学校では教えてくれない、お金の話②物を買う~前編~

前回は、お金の使い方で「消費」と「投資」がある話をしました。

今回は、お金の「消費」と「投資」で「物」に「使う」場合です。

その前に、前回の記事をおさらいしますと……

 1)消費=今を生きるために必要。水や食糧、生活インフラなど
 2)投資=未来のために必要。教育など人に対するものも含む

……であり、消費の中でも必要ではない欲しいものは「浪費」です。

ですが「浪費」の中には、人生の目的『幸せに、生きる』のうち、前者として必要なものもあり、さらにその中には人によって「投資」に相当する場合もあります。

そこで「物」に対する「消費」と「投資」について、ここからはマクロ経済学の話。

マクロ経済学では以下の三つの市場があります。

 ①財市場(「財・サービス市場」「生産物市場」とも)
 ②資産市場(主に金融市場。金融商品以外に芸術品など)
 ③生産要素市場(「生産の三要素」=土地・労働・資本)

①財市場は「財・サービス市場」や「生産物市場」という言い方もありますが、個人的には「生産物市場」が最もわかりやすいのではと思います。

何故なら「生産した後にできた物の市場」だからですね(そのままやん)。

この市場で取引される財とは消費財と耐久消費財であり、買った後に「使う」ことで、価値がなくなっていくものです。

後者の耐久消費財とは、耐久性があって長期間「使う」ことができる(使えるという価値が比較的なくなりにくい)もので、家電や家具、自動車などが相当します。

②資産市場は「金融市場」や「貨幣・債券市場」などの言い方もされますが、厳密にいえば貨幣や債券などの金融商品以外に、絵画や彫刻のような芸術品や骨とう品など金目の物(下品な表現ですが)も含まれます。

お金を使うことで乱暴にいえば、先ほどの財市場では「消費」で、資産市場では「投資」に相当します。

資産市場での「投資」の対象は、株や債券などの金融資産と、不動産と動産(金目の物)の実物資産になります。

財市場と資産市場の「物」の違いは、以下の説明がわかりやすいかと。

該当部分を以下に引用します(改行と「」を追加)。

入門レベルでは、資産市場には「短期間に生産によって増やすことができない資産の市場」という定義づけがなされる。
たとえば、株式・債券・中古建築物・中古機械・土地・宝石貴金属・美術品 etc
こうしたものの価値は、生産によって高めることはできず、あるいは生産そのものができない。
同時に、一度取引されたからといって、この世から消滅するとは考えられておらず、状況次第で、同じものが何度でも繰り返し市場で取引される。

https://detail.chiebukuro.yahoo.co.jp/qa/question_detail/q14119562024

③生産要素市場とは、その名が表すように「生産の基本となる(生産する前に必要な)ものの市場」を言い、中でも「土地・労働・資本」を「生産の三要素」と言います(後編で詳しくお話しします)。

 ・土地:生産する時に使う土地や鉱物のこと。
 ・労働:生産力や技術力を持つ労働者のこと。
 ・資本:労働力を投入して、できた財のこと。

今回は①と②について……の前に、ちょっとだけインフレの話。

インフレとはインフレーションの略語で「物価が上昇し、お金の価値が(お金で交換できる)物と比べて安くなっていく」ことを意味します。

そのインフレに対して「物」で対策する場合、交換する「物」は②の資産市場の「物」となります。

何故なら①の財市場で取引される「物」は消費財であり、消費して価値がなくなってしまうものだからです。

②の資産市場で取引される「物」といえば、要するに「金目の物」ですが、これからの時代はこの部分が大きくなっていきます。

一例として、中古車を挙げてみましょう。

なぜか90年代の国産中古車が高騰しているらしいです(外車とかクラシックカーとかなら、まだわかりますけども)。

上記リンク先の記事を拝読し、高騰の理由を要約しますと「①90年代当時人気だったスポーツモデルで、現在はすべて絶版。②時間が経ったことで消耗され尽くした。③2000年の排ガス規制強化によって多くのスポーツカーが生産中止」とのこと。

つまり「高騰しているのは趣味性の高いスポーツカーで生産量が少ない上に、排ガス規制強化で生産中止が追い打ちで生産中止、時間が経って消耗し、状態の良いものが残っていない」ということですが、これをムリヤリ一言でまとめると「趣味性の高いスポーツカーだから」とも言えます。

趣味性の高い車だからこそ、どうしても「欲しい(多額のお金をかけてでも)」と思う熱狂的ファンが存在し、それゆえに高騰する、と。

この熱狂的なファンは、移動手段として「必要」な(=「使う」ことのできる)車を求めているのではありません。

記事より一部引用します。

例えば、かつて100万円以内か、タダ同然で購入できた「R32のGT-R」は、500万~1,000万円で、「S13系シルビア」などは200~300万円が当たり前です。

https://www.goo-net.com/magazine/contents/check-point/61603/

文中の「かつて100万円以内か、タダ同然で購入できた」時の中古車とは「財市場で取引される耐久消費財(で、まだ使える期間が残っている)」という扱いでした。

耐久消費財とは「耐久性があって長期間使うことができる(使えるという価値が比較的なくなりにくい)もの」であり、中でも自動車は「移動手段として、長期間「使う」ことができるもの」です。

それが、人気が出た(「欲しい」と思うお客さんが増えた=需要が大きくなったから高騰する)ことによって、「資産市場で取引される物(資産)」となったわけですね。

資産市場で取引される物を引用文で確認します。

こうしたものの価値は、生産によって高めることはできず、あるいは生産そのものができない。同時に、一度取引されたからといって、この世から消滅するとは考えられておらず、状況次第で、同じものが何度でも繰り返し市場で取引される。

https://detail.chiebukuro.yahoo.co.jp/qa/question_detail/q14119562024

資産となって「同じものが何度でも繰り返し市場で取引される」ようになる物としては、ビックリマンチョコのオマケシールで何とかゼウスとかいうのを思い出しましたが、あれも同じシールがコレクターの間で繰り返し取引されて、ぐるぐるぐるぐる回っているわけですよね。

このシールも生産は終わっていて増えることはありませんが、全体的に「飽きられて(「欲しい」という感情が薄れて)人気がなくなる」とか、あるいはどこかの倉庫で「自分の持っている何とかゼウスが大量に発見されて、市場に出てきた」とかすると、価格が暴落することになります。

最後に一つ、質問です。

この資産市場の物とは、人生の目的『幸せに、生きる』のうち、前者と後者のどちらでしょうか?

もちろん、前者ですよね。

幸せになるために「欲しい」ものです。

生きるために必要な水や食糧、あるいは生活のために必要な道具や家電、自動車(移動手段として必要とする場合)、生計を立てるための仕事に関係する……などのものではありません。

ですが私は、このような方法で「インフレ対策する」とか、あるいは「資産を築く」のをおすすめしたいわけではありません。

ブームが去ることもありますし、ブームが去らなくとも「自分の買ったモデルだけ、人気がなくなる」という可能性もありますので。

ただ、自分が幸せになれるものがあるのは素敵なことですし、そういものがある人を尊重し、それは素敵なことだなと思っていただきたいのです。

また、そのような人に対して「お金のムダ遣いだ」などと非難しないで欲しいとも思います。

他人の幸せを尊重することができると、自分の幸せも尊重できるようになりますので、むしろご自身の幸せを考えるきっかけにして欲しいなと。

日本人は、人生の目的『幸せに、生きる』のうちの後者の、生計を立てるための仕事かつ労働をあまりにも重視し、高く評価し過ぎています。

それによって生産性も下がるだけでなく、幸せを感じることもできず、結果的に長年にわたり「G7で自殺率ワースト一位」となる遠因にもなっているのではと、私は考えています。

(参考までに以下、厚生労働省様の資料です。2024年1月1日

https://www.mhlw.go.jp/content/2024-1-1-06.pdf

上記リンク先より、画像を引用させていただきます。

https://www.mhlw.go.jp/content/2024-1-1-06.pdf

日本は相変わらずワースト一位ですが、男性に限っていえばアメリカが一位になっていました。

これは私も存じませんで、驚きました)

おわり。

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