母の引き出しに、編みかけのマフラーが入っている。 編み針のついたまま止まっている。毛糸は、私の好きな青色だ。 もう長いことそのままだ。
誰のためのものだろう。私がもらって、続きを編もうか。
母に聞いてみたいがいつもの笑顔を見せるだけで、答えてはくれないのだろう。 続きを編む資格が、今の私にあるのかもわからない。
引き出しを開けるたびに、編み針を動かしていた夜の母に会える気がする。
母が逝って、三回目の冬がもうすぐ終わる。
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