ベトナム旅行記② | バイクのおっちゃんに騙された話
優しい夫婦にご馳走してもらった朝ごはんを食べ終え、ホステルへ向かう。
野良犬が歩いていたり、バイクが多すぎて道を渡れなかったり。
何とかホステルに着き、荷物だけ預けて街へ出るが、、
信号はほとんどないようなもので、
バイクが行き交う道路を、自分でタイミングを見て渡るしかない。
日本育ちの私には、あまりにもカオスだった。
立ち止まってばかりで、なかなか前へ進めない。
そんな私に、フレンドリーなおっちゃんが声をかけてきた。
きっと日本人観光客だって、すぐに分かったんだと思う。
優しそうな人だなと思いながら、断れないまま、バイクの後ろに乗る。
考える暇もなく、バインミーをご馳走になり、そのままカフェへ。
こんなの無料なわけがない。
不安でいっぱいだった。
本当なら、先に値段を知った上で判断する権利がある。
納得していないなら、ついて行ってはいけない。
頭では分かっているのに、何も言えなかった。
自分の意見をこんなにも言えないのか。
自分の無力さを痛感した。
一度トイレへ駆け込み、深呼吸をする。
勇気を出して断ろうとした。
おっちゃんも引かない。
「大丈夫、大丈夫。」って。
とにかく料金だけは知りたかったので、翻訳機を使って何度も交渉する。
追加料金がないことも何度も確認した。
少し割高ではあるんだろうけど、
行きたい場所には全て連れて行ってくれるらしい。
おっちゃんがいないと多分何もできない私は、結局、おっちゃんに着いていくことにした。
おっちゃんは、私が行きたかったところはもちろん、色んな場所に連れて行ってくれた。
・ホーチミン人民委員会庁舎
・サイゴン中央郵便局
・ベトナム戦争証跡博物館
・クチトンネル
・その他もろもろ、、、
マンゴーかき氷やフォーまでご馳走してくれて、毎回必ず何枚も写真を撮ってくれた。
少し残念だったのは、
おっちゃんは英語が話せないので、クチトンネルでガイドがなかったこと。
私は近くのツアーガイドさんの説明を、こっそり聞いていた。
それから帰り道。
ココナッツキャンディのお店へ行くと言っていたのに、家族の事情だったのか、途中で降ろされてしまった。
ホステルまで帰るバイクタクシーはちゃんと呼んでくれた。
たしか、日本円で1〜2万円くらいだったと思う。
安くは無いけど、
おっちゃんの背中につかまりながら、カオスな道路を何時間も生き延びたおかげで、
タイでもカンボジアでも、
一人で堂々と道路を歩ける頑丈な心を手に入れた。
世界には、いろいろな方法で生活のためにお金を稼ぐ人がいることも知った。
自分一人だったら、きっと行かなかった景色も見られた。
クチトンネルへ向かう広い道路を、風を切ってバイクで走るのは、たまらなく気持ちよかった。
ぼったくりなのは間違い無いけど、
良い経験ができたと思う。
おっちゃんありがとう。
そして、笑顔で “No, thank you.” を言える旅人になろうと心に決めた。
