あえなくフラれた/他人の不幸は蜜の味 #3
消えた就職先
高校2年になって、同じクラスに彼女が出来た。
彼女の家は、ガソリンスタンドの店舗を経営していた。
男の子がいない家だったからか、彼女のお父さんは、ボクをよく可愛がってくれた。
色んな所に連れて行ってもらった。
ただ、夜のお店が多かった。
彼女のお父さんが、酔っぱらうと口癖のように言っていたことがある。
「ウチは息子がいないから、俺の代であの店(ガソリンスタンド)は終わりだ。」
「お前がウチを継いでくれたらなぁ…」
今思えば、酔った勢いで言ってくれてた程度だったと思う。
ただ、ボクは勝手にガソリンスタンドを継ぐことを心に決めた。
「ガソリンスタンドの社長になるのかぁ。」
将来が安定したようで、心にゆとりが出来た。
おかげで、遊ぶことに拍車がかかった。
一緒に遊んでいる友達を見て、「こいつらはボクと違って、将来のこととか何も考えてないんだろうなぁ」と、優越感に浸っていた。
クドいが彼女のお父さんは、そこまで本気じゃなかったと思う。
家へ帰るのが遅くなることも増え、その頃から実家に帰る頻度が極端に減った。
彼女の家に泊まり、そのまま高校へ行くことも増えた。
母親には随分と心配をかけてしまったが、あの高校に入った時点で、多少の覚悟をしてくれていたのかもしれない。
バイトがある日や友達と遊ぶ時は、実家に帰ることもあったが、学校以外で机に向かうことはなくなっていた。
ロクに帰らなかったし、勉強することもなくなっていたので、実家にあった机を捨てた。
この頃の行動が、将来の自分を苦しめることになるとは、微塵にも感じていなかった。
高校生といえば、何か目標に向かって頑張っている子が多いと思う。
・部活を頑張る人。
・進学を目指して勉強を頑張る人。
・趣味の世界に没頭して頑張る人。
ボクは何も頑張っていなかった。
彼女も愛想をつかしたんだと思う。
ボクはフラれ、ガソリンスタンドの社長の道も途絶えた。
ヒトタラヲ
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