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岩手物語 第二十一話 胎内石

ちゃぁしゅーがお届けする現代ファンタジー。
物語は更に新たな怪異に……。
第一話はコチラからどうぞ ▼


第二十一話 胎内石

坂上先輩と僕は、しばらく呆然としていたが、
考えて、やはりアラハバキに向かうことにした。

阿部の言う話は突飛だけど、何か手がかりが残っているなら、
丹内山神社の胎内石。

通称、アラハバキを確認する必要がある。

しかし、その道には警察の規制線が張られていた。

坂上先輩が呟いた。

「近寄れそうにないわね。」

僕はしばらく考えた。
そういえば、幼いころ、今は使われない道を抜けて神社に行ったことを思い出した。

「確か、村農会館の先に旧表参道があって、神社に抜けられるはずです。」

坂上先輩が、髪を結いなおして言った。
「ジャージ着てきて良かったね。」

「そうですね、藪を抜けますから。」

丹内山神社に向かう道と並行に走る道を歩き、旧表参道を目指した。

そこに通じている、村農会館の横を抜ける時、
駐車場に自衛隊の四駆が見えた。
(自衛隊?)

「あれ!?」

そして、あの黒塗りの車。


ミチザネ、村農会館に居るのか……。

気になったが、ミチザネから事情を聞き出せる気がしなかった。

僕らはそのまま、神社入り口の北側斜面を登っていった。
すると、30分程だろうか、丹内山神社の裏側に出た。

月明かりが射し、杉の巨木が風に揺れていた。

杉の枝がざわざわとした。
湿度のある、ひんやりとした風が凪いでいく。

巨木が立ち並ぶ星空を見上げると眩暈がしそうになった。

そこに胎内石。

__御神体の磐座(いわくら)、アラハバキだ。

僕らは、その裏側に着いていた。

幅、5メートル、高さ3メートルはあるだろうか、
岩肌にはびっしり苔が茂っていて、
細いしめ縄がかかっている。

近寄りがたい異様な大岩だ。

アラハバキを目にした瞬間、
ざわざわとした音が消え、自分の耳が音を探し出す不安が体の内から湧き出てきた。

その、大岩の端にどうにか人が入れる割れ目がある。

岩肌に触れないようにくぐると願いが叶うとされている割れ目だ。

阿部の言ったことが本当なら、そこでユミ先輩は消えてしまったのだ。


すると、岩の向こうに人の声がした。


茂みからそっと様子を伺うと、
自衛隊の隊員だった。

隊員2人はアラハバキから離れた場所で、こちらに背を向け警戒している。

(__ここにも、自衛隊が?)

すると、また「ざわざわ」と杉が鳴り出した。


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