故郷の花火|風まかせ文芸部
夜勤仲間から、こんな話を聞いた。
暑さで目が覚めた。どこか遠くで、花火の音がする。
そうか、夏祭りの季節か。
花火、盆踊り、夜店。夢うつつで、しばらく回想にふけった。
ふと気づく。
時間は、一時を過ぎたところ。
夜勤明けだから、昼の一時だ。
こんな時間に、花火が?
落ち着いて聞いてみると、規則正しいくせに、妙に間延びしている。
駅前の工事現場の、くい打ち機だった。
——俺は、大きくあくびをした。
寝起きに、なんでこんな話を思い出したのだろう。
幼馴染が結婚するという噂を、昨日聞いたからかもしれない。
悪友たちが笑っている輪から、彼女はいつも少し離れて立っていた。
時計を見る。もうすぐ七時。
そろそろ、出かける準備をしなければ。
そのとき、遠くで、花火の音が。
iさんの風まかせ文芸部に参加します。
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