ムルガン神には、なぜたくさんの名前があるのか?のお話
アガスティアの葉のカルマ解消の代行を行うようになり、南インドの文化をより深く理解できるようになってきました。
南インドを旅していると、ムルガン神なのに、寺院によって名前が違うことに気づきます。
ある寺院では、バーラ・ムルガン
別の寺院ではスブラマニヤ
さらに、シャンムガ、カンダン、サラヴァナバヴァ、スワミナータ
など、実にさまざまな名前で呼ばれています。
最初はアガスティアの葉のリーディングの際に、
「別の神様なのだろうか。」
と思っていました。
でも、教えていただいたり、神様についての理解が進むにつれて
すべて同じムルガン神だということを知りました。

【バーラ・ムルガン】
「バーラ」は、子どもという意味です。
幼いムルガン神を表しています。
純粋さ、無垢さ、そして無限の可能性。
人生の始まりを象徴する姿です。
今アガスティアの葉の館では、バーラ・ムルガンという名の青年が修行に励んでいて、一昔前の日本のお寿司屋さんでの修行のようなことが行われています。
【クマラ】
「クマラ」は若者、王子という意味があります。
青年として成長し、これから使命へ向かうムルガン神です。

【カンダン】
タミル地方でも、親しまれている呼び名の一つです。
日本人が「お不動さん」と親しみを込めて呼ぶように、ムルガン神を身近に感じる名前でもあります。
【サラヴァナバヴァ】
シヴァ神の炎が、葦(あし)の湖サラヴァナに宿って誕生したことから、「サラヴァナから生まれた者」
という意味で呼ばれます。
この名前は、ムルガン神の誕生そのものを表しています。
また、有名な六文字のマントラである、Sa Ra Va Na Bha Va(サ・ラ・ヴァ・ナ・バ・ヴァ)にもなっています。

【シャンムガ】※アルムガン
ムルガン神には、六つの顔があります。
神話では、六人のクリッティカー母神に育てられた六人の赤ん坊が、パールヴァティによって一つの身体になりました。
その時、六人の母への感謝を忘れないよう、
六つの顔だけが残ったと伝えられています。
「シャン」は六、「ムガ」は顔。
つまり、六つの顔を持つ神という意味です。
タミル語ではアルムガンとも呼ばれています。
【スブラマニヤ】
この名前には、崇高な智慧という意味があります。
悪魔を倒す戦いの神というより、智慧によって人々を導く神としての姿です。
南インドでは、この名前で祀られている寺院も数多くありますね。
【スワミナータ】
これは私が最も印象的だった名前です。
神話では、シヴァ神が息子ムルガンに「オームとは何か。」
を尋ねます。
すると、ムルガン神が父であるシヴァ神に、宇宙の真理を説いたと伝えられています。
つまり、父の先生になったのです。
そのことから、スワミ(主)のナータ(師)
「師の師」
「神の先生」
という意味で、スワミナータという名前で呼ばれるようになりました。

【スブラマニヤ・スワミ】
成熟したムルガン神は、スブラマニヤ・スワミとも呼ばれます。
ここでいう「スワミ」は、
「尊い方」「導く者」という敬称です。
戦う神というより、智慧を授け、人々を導くグルとしての姿が強調されています。
ナディやシッダ哲学の世界では、この姿のムルガン神が特に大切にされています。
【カルティケーヤ】
北インドでは、この名前のほうが一般的です。
ムルガン神は、六人のクリッティカー母神に育てられました。
そのため、「クリッティカーの子」という意味で、カルティケーヤと呼ばれます。
つまり、地域によって呼び名が違うだけで同じ神様なのです。

【一つの神に、多くの名前がある理由】
日本では、一柱の神に一つの名前があることが多いでしょう。
でも、インドでは違います。
神は、人生の節目によって、役割によって、地域によって、そして人々との関わりによって、さまざまな名前で呼ばれます。
ムルガン神は、子どもでもあり、青年でもあり、戦士でもあり、王子でもあり、智慧の神でもあり、グルでもあります。
名前が変わるのは、神様が変わるからではありません。
見る人が変わり、祈る人が変わり、神との関わり方が変わるからです。
だから南インドでは、ムルガン神は一柱でありながら、何十もの名前で愛され続けています。
それは、一人の人間にも、子ども、親、先生、経営者、友人など、さまざまな顔があるのと、どこか似ているのかもしれません。
