【第11回】「30分で終わるでしょ」と言った30分後、わたしはまだ道具を探している
どうもー!ねこ丸です!!
ADHD当事者のわたしが、日々の失敗を「あるあるだよね〜」って笑いながら、ちょっとだけ賢くなって、ポジティブに帰るこのnote、11回目!
前回、締切3時間前の変身についてやりましたが、今日はその前段階の話。そもそもなんで毎回追い詰められるのか。犯人はこいつです。
「時間の見積もりが、壊滅的に強気」問題!!!
「30分で終わるでしょ」
この言葉を発した回数と、実際に30分で終わった回数を照合されたら、わたしは有罪です。本日、法廷を開きます。
① 見積書と請求書が別世界
先日の「ちょっと部屋の棚を組み立てる」案件の記録をご覧ください。
見積もり:30分。
実際の作業ログがこちら。
0分。開始。まず工具を探す(見積もりに工具を探す時間は入っていない)。
15分。ドライバー発見。ついでに懐かしい物も発見(第5回参照。正座はしなかった。えらい)。
25分。組み立て開始。説明書のパーツBが見当たらない。
40分。パーツBは梱包材の中にいた。
70分。棚、半分完成。ここで水分補給のつもりがスマホ休憩(第3回参照)。
110分。作業再開。ネジが1本余る。震える。
150分。ネジの正しい位置が判明、一部やり直し。
180分。完成。
30分の見積もりに対して、請求は3時間。誤差600%。
これ、会社だったら見積もり担当はクビです。でもわたし、来週も「30分で終わるでしょ」って言うんですよ。確信を持って。
なんで?学習しないの?
今日はその「なんで」に答えが出ます!!
② 見積もりの主語が「理想のわたし」だった
まず前提として、時間の見積もりを外すのは人類共通のバグです。「計画錯誤」っていう名前までついてる、有名なやつ。
人は計画を立てるとき、過去の実績じゃなくて「すべてが順調に進む理想のシナリオ」を基準にしちゃう。ダニエル・カーネマンっていうノーベル賞学者が指摘した、人類全員のバグ。
ただし。 わたしたちの場合、このバグに強化パーツが3つ載ってます。
1つめ、おなじみタイムブラインドネス(第3回の犯人、再登板)。そもそも「30分」という長さの体感が手元にない。30分がどれくらいの作業量なのか、肌感覚のモノサシが歪んでる。歪んだ定規で引いた見積もり線、まっすぐなわけがない。
2つめ、過去の実績が参照されない。普通は「前も似た作業で2時間かかったな」って記憶がブレーキになるんですけど、わたしたちのワーキングメモリ、過去の請求書を倉庫の奥にしまいこんで出してこない。だから毎回、初見の気持ちで見積もる。前科600%なのに、毎回まっさらな顔で「30分ですね」。記憶にないので無罪だと思ってる。
3つめ、これが一番の闇なんですけど、見積もりの主語が「理想のわたし」なんですよ。工具の場所を把握してて、脱線せず、パーツBを見失わず、ネジも余らせない、完璧な世界線のわたしが作業する前提の見積もり。でも当日出勤してくるのは、いつもの、現実のわたしなんです。
見積もりを出す人と作業する人が別人。そんな会社、絶対トラブルになるでしょ。なってるんですよ、毎週。
③ 対策は「見積もりを2倍にしろ」らしい
よく言われてる対策がこちら。
「自分の見積もりを、機械的に2倍(〜3倍)にする」。
自分の体感は信用するな、算出された数字にただ2を掛けろ。30分と思ったら60分。感覚が歪んでるなら、数式で補正すればいい。掛け算するだけ。九九。小2で習った。負ける要素ある?
(11回目のみなさん、ご唱和ください——「様式美!!!」)
④ やってみた結果を発表しまーーす!!
2倍にした見積もりを見て、「余裕じゃん」と思って着手が遅れました。
30分の作業に60分を確保したんですよ。そしたらどうなったか。「60分もあるのか〜。じゃあ先にちょっとスマホ——」
確保した余裕を、開始前に食べました。
そして残り30分になってから着手して、いつもどおり足りない。
聞いたことあります?
「仕事は、与えられた時間いっぱいまで膨張する」っていう法則(パーキンソンの法則)。
膨張どころか、着手前に時間のほうが消えた。2倍作戦、わたしの脳の前では「サボり枠の増設」でした。
じゃあってことで本格派、「作業時間を計測して実績データを貯める」タイムログ作戦!
データさえあれば理想のわたしを解雇できるはず!
——結果、タイマーにこう残ってました。
「棚の組み立て:9時間42分」。
……計測を止め忘れてる!!その間にごはんと風呂と睡眠が計上されてました。棚に、寝食を捧げた人のログ。データ、汚染。
しかも翌日からは計測の開始を忘れる。実績データ、永遠に完成しない。
極めつけ、「タスクを細かく分けてそれぞれ見積もる」精密見積もり作戦!
工程を書き出して、1個ずつ時間を振って。
——その計画作りに1時間かかりました!なぜなら「計画を作る時間」が見積もりに入ってなかったから!!
見積もりの見積もりを外すという、入れ子構造の敗北。マトリョーシカの一番外側で既に負けてる。
⑤ それでも、始められているので
はーい!ポジティブ担当・ねこ丸です!
今日はまず、とんでもない発見を共有します。
この強気な見積もり、実はわたしたちを守ってる説があるんですよ。考えてみてください。もし棚の組み立て前に「これは3時間かかります」って正確に分かってたら、やります?
やらないでしょ!!「30分で終わるでしょ」って思えたから、着手できたんですよ!!正確に絶望するより、楽観して始めたほうが、結果的に棚は建つ。
つまりあの誤差600%の見積もり、精度としては最悪だけど、着火剤としては優秀なんです。理想のわたし、見積もりは出せないけど、背中は押してくれてた。解雇、撤回します。役職を変えます。経理から応援団へ。
そのうえで、現実的な補正を2つだけ。
1つめ、見積もりの前に「前回、実際いくらかかった?」って自分に1問だけ聞く。倉庫の奥の請求書を、手動で1枚だけ取りに行く。
全実績のデータベースは作れなくても(9時間42分の棚が証明済み)、直近1件なら思い出せる。それだけで「30分」が「あー……90分、かな」くらいには補正されます。
2つめ、そもそも分単位の見積もりをやめて、「枠」で払う。
「30分で終わる」じゃなくて「土曜の午前を、棚にあげる」。誤差600%でも、午前という大きい枠なら全部吸収してくれる。細かく払おうとするから毎回不渡りを出すんです。
どんぶり勘定は、会計としては雑だけど、タイムブラインドネス民の家計簿としては最適解!!
(採用率、当番組公式レート3割!それでも週1の修羅場が消える!殿堂入り!!)
それでは今日はこのへんで!
ねこ丸でした〜〜!
この記事の執筆見積もりは「1時間くらいでしょ」でした!!実際の時間は——言いません!!(察して)
次回予告:「出発5分前、なぜか洗い物を始める」問題。時間がないのに、なぜ。時間がないからこそ、なのか?遅刻業界の最重要未解決事件に挑みます。
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