再放送にしか見えません。

一年前との違いは、石破茂、河野太郎、上川陽子、加藤勝信の4人がいないことぐらいで、今の国民、特に現役世代が苦しんでいる「物価高」「高負担率」、そして不安を感じている「外国人問題」に対する有効な対策は、誰一人として明確に答えていないように思えるからです。


前回の参院選で、政権与党である自公や立民、維新、共産、れいわなどが議席を伸ばせず、対照的に国民民主、参政党、保守党が議席を伸ばした原因は、まさにそこにあります。国民の不満や不安に対して、分かりやすい言葉で政策を掲げたからです。

国民民主「手取りを増やす」

参政党「日本人ファースト」

保守党「消費税減税」

これらのシンプルかつ明確な主張を前面に押し出したことで、国民の支持を集めたのです。

確かに選挙間際になると、給付金を持ち出した与党、あるいは消費税減税や負担率軽減に触れた野党もありました。しかし、そこに「本気」を感じなかったのではないでしょうか。国民は、その公約が選挙目当てなのか、あるいは長期的な国家ビジョンに基づくものなのかを、敏感に見抜きます。過去に散々裏切られてきたからこそです。比較的新しい政党に期待が集まったのも、その反動といえるでしょう。もっとも、それら新興政党も期待を裏切れば、支持を失うのは一瞬です。大阪維新が地方では成果を示しながら、国政では必ずしも安定した支持を得ていないのは、その好例といえます。


なぜ「消費税減税」を拒むのか?

私が特に疑問に感じるのは、なぜ全国民が等しく恩恵を受けられる「消費税減税」をここまで頑なに拒むのか、という点です。よく聞かれる理由は「社会保障の財源確保」や「財政赤字による信用不安」などですが、それは財務省が繰り返す定型句にすぎません。経済学的には決して正当性があるとは言えないことを、元財務官僚の高橋洋一氏や京大大学院教授の藤井聡氏、あるいは『ザイム真理教』を著し先ごろ亡くなった経済アナリストの森永卓郎氏など、多くの在野の専門家が再三指摘してきました。

実際、過去のデータを見ても、消費税増税は経済成長を大きく押し下げてきました。

図1 消費税増税と景気停滞の関係を示す概念図

増税のたびに経済が腰折れしていることが直感的に理解できる。 

さらに、内閣府の「国民経済計算」に基づく実データを確認すると、その傾向は一層明確です。

図2 日本の実質GDP成長率と消費税増税(出典:内閣府「国民経済計算」より作成)

1997年、2014年、2019年の増税年に赤破線を付記。増税直後に成長率が落ち込んでいる。

こうしたデータを見れば、「消費税が社会保障財源のためにやむを得ない」という説明だけでは到底不十分であることがわかります。むしろ、景気を押し下げることで税収全体を減らし、結果的に財政再建を遠ざけている可能性すらあるのです。


では、なぜ政治家は財務省に反論できないのか。背景には、選挙で政権を失っても財務官僚は残るという権力構造があります。政治家は短命政権を恐れ、官僚との対立を避ける。結果として「選ばれた側」が「選ばれていない側」に従属するという本末転倒が起きているのです。その姿は、軍部に逆らえず誤った道に国民を導いた戦前の政治家と重なって見えます。

今、世界は決して安定していません。安全保障環境の変化、人口減少、エネルギーや食料をめぐる競争など、日本が本気で取り組まなければならない課題は山積しています。その入口である国内経済政策で迷走を続けていては、未来を切り開くことはできません。

総裁選は単なる派閥人事ではなく、国民の生活と日本の将来を決める場であるはずです。候補者たちが「官僚の代弁者」で終わるのか、「国民の代表」として本気で立ち向かうのか――いま問われているのは、その覚悟ではないでしょうか。


(追記)この記事では私の考えを率直に述べましたが、読者の皆さんはどう感じたでしょうか。消費税、物価高、外国人問題――あなたが最も切実に感じている課題はどれでしょうか?コメントやスキで教えていただければ、今後の論考でぜひ取り上げたいと思います。



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