合格率100%の夜間大学/他人の不幸は蜜の味 #5
一本の電話で大学受験を決意する
ど底辺高校とはいえ、ボクにも友達が居て、ある日の電話で驚かされる。
「俺達でも入れる大学見つけたぜ。」
“こいつ気でも狂ったんだな“と、思うボクに、彼は続けて言った。
「しかもその大学さぁ、渋谷が近いんだぜ。」
ボクは大学を受けることに決めた。
大して勉強もしていない。
少なくとも高校に入ってから全くやってないと言った方が正しい状況だった。
そんな都合の良い話があるはずがない。
いや、あった!
夜間の大学だったが、ボクたちを入学させてくれる可能性のある大学が!
今はそんなことしないが、自分の知らない情報に対し、“そんなのあるはずはない“と決めつけると可能性が狭まる。
もしかしたら、、、もし本当なら、、、と考えると、可能性がすごく広がることを、当時は気づいていなかった。
入試の時には一丁前に緊張した。
勉強らしい勉強をして来なかったのに、こんな時だけ神頼みだ。
「どうか受かりますように」
ボクが心に強く念じながら、よく分からない答案とにらめっこする中、試験中にも関わらず、ずっと寝ている受験生がいた。
「大学受験の時まで悪ぶりながって、どうしようもねぇな」と、思った。
こっちは本気で受かりたいんだと思うと、何だか腹が立った記憶もある。
ロクに勉強もして来なかったのに、気持ちだけは一人前の受験生だった。
だが、ボクの不安は無意味で、あっけなく大学に合格していた。
結果、ボクは高校を卒業して2年のフリーター生活を経て大学に合格する。
一つ驚いたことは、入学してボクが自分の振り分けられたクラスに行くと、声をかけてきた男がいた。
「入試の時、同じ教室だったよね?」
ずっと寝ていたあの男だった!
試験中、まともに鉛筆も持ってなかったあいつが、同じクラスにいた!
ボクの受けた学部は合格者の倍率が1.0倍を切っていた。
つまり、試験を受けた人間は、全員受かってただけだった。
ヒトタラヲ
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