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「戻りたい」じゃない。「戻らなあかん」が苦しい。


休職して、もうすぐ2ヶ月半になる。

さっき、職場から電話があった。
うちの部長と、人事課からだった。

体調のこと。
今後のこと。

別で、仲の良い上司からもLINEが届いた。

「体調どうですか?」

ありのままを伝えた。

運転すると吐きそうになること。

認知行動療法を始めたこと。

主治医から「ギリギリ大丈夫な活動を毎日しましょう」と宿題を出されていること。

すると、

「復職までは、まだ時間がかかりそうなんやな。」

そんな言葉が返ってきた。

責められたわけじゃない。

むしろ、現状を理解してくれているからこその言葉だったと思う。

でも、そのあとから頭の中をぐるぐる回り始めた。



実は、うちの病院には一つのルールがある。

同じ病名で180日を超えて休職すると、退職扱いになる。

今月末で3か月。

つまり、折り返し地点にもまだ届いていない。

焦る。

本当に焦る。



でも、考えてみた。

そもそも、自分はどうしてここまで壊れてしまったんだろう。

数年前から、病院の経営方針が変わった。

詳しいことは書けないけれど、一言でいうと、

患者さんの入退院の回転が一気に速くなった。

体感では、それまでの何倍も忙しくなった。

病院も慈善事業ではない。

全国的に赤字経営が多いことも知っている。

患者さんを受け入れなければ病院は成り立たない。

それも理解している。

でも、そのしわ寄せは、現場にくる。

次から次へと入院。

次から次へと退院。

転院患者さんも増えた。

当然、対応する患者さんやご家族も増える。

その中には、理不尽なクレームを言う人もいる。

認知症やせん妄で怒鳴る人もいる。

医療者にはどうしようもないことで怒られることもある。

もちろん、ほとんどの患者さんやご家族は本当に良い人だ。

感謝の言葉をくださる方もたくさんいる。

だからこそ続けてこられた。

でも、毎日100人の良い人と会っても、たった1人の強烈な理不尽は、心に深く刺さることがある。

そして、その「1人」が、ここ数年は、本当に増えているように感じていた。



職場では、大勢のスタッフが辞めていった。

看護師さん。

リハビリスタッフ。

ほかのコメディカル。

理由はそれぞれ。

転職した人もいる。

家庭の事情の人もいる。

でも、精神的に限界を迎えて辞めた人や、休職した人もいた。

その姿を見ながら、

「大変やな。」

そう思っていた。

まさか、次は自分になるなんて、想像もしていなかった。



今年に入ってからは、特にひどかった。

認知症の患者さんから、一方的な勘違いで怒鳴られた。

夜中には、せん妄状態の元社長さんが「アイツを呼べ」と怒っていたと聞いた。

休みの日にお願いしていた申し送りを、休み明けに全部自分へのクレームになったこともあった。あんなにも、クレームに繋がるから、絶対に、あーして、こーして、と言ったにも関わらず。

休職する直前には、強烈なクレーマーから理不尽な言葉を浴び続けた。

今思えば、

2年に一度くらい遭遇するような出来事が、2か月ほどの間に集中していた気がする。

そして、ある日。

張っていた糸が切れた。

翌日、体が動かなかった。

涙が止まらなかった。



振り返ると、自分は患者さんのため、同僚のため、病院のために動き続けていた。

クレームが起きないように。

事故が起きないように。

みんなが仕事しやすいように。

裏方として、できることは全部やってきたつもりだった。

でも、もしかしたら。

頑張りすぎたのかもしれない。



今、一番苦しいのは、

「復職したい。」

ではなく、

「復職しなければならない。」

という気持ちだ。

あの環境へ戻ることを考えるだけで、胸が苦しくなる。

苦労して取った国家資格。

10年以上かけて築いてきた仲間との関係。

全部失うのは惜しい。

本当に惜しい。

それでも今は、

患者さんと向き合う自信がない。

というか、もう患者とは一切関わりたくない。

人を支える仕事なのに、

今は自分を支えるだけで精一杯だ。



最近、知り合いからこんな話を聞いた。

別の病院で働くベテランの理学療法士さんが、うつ病で通院しながら働いていた。

最近、仕事中に倒れたそうだ。精神的な負担があったそうだ。

また、ここ最近、とある県の理学療法士が刃物を振り回したという衝撃的なニュースもあった。

もちろん、それぞれ事情は違う。

誰かを責めたいわけでもない。

でも、医療職は、世間が思っている以上に精神的な負担が大きい仕事だということだけは伝えたい。

命を預かる責任。

人手不足。

カスハラ。

理不尽。

そして、「患者さんのために」という責任感。

それらを毎日抱えながら働いている人は、本当に多い。



今の自分には、まだ答えは出せない。

この病院へ戻るのか。

別の道を探すのか。

それとも、まったく違う人生を歩むのか。

まだ分からない。

でも、一つだけ分かったことがある。

休職は、「弱かった人」がするものじゃない。

限界まで頑張り続けた人の、体と心が出した最後のSOSなんだ。

だから今は、そのSOSを無視せず、ちゃんと耳を傾けようと思う。

答えは、もう少し元気になってから探しても、遅くないはずだから。

別の仕事、いまから見つかるのか。

どうか、サマージャンボ、当選しますよーに。


せぷてんばは限界です。


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