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ルポ1 人をつなぐ共創と協働の場

カナダ、ケロウナ。
わたしが小学校を退職してから、まず訪れようと思ったのが、その地だ。「ケロウナ」という名前を、その時まで聞いたこともなかったし、カナダのどこに位置しているのかもわからない。実は今もわかっていない。自分が、特に場所にこだわりを持っていないせいだと思う。

赤いところがケロウナがある州。ブリティッシュコロンビア州。

(調べてみた!)

ケロウナに行くことになったのは、ひょんなことがきっかけだった。「森のようちえん」に、興味を持っていたわたしは、facebookで「森のようちえん全国ネットワーク」のページをフォローしていた。そして、タイムラインで流れてきたケロウナ州への「幼児教育と子育て支援の視察ツアー」の募集があると知ったことから始まる。当時のわたしは、自分の進むべき道が明確に見えておらず、暗中模索状態だった。だから、ヒントとなるものをつかみたかったのかもしれない。もしくは、早く何か行動を起こさなければ、と焦っていたのかもしれない。
しばらく悩んだ結果、ツアーの参加を決め、1週間弱の旅程中はホームステイをすることになった。ホームステイは人生で一度は経験しておきたかったので、とてもうれしかった。

ツアーまでの約1ヶ月あまりの間、英語の練習を始めることにした。「hanaso」という英会話レッスンで、スカイプ上で講師の方と教材を進めつつ、フリートークを交えながら学ぶことのできるレッスンだ。このレッスンを週2回のプランで続けた。あまりにも短い期間であったため、その結果はあまり出なかったが、自分から積極的に話すということに抵抗はあまりなくなった。また、何か学ぶということだけでも前向きなエネルギーが起こり、予定が皆無の日々に、一つ決まった習慣があるというだけで生活にハリが出た。

前置きが長くなったが、遠回りになったとしても、書いておきたいことがある。視察の参加者はわたしを含めて3名となったが、連絡のやり取りをメールで行っている時に、参加者のうちの一人の方のお名前を見て、何かひっかかるものを感じた。その瞬間には閃かなかったが、しばらく経って、点と点がつながった。

「この人、もしかして・・・?」

わたしは、仕事を辞めてからというもの、度々図書館に行って、気になる本を読んでいた。なんとなく、これからの仕事を考えた時に、「自然」「居場所」のキーワードが浮かんでいたので、その分野の関連の本を選んだ。

その中でも、「人がつながる居場所のつくり方」という本が心に残っていた。その本はさまざまな活動が取りまとめられたものになっており、連名の著作となっているが、ある方の活動報告に感銘を受けた。「世の中には、こんな人がいるんだ!わたしもがんばろう!」と目が覚める思いがしたのだ。公教育の場に悲観し、諦めに似た感情を抱きかけていたわたしにとって、すごく大きなことだった。 
そして、その記事を書いた方こそ、今回、いっしょに視察のツアーに参加する方だったのだ。驚きで震えたことを今でも思い出す。

直感を大事にしたほうがいいと、よく言葉では聞くが、それは本当にそうだろう。自分の感覚を研ぎ澄ませていくと、必ず会うべく人とつながるようになっている。こういう体験を通じて、実感として感じるようになっていった。(かといって、すぐさま行動に移すのが難しかったり、直感が鈍っている時もあったりする)

ようやく、長い前置きがひと段落つきそうだ。実際には複雑に入り組みながらさまざまなストーリーが展開しているわけである。本題のストーリーに戻り、まだ見ぬ場所、カナダのケロウナへと旅立った。


一つ目は、CATCH(キャッチ)という非営利団体の活動から。

CATCHという名は、「Community Action Toward Children’s Health」の大文字の頭文字からきている。オカナガン地区における様々な地域の健全な子育てを支援する活動を行っている団体で、子育てに優しいコミュニティづくりを目指している。

(↑サイトの表紙の画像です)

主な活動は3つ。
・地域の子育て環境の把握
・子育て世帯と地域をつなぐサポート
・地域住民・関係各所向けのフォーラムの開催

ケロウナの都市があるブリティッシュコロンビア州(通称BC州)では、3つの省で子育ての支援体制がとられている。その3つの省のうちの1つが、子ども、親、養育者、チャイルドケア施設などに対する資金補助や援助に関わるプログラムやサービスの提供を行っており、CATCHも、そこから資金援助を受けているようだ。

CATCHには、子どもに関わる事業に取り組んでいる団体が数多く関わわり、ネット上でつながっている。そして、その団体を「パートナー」と呼び、数多くのパートナーが集まることにより、補完し合ったり、相互協力を行ったりすることができる。

CATCHが果たす役割は、「ミーティングスペースの提供」「ネットワーキングの場」「情報発信の場」「ワークショップ、イベントの開催」などがあり、多様に富んでいる。

そして、興味深かった活動の一つに、「#isitgood4children(それは子どもにとってよいのか?)」というハッシュタグ企画がある。ツイッタ―などのSNSを使い、ハッシュタグをつけて拡散することで、子どもについて考えるきっかけ作りをしようとするものだ。
これは選挙前に行われていたようで、政治家に向けた啓発的なものとなっていた。軍事対策には多くの政治家が尽力するが、福祉や教育対策を疎かにしていたりする傾向があったのだ。そういうことから、福祉や教育対策に、もっと目を向けてほしいという意図が込められていた。
今でこそ、ハッシュタグでの拡散は一般的になっているが、視察に行ったのは2016年のことで先進的な取り組みだといえる。

また「Central Okanagan Family Habs-Kelowna(通称Habs)」という活動も、2016年時点で開始されたようだ。
これは、ネット上だけではなくリアルなコミュニティの場として、子育ての支援サービスが受けられるように整備されたものだ。
(ハブ= 人と人をつなぐネットワークの中心、橋渡しみたいな場所を意味する)

具体的には、「アボリジニの子育て支援対策」「父親の育児サポート」「医療ケア」などが行われている。
また、このHabsの特徴として、近隣に住む人たちと共に作っていくという考え方があり、Habsの場自体も、周りの人たちを巻き込んで作りあげていったという。(参加型のクラウドファウンド的な感じを想像できる)

話を聞いていると、Habsでの活動は、単にパートナー同士の橋渡しをすることや、来た人や団体の悩みや課題を解決することの目的以上に、気軽に参加できる場として開放され、多様な人や団体とともに、新たな活動を作り出したり、みんなで課題解決していこうとするところに、この活動の大きな目的があるように感じた。

感じたことをまとめると。

① 行政の協力がすごい!
日本で活動を行うとなると、まず、資金面で苦しい面が生まれてきて、スタートアップに時間がかかったり、途中で事業自体が行えなかったりする場合が多い。
行政側から率先して、資金補助やプログラムの作成を行っている点は、州や国自体の考え方に相違があるのだと思った。

② 参加型→相互作用
日本でも「参加」は、最近のコミュニティやまちづくりなどのキーワードになってきているが、まさに CATCHの活動は「参加」を意図的に行われる仕組みが散りばめられている。しかも、それが、誰か権威のある人ではなく、一つ一つの団体を「パートナー」と呼んだり、地域の人たちにも力を借りながら作り上げていく姿勢や、つながりの中で新しいものを生み出していく取り組みは、日本でも応用して取り入れていけたらおもしろそうだ。

そんなところで、今回のレポートはおわり。
長かったけれど、読んでいただきありがとうございました。

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〈蛇足かもしれない補足〉

本当はレポートとして書き始めるつもりだったが、悩んだ結果、自分の体験談やその経緯をノンフィクションで書いた上で、レポート記事を書きまとめるものにした。単純に、その方が自分が楽しそうだと思ったからである。
前提として、学びの場や多様な生き方をここで書き表そうと始めたこのレポート企画。(企画なのか?一応そう名付けよう)
何がよくて、何が悪いかというのを伝えたいのではなく、「いろんな生き方や考え方があるから、自分のぴったりなものを探求しよう!」みたいなところが自分の根底にある。

わたし自身は、CATCHの「#isitgood4children(それは子どもにとってよいのか?)」はこの先ずっと問い続ける命題となった。この記事の一番上の画像は、まさにそのことを考えている時に後ろから撮られた一枚。


このレポートは時系列には沿っていません。書けるものから書いていきます。一応、次もカナダのレポートを予定しています。

まだまだつづくよ〜

#レポート #海外 #カナダ #教育 #コミュニティ #子育て #子育て支援


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