コンテンツにスキップ

葛巻町

出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』

葛巻町
くずまき交流館プラトー
葛巻町旗 葛巻町章
葛巻町旗 葛巻町章
1978年12月15日制定
国 日本の旗 日本
地方 東北地方
都道府県 岩手県
郡 岩手郡
市町村コード 03302-2
法人番号 8000020033022 ウィキデータを編集
面積 434.96km2
総人口 4,725人 [編集]
(推計人口、2026年9月1日)
人口密度 10.9人/km2
隣接自治体 盛岡市、久慈市、岩手郡岩手町、下閉伊郡岩泉町、九戸郡九戸村、二戸郡一戸町
町の木 白樺(1975年制定)
町の花 はぎ(1975年制定)
町の鳥 ヤマドリ(1975年制定)
葛巻町役場
町長 鈴木重男
所在地 〒028-5495
岩手県岩手郡葛巻町葛巻第16地割1番地1
北緯40度02分23秒 東経141度26分11秒 / 北緯40.03983度 東経141.4365度 / 40.03983; 141.4365座標: 北緯40度02分23秒 東経141度26分11秒 / 北緯40.03983度 東経141.4365度 / 40.03983; 141.4365
葛巻町複合庁舎「くずま〜る」
外部リンク 公式ウェブサイト

葛巻町位置図

■ ― 市 / ■ ― 町 / ■ ― 村

ウィキプロジェクト
テンプレートを表示

葛巻町(くずまきまち)は、岩手県北部に位置し、岩手郡に属する町。北上高地の東北部に位置しており、酪農と林業を基幹産業とする[1]。

地理

[編集]

町の中心部は標高約400 m、周囲は1,000 mを超える山々に囲まれていて、森林が町の86%を占める。

気候

[編集]

ケッペンの気候区分では、葛巻町は湿潤大陸性気候・亜寒帯湿潤気候 (Dfb) に属する。降雪量が多く、豪雪地帯に指定されている。

年平均気温は8.5 ℃である。平年値では猛暑日が0.1日、真夏日が11.1日、夏日が60.2日、真冬日が39.5日、冬日が151.7日となっている[2]。また、12月から2月にかけて日平均気温が氷点下となっている。

冬季は-20 ℃を下回る気温が観測されることがあり、2017年1月15日に-20.3 ℃、2021年1月3日に-21.1 ℃、2021年1月9日に-22.6 ℃を記録している[3]。

年平均降水量は1,037.9 mm、年平均降雪量は384 cm、年平均日照時間は1,384.6時間である。

極値[4] 観測値観測年月日
最高気温35.3 ℃2025年7月29日
最低気温-23.2 ℃1978年2月17日
最大日降水量146 mm2006年10月7日
最大1時間降水量49 mm2002年8月19日
最大風速16.1 m/s2018年10月7日
最大瞬間風速30.7 m/s2017年9月18日
最深積雪114 cm2011年1月1日
葛巻(岩手郡葛巻町葛巻第7地割字元町、標高418 m)の気候
月1月2月3月4月5月6月7月8月9月10月11月12月年
最高気温記録 °C (°F) 11.9
(53.4)
15.4
(59.7)
19.3
(66.7)
27.6
(81.7)
31.9
(89.4)
33.0
(91.4)
35.3
(95.5)
34.7
(94.5)
32.4
(90.3)
27.0
(80.6)
21.8
(71.2)
17.0
(62.6)
35.3
(95.5)
平均最高気温 °C (°F) 0.0
(32)
1.0
(33.8)
5.3
(41.5)
12.7
(54.9)
19.1
(66.4)
22.6
(72.7)
25.7
(78.3)
26.7
(80.1)
22.4
(72.3)
16.2
(61.2)
9.5
(49.1)
2.8
(37)
13.7
(56.7)
日平均気温 °C (°F) −3.8
(25.2)
−3.2
(26.2)
0.5
(32.9)
6.8
(44.2)
12.8
(55)
16.7
(62.1)
20.6
(69.1)
21.3
(70.3)
17.0
(62.6)
10.4
(50.7)
4.4
(39.9)
−1.1
(30)
8.5
(47.3)
平均最低気温 °C (°F) −8.2
(17.2)
−8.0
(17.6)
−4.5
(23.9)
0.8
(33.4)
6.3
(43.3)
11.3
(52.3)
16.2
(61.2)
17.0
(62.6)
12.4
(54.3)
5.2
(41.4)
−0.5
(31.1)
−5.2
(22.6)
3.6
(38.5)
最低気温記録 °C (°F) −22.6
(−8.7)
−23.2
(−9.8)
−20.3
(−4.5)
−11.8
(10.8)
−3.5
(25.7)
−0.4
(31.3)
5.6
(42.1)
5.0
(41)
0.2
(32.4)
−4.8
(23.4)
−10.7
(12.7)
−18.8
(−1.8)
−23.2
(−9.8)
降水量 mm (inch) 41.6
(1.638)
38.5
(1.516)
57.8
(2.276)
62.8
(2.472)
75.1
(2.957)
86.2
(3.394)
147.3
(5.799)
157.1
(6.185)
130.9
(5.154)
104.3
(4.106)
72.1
(2.839)
64.3
(2.531)
1,037.9
(40.867)
降雪量 cm (inch) 116
(45.7)
107
(42.1)
76
(29.9)
7
(2.8)
0
(0)
0
(0)
0
(0)
0
(0)
0
(0)
0
(0)
4
(1.6)
79
(31.1)
384
(151.2)
平均降水日数 (≥1.0 mm) 10.4 9.8 11.4 11.2 10.3 9.8 11.8 11.8 11.4 10.9 12.1 11.8 132.8
平均月間日照時間 47.4 66.6 123.1 160.8 182.9 152.1 131.1 139.1 126.3 119.6 82.4 51.6 1,384.6
出典:気象庁(平均値:1991年 - 2020年、極値:1976年 - 現在)[5][6]

歴史

[編集]

江戸時代には南部藩に属し、寛文5年(1665年)からは南部藩より分藩した八戸藩に属することとなった。また、盛岡へ塩を運ぶ野田街道の宿場町として栄えた。廃藩置県の後、北九戸郡葛巻村となり、幾多の変遷を経て岩手郡葛巻町として現在に至る。

沿革

[編集]
  • 1889年(明治22年)4月1日 - 町村制施行、葛巻村が単独で村制施行し、北九戸郡葛巻村が成立。
  • 1897年(明治30年)4月1日 - 北九戸郡と南九戸郡が合併し、九戸郡の所属となる[7]。
  • 1940年(昭和15年)12月25日 - 町制施行し、九戸郡葛巻町となる。
  • 1948年(昭和23年)7月1日 - 九戸郡葛巻町と江刈村が岩手郡に編入[8]。
  • 1955年(昭和30年)7月15日 - 葛巻町、江刈村、二戸郡田部村が合併し、新たに岩手郡葛巻町が発足。
  • 1978年(昭和53年)12月15日 - 町章を制定[9]。

行政

[編集]
代氏名就任退任備考
葛巻村長(官選)
不詳
旧葛巻町長(官選)
不詳
旧葛巻町長(公選)
不詳
葛巻町長(公選)
1遠藤喜兵衛1955年8月28日1959年8月27日
21959年8月28日1963年8月27日
31963年8月28日1967年8月27日
41967年8月28日1971年8月27日
5高橋吟太郎1971年8月28日1975年8月27日
61975年8月28日1979年8月27日
71979年8月28日1983年8月27日
81983年8月28日1987年8月27日
9鈴木輝雄1987年8月28日1991年8月27日
101991年8月28日1995年8月27日
11遠藤治夫1995年8月28日1999年8月27日
12中村哲雄1999年8月28日2003年8月27日
132003年8月28日2007年8月27日
14鈴木重男2007年8月28日2011年8月27日
152011年8月28日2015年8月27日
162015年8月28日2019年8月27日
172019年8月28日2023年8月27日
182023年8月28日現職

中村哲雄の2期8年間で、以下のような行財政改革を行った[10]。

  • 交付税・交付金を8年間で累計50億円削減
  • 町の借入金を16億円削減
  • 町の基金を2億円増額
  • 町収入役を廃止。町役場の6課を廃止(課長職6名削減)し、5課4局体制に組織変更。あわせて外部委託を行い、役場職員を50名削減。これにより給与支給額で4億円を削減
  • 町長の報酬を月額10万円削減
  • 町議会議員を16人から10人に削減
  • 町議会農業委員を22人から14人に削減

第三セクターとの連結決算では、毎年約2億円程度の黒字財政となった[10]。

姉妹都市・友好都市

[編集]

国内

[編集]

人口

[編集]
葛巻町と全国の年齢別人口分布(2005年) 葛巻町の年齢・男女別人口分布(2005年)
■紫色 ― 葛巻町
■緑色 ― 日本全国
■青色 ― 男性
■赤色 ― 女性
葛巻町(に相当する地域)の人口の推移
1970年(昭和45年) 14,135人
1975年(昭和50年) 13,044人
1980年(昭和55年) 11,972人
1985年(昭和60年) 11,231人
1990年(平成2年) 10,364人
1995年(平成7年) 9,536人
2000年(平成12年) 8,725人
2005年(平成17年) 8,021人
2010年(平成22年) 7,304人
2015年(平成27年) 6,344人
2020年(令和2年) 5,634人
2025年(令和7年) 4,874人
総務省統計局 国勢調査より

平成27年国勢調査より前回調査からの人口増減をみると、13.14 %減の6,344人であり、増減率は県下33市町村中30位。

経済

[編集]

産業

[編集]
くずまき高原牧場 ミルクハウスくずまき

鉄道も高速道路も通っておらず、スキー場、温泉、ゴルフ場といったものもない[10]が、町の第三セクターであるくずまき高原牧場、くずまきワイン、グリーンテージくずまき(ホテル)の3社合計で、2007年に16億7000万円の売上を計上し、純利益約1000万円、累積黒字約2億円となっている[10]。3社合計の従業員数は164名で、そのうち半数近い80名がUターン就職であり、支払賃金額の総計が約4億5000万円と、町の経済活性化を実現している[10]。これにより「循環型地場産業形成政策」の成功例に挙げられている[11]。

クリーンエネルギー

[編集]

「北緯40度 ミルクとワインとクリーンエネルギーの町」を掲げ、高原地域での風力発電や、町有施設などにおける太陽光発電、家畜排泄物や間伐材を利用したバイオマス発電などの再生可能エネルギーを推進している[12]。

放送

[編集]

ラジオ

[編集]

町内には、象鼻山にNHK-FM放送の葛巻中継局 (89.9 MHz) が設置されている。

NHKの中波放送とIBC岩手放送、エフエム岩手は盛岡親局のエリア内ではあるが、山間部が多いために受信しにくい場所も存在する。

テレビ

[編集]

地上基幹放送は、折爪岳中継局を受信し、葛巻町が指定再放送事業者として整備した光ファイバー網により配信する。2012年(平成24年)3月まではNHK総合テレビとEテレの中継局がNHK-FM放送の中継局に置かれていた。

葛巻町は、2013年(平成25年)に地上一般放送事業者として地上一般放送局の免許を取得[13]し、ワンセグエリア放送を実施してきた。市町村によるワンセグ放送導入としては、青森県三沢市と同時で国内初の事例[14]であったが、2023年(令和5年)に再免許することなく廃止された。

町内に地上一般放送局25局が設置されていた[15]。

免許人局名呼出符号物理チャンネル周波数空中線電力ERP業務区域
葛巻町葛巻01エリア放送 -
葛巻25エリア放送
JOXZ2AU-AREA -
JOXZ2BS-AREA
32ch 587.142857 MHz 770 μW 770 μW 葛巻町の一部

教育

[編集]
岩手県立葛巻高等学校

高等学校

[編集]

中学校

[編集]
  • 葛巻町立葛巻中学校
  • 葛巻町立小屋瀬中学校
  • 葛巻町立江刈中学校

小学校

[編集]
  • 葛巻町立葛巻小学校
  • 葛巻町立小屋瀬小学校
  • 葛巻町立江刈小学校
  • 葛巻町立五日市小学校

郵便

[編集]
葛巻郵便局
郵便局
  • 葛巻郵便局(集配局)(83025)
  • 江刈郵便局 (83157)
  • 小田郵便局 (83239)
簡易郵便局
  • 岩手中村簡易郵便局 (83716)
  • 田部簡易郵便局 (83830)
  • 小屋瀬簡易郵便局 (83842)

交通

[編集]
ジェイアールバス葛巻駅(まちの駅くずまき)

鉄道

[編集]

町内に鉄道路線は走っていない。鉄道を使用する場合の最寄り駅は、岩手町のJR東日本東北新幹線およびIGRいわて銀河鉄道いわて銀河鉄道線いわて沼宮内駅。

バス路線

[編集]

道路

[編集]
道の駅くずまき高原

一般国道

[編集]

県道

[編集]
主要地方道
[編集]
一般県道
[編集]

名所・旧跡・観光施設など

[編集]
  • 袖山高原
  • 上外川高原
    • 上外川の一本桜
  • 平庭高原
    • くずまきワイン
    • 森のこだま館
  • 七滝
  • くずまき高原牧場
    • くずまき交流館プラトー
    • ミルクハウスくずまき
    • パンハウスくずまき

特産品

[編集]

イベント

[編集]
くずまき秋まつりの様子

くずまきはしご酒まつり

[編集]

年により開催される日は異なる。初開催は2013年。前売り券を購入し、その券で町内各地の飲食店でサービスが受けられる。5店舗以上巡ると景品が当たる。

ベアレンビール&くずまきワインフェスタinくずまき高原牧場

[編集]

毎年7月初めの日曜日に開催される、2017年で5回目を迎えるイベント。ジョッキまたはグラスを持参し、チケットを購入するとワイン・ビールが飲み放題になる。

くずまきワイン&生ビールまつり

[編集]

毎年7月終わりころにくずまき駅構内にて開催される。チケットを購入するとワイン・ビールが飲み放題となる。

くずまき夏まつり

[編集]

葛巻小学校グラウンドで開催。屋台村ほか、打ち上げ花火や盆踊り、抽選会などが行われる。

くずまき秋まつり

[編集]

毎年9月第4土曜日・日曜日に開催される、葛巻大麻八幡宮の例大祭。八幡宮の神輿は初日に同町内の秋葉神社へ郷土芸能(葛巻神楽、葛巻七つ物、葛巻さんさ)をお供に移動、そこで一泊する。各郷土芸能・山車は町内を回り、寄付を受けた家庭・店舗に粗品(郷土芸能はタオル、山車組はその年の山車がプリントされた手拭い)を配り、音頭上げや踊りを披露する。初日午後にはパレード、初日夜には山車組踊りの競演・山車展示が行われる。なお、不作の年は「宮祭り」と称し、山車運行などは行われない。

山車は茶屋場組、下町組、新町組、浦子内組の4台が出る。山車人形は、茶屋場組、新町組、浦子内組は一戸町(橋中組、上町組、一戸町 本組)、下町組は盛岡市から借り上げている。また盛岡観光協会・三番組から借りる例もある。

まちなか紅葉まつり

[編集]

まちなか活性化協議会が町中心部活性化のため開催するイベント。屋台村ほか、さまざまな催し物が開催される。

雪だるまロード・雪像コンテスト

[編集]

各地に雪像が作られ、コンテストを開催し、入賞者には景品が贈られる。

まちなか雪まつり

[編集]

葛巻小学校グラウンドにて行われ、雪に関する様々な催し物が開催される。

くずまき高原牧場冬まつり

[編集]

綱引きやカーリングなどが楽しめるほか、抽選会も行われる。

平庭高原つつじまつり

[編集]

屋台村やステージショーなどがある。

くずまき高原牧場まつり

[編集]

くずまき高原牧場で開催。新鮮な牛肉や牛乳を味わったり、動物との触れ合いが楽しめる。

くずまき町民まつり

[編集]

葛巻町社会体育館・モウモウ館で開催され、生涯学習まつり・産業まつりと同時開催される。ステージショーなどが開かれる。

この他、盆時期には各地区で盆踊り・抽選会が開催される。イベントなどの詳細・最新情報は葛巻町公式ページを参照のこと。

脚注

[編集]
  1. ↑ “葛巻町水道ビジョン” (pdf). 葛巻町. 2024年12月12日閲覧。
  2. ↑ 葛巻(平年値)
  3. ↑ 葛巻(年ごとの値)
  4. ↑ 観測史上1~10位の値(年間を通じての値)葛巻(岩手県) 2021年5月1日閲覧。
  5. ↑ “平年値(年・月ごとの値)”. 気象庁. 2026年4月4日閲覧。
  6. ↑ “観測史上1~10位の値(年間を通じての値)”. 気象庁. 2026年4月4日閲覧。
  7. ↑ 「法律第五十號」『官報』第3822号、内閣官報局、454頁、1896年3月30日。
  8. ↑ 「総理廳告示第百五十四号」『官報』第6459号、印刷局、190頁、1948年7月27日。
  9. ↑ 『図典 日本の市町村章』31頁
  10. 1 2 3 4 5 中村哲雄 (2008年). “逆境が創造の原点 - 「株式会社葛巻町の挑戦」” (PDF). 岩手県. 2025年4月24日閲覧。
  11. ↑ 熊坂敏彦 (2023年12月27日). “観光を基軸とした新しい地域産業政策と「循環型地場産業」の形成” (PDF). 第3回万国津梁会議報告. 沖縄県. 2025年4月24日閲覧。
  12. ↑ “くずまき クリーンエネルギーの取り組み” (pdf). 葛巻町役場 農林環境エネルギー課. 2026年8月2日閲覧。
  13. ↑ 岩手県葛巻町のホワイトスペースを活用した地上一般放送局に免許 -町内の25か所のエリア放送で行政情報などを提供-(東北総合通信局 報道資料 平成25年1月29日)( 2013年2月10日アーカイブ) - 国立国会図書館Web Archiving Project
  14. ↑ 免許取得状況(エリア放送開発委員会) - ウェイバックマシン(2014年2月2日アーカイブ分)
  15. ↑ エリア放送を行う地上一般放送局の免許状況【概要】(東北総合通信局 - 放送 )( 2023年3月21日アーカイブ) - 国立国会図書館Web Archiving Project

外部リンク

[編集]