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ルポ2 自然をフィールドに育つ場

ケロウナの幼児教育と子育て支援の視察の続き。
(こちらが第一弾のルポ→ルポ1 人をつなぐ共創と協働の場


今回の視察で一番の楽しみだった、カナダの森のようちえん。

自分が「自然」に惹かれるようになったのは、大きく分けて二つ理由があるだろう。
一つは、幼い頃からキャンプやら、スキーやら、山登りやら、川遊びやら、自然に触れる体験をたくさんさせてもらってきたこと。その経験が今の自分にどうつながっているかは、目に見えないが、自分の人格形成のどこかにつながっているとだけは、言い切れる。

もう一つは、先生を目指している時に読んだ、レイチェル・カーソン著「センス・オブ・ワンダー」という本の影響だろう。

この本は教師を目指す人には必読書と教わった。何でも吸収したかったわたしは、すぐその本を買い、同じ著者の本である「沈黙の春」もいっしょに買って読んだ。その本を読んで、自分も母親になったら子どもといっしょに雨の日でも外に出て、自然のきらめきや変化に目を見張り、驚いたりわくわくしたりしたいと思った。それは今もなお続いている。

そんな理由で、「森のようちえん」の存在を知った時に、まさに、自分が目指す教育のあり方に近いのではと思った。小学校教員を辞めようと決心した時に、日本ではじめて「森のようちえん」をつくった方に会いに、長野まで飛んでいった。この話は、また別の機会に。

ただ、わたしもそうであったように、「森のようちえん」は、もしかするとイメージだけが先行し、それぞれの認識が違っていたり、大事にしている価値観が抜け落ちたままに、広まっていたりするおそれがあるのかもしれない。

森のようちえんが大切にしたいこと

◯自然はともだち
• 自然の中で、子ども、親、保育者が、共に育ちあうこと
• 自然の営みに合わせるということ
• 保育や福祉の仕組みを理解し、日本の保育や子育て全体に貢献することいっぱい遊ぶ
• 自然の中で、仲間と遊び、心と体のバランスのとれた発達を促す。
 ◯自然を感じる
• 自然の中でたくさんの不思議と出会い、豊かな感性を育む。
◯自分で考える
• 子どもの力を信じ、子ども自身で考え行動できる雰囲気をつくる。 

(引用:森のようちえんとはhttp://morinoyouchien.org/about-morinoyouchien)


ここで特筆したいのところは、保育者の立ち位置という点。
共に育ち合う存在。子どもを一人の人間として対等な存在として見守り、信じて任せる。そういった姿勢のあり方は、決まった「指導技術」や「指導法」に当てはめることは難しく、それぞれの保育者のあり方が子どもとの関わり方に大きく左右するだろう。


ということで、二つ目のルポ。ケロウナ「森のようちえん」

この森のようちえんは、2012年に、ケロウナ市より初めて認可を受け、アウトドア型保育を行うプリスクールとしてスタートした。

全敷地面積は、12.5エーカー。これは、東京ドームが一個すっぽりおさまる広さだ。そのうちの5エーカーが、活動できる場所としてフェンスで区切られ、残りの7.5エーカーは森になっていて、自然環境をそのまま残した敷地になっている。

7か所あるデイケアの施設から、決まった曜日に2歳半~5歳までの子が、週1回来るようになっている。プリスクール(幼稚園)としては、週3日間で午前中のみ行われている。
その他の時間は別プログラムを行ったり、小学生向けに開放されたりしている。学校が休みの時も解放されており、特に夏休み、春休みなどの利用が多い。場所の貸し出しサービスも行っている。
現在、乳幼児~中学1年まで、約400名が参加しているとのことだった。(2016年時点)

運営としては、年に3万ドルの補助金が州から出ているとのこと。また、一人あたりの利用料は、月300ドルで、スナック、バス移動費、ランチを全て含んでの代金である。



主な活動内容は?

登園の後、敷地内の内、フェンスで囲まれたアクティブエリアで、子どもたちは自分が今やりたいことをそれぞれ選んで活動する。以下が施設内にある道具や遊具などの一部である。

◯道具
シャベル、台車、バケツ、自転車、ヘルメットなど。

◯自然に触れる素材、場
畑、果樹園、坂、切り株、木の枝など。

切り株を飛んで遊んだり、畑や果樹園を手入れしている大人の姿を見て、自ら興味を持ち、自主的にお手伝いすしたりする子もいた。

◯遊具や備え付けのもの
ブランコ、坂の上のロープ、ミニハウス(3つほど)、メロディベル、水道など。

水あそびをする子も多く、どろんこ遊びに夢中になっている姿が見られた。

また、子どもに必要だと思われるものはどんどん増設されていた。2度の視察の間に、新しい木が植えられたり、日陰になる屋根つきの建屋が作られたりしていた。

もちろん園が用意したプログラムやアクティビティもあり、フェンスの外側の森へ探検にいく課題などもある。しかし、強制的に参加を促すものではなく、参加したい人だけ参加できるようになっていた。


この園での約束事は、ほとんどないということだったが、「大きなけがをしないように」ということは、スタッフの方々が特に心がけているようだった。子どもたちが、危ないことをしそうになった時には、注意を促すのではなく、「けがをしないようにね」と声をかけておられ、過度な見守りや注意などは控えている。この姿勢はどのスタッフも共通していた。

子どもたち自身も、自然の中で思う存分に体を動かして遊んでいるので、ちょっとのけがは気にせず、たくましく育っているように見受けられた。


感じたことをまとめると。

①のびのびとあるがままの自分であれる空間!
スタッフの方から「部屋の中で過ごしている時には問題のある子として見られていた子が、ここに来るとそんなことは全然感じられず、いきいきと活動している」という話題が出たが、部屋で行うおもちゃなど、遊び方が固定化されてしまいやすいものではなく、自分が探求すればどんな風にでも遊び方を発掘できる自然の素材は、子どもにとって夢中になれる余白を多く含んでいる。スタッフの温かなまなざしがある空間で、安心して自分のやりたいことに夢中になれる時間が確保されていて、どの子も満足そうに活動していた。
また、異年齢の子でも話をしたり、困っていると協力している子がいたり、自然な流れでつながることができており、友だち同士の関わりが多いということにも驚いた。


②外部を巻き込む力
カナダのケロウナでも、まだまだ「森のようちえん」が知られていなかったり、正しく受け止められていなかったりすることが多いという。そんな中、自分たちの考えを発信することで、協力者や理解者を増やす努力をされていた。
大学を巻き込んで、共同研究できるようにしたり、畑でとれた作物を地域に還元したりしている取り組みもあると、うかがった。
自分たちの活動を通して、新たな価値観や保育のあり方を広げていき、一人一人の子どもたちに合った教育の場につなげていこうとされているのは、とても感銘を受けるところであった。

そんなところで、今回のレポートはおわり。

まだまだこれからも続けて書いていきます。
読んでいただきありがとうございました!

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〈蛇足かもしれない補足〉

ここに行かせていただいてはじめて、わたしは「森のようちえん」がそこにいる子にだけの閉ざされた場所という認識から、「森のようちえん」という活動や取り組みを通して、多様な幼児教育のあり方や価値観を広げていくという認識に変わった。

それは、今後の自分の活動の大きなヒントになった。

時系列通りではないですが、レポートは書けそうなものから随時書いていきます。

行きたい場所
・フィンランドのネウボラ視察したい。
・デンマークの森のようちえん視察したい。

#レポート #報告 #海外視察 #森のようちえん #幼児教育 #保育 #教育


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