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逆襲、あるいはレモンの誘惑

白い。
あぁ、あまりにも白い!
清潔を通り越して、無機質と言う名の暴力すら相通じるものがある。

健康診断の会場というのは、どうしてこうも人を卑屈にさせるのだろうか。

「次は体重計、お願いします」

看護師さんの、急かす声に促される。
私は、まな板の上の鯉ならぬ、ヘルスメーターの上の迷子となった。

もとない両足。
薄い板に乗り、視線を落とす。

……?
………え?

おかしい!!
重力の設定が、昨今の日本の地球環境の変化を何かでバグってしまったのではないか。

液晶に浮かび上がった数字。
昨年比でプラス6キロ。
ちなみに、昨年もその前の年に対してプラス3キロ叩き出している。

つまり、私の身体はこの2年間(9㌔)で、生まれたての赤ん坊二人分以上の「なにか」を蓄積したことになる。

どういうこと?
私は、自分の足元を疑った。
この体重計は、もしかしたら前の方の怨念おんねんか、あるいは未練のようなものをリセットし忘れているのではないか。

「これ、壊れてませんか??」
喉まで出かかったその言葉を、私は辛うじて、レモンのような酸っぱさとともに飲み込んだ。

そう、レモン。
レモンだ。

思えば、私の晩酌はいつだって賑やかだった。
キンキンに冷えたレモンサワー(氷結♪)。
弾ける炭酸(ゼロカロリー♫)。
その横には、まるで当たり前のように増量された白米と、酒の勢いに任せて並べられた「茶色い正義」(お肉しか勝たんよ)たちが鎮座。

「嗜む」と言う言葉の裏で、私は着実に、かつ大胆に、自分を更新し続けていたのだ。
(お胸も少しばかり成長している。ただし、小胸。微胸。伸びしろ、多分)

プラス3キロの時は、「誤差」だと言い張った。
プラス6キロの今は、「進化」だとでも呼べばいいのだろうか。

いや、これは進化ではない。
重力との、あまりに一方的な親和性の高まりである。

帰り道、コンビニの棚に並ぶ爽やかなサワーの缶を眺めながら、重力の不思議さに思いを馳せる。

宇宙は膨張し、私の腹部もまた、膨張し続ける。

……?

………え?

なんのはなしですか






乙女心から、エッセイ風小説(フィクション)にしておきます🤭(太っても適正体重内50㌔代です、以前は痩せ過ぎでした)

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