土合駅
| 土合駅 | |
|---|---|
|
駅舎(2022年5月) | |
|
どあい Doai | |
![]() | |
| 群馬県利根郡みなかみ町湯桧曽218-2 | |
| 所属事業者 | 東日本旅客鉄道(JR東日本) |
| 所属路線 | ■上越線 |
| キロ程 | 69.3 km(高崎起点) |
| 電報略号 | トイ |
| 駅構造 | 地上駅(上り線)・地下駅(下り線)[1] |
| ホーム | 計2面2線(上下別)[1] |
| 乗車人員 -統計年度- |
19人/日(降車客含まず) -2013年- |
| 開業年月日 | 1936年(昭和11年)12月19日[* 2][2] |
| 備考 | 無人駅(乗車駅証明書発行機 有) |
概要
[編集]群馬県内の普通鉄道の駅としては最北端に位置する。当駅までが群馬事業本部管轄であり、上り線の清水トンネルの出口付近に長岡事業本部との境界が設置されている。当駅に停車する普通列車は長岡事業本部の担当で、群馬事業本部の担当は、隣の湯檜曽駅とともに施設管理のみとなっている。
下り線ホームは新清水トンネル内の地下深くにあり、地上の駅舎から486段の階段(標高差82 m、長さ338 m)を10分ほどかけて下りないと到達できないことから、「日本一のモグラ駅」として親しまれている。「関東の駅百選」認定駅の1つである。
- 「日本一のモグラ駅」の看板(2018年7月)
歴史
[編集]- 1931年(昭和6年)9月1日:上越線水上駅 - 越後湯沢駅間の開通とともに、信号場として開設[2]。
- 1932年(昭和7年)12月17日:スキー季節中に限り、旅客営業を開始[2]。
- 1935年(昭和10年)1月の例では、下りだけでも4本の定期列車が臨時停車していたほか、3本の臨時スキー列車が停車していた[新聞 1]。
- 1936年(昭和11年)12月19日:駅に昇格[2]。
- 1940年(昭和15年)5月1日:車扱貨物の取り扱いを開始[2]。
- 1961年(昭和36年)10月1日:車扱貨物の取り扱いを廃止[2]。
- 1967年(昭和42年)
- 1975年(昭和50年)
- 1984年(昭和59年)2月1日:荷物の扱いを廃止[2]。
- 1985年(昭和60年)3月14日:信号扱いを越後湯沢駅からの遠隔 (RC) 化し、無人化。その後、特別改札で1990年代中ごろまで駅業務を継続。
- 1987年(昭和62年)4月1日:国鉄分割民営化に伴い、東日本旅客鉄道(JR東日本)の駅となる[2]。
- 1998年(平成10年)8月29日:集中豪雨による土砂崩れで、上り線構内が被災。復旧作業のため約1か月にわたり、水上駅 - 土樽駅間で下り線を使用した単線運行を実施。
- 2000年(平成12年):関東の駅百選に認定される。
- 2004年(平成16年)
- 2017年(平成29年):駅内連絡通路を含む「土合駅構内土合斜坑」は「JR上越線清水トンネル関連施設群」の一部として、土木学会選奨土木遺産に選ばれる[3]。
- 2020年(令和2年)
駅構造
[編集]山間部にあり、上り線が地上駅、下り線が地下駅となっている[1]。平常時は無人駅で、常駐する駅員はおらず、自動券売機も設置されていないため、旧改札口のところに乗車駅証明書発行機が設置されている。なお、臨時列車の運転時には、管理駅である水上駅から駅員が派遣されて臨時窓口が設けられることもある。駅舎内には待合室がある。トイレは改札外に1か所ある(下り線ホームのトイレは使用停止)[4]。
駅舎は山小屋をイメージしたデザインで、1968年(昭和43年)10月に完成した[新聞 2]。外壁には新清水トンネル掘削時に出てきた石英閃緑岩が使われている[新聞 2]。
2020年(令和2年)2月12日から3月22日にかけて、JR東日本とJR東日本スタートアップによるグランピング場施設「DOAI VILLAGE」の実証実験が行われ[報道 1]、同年8月8日にかつての駅務室に喫茶「mogura」がオープンし[報道 2]、同年11月14日の「DOAI VILLAGE」の開業をもってグランドオープンした[報道 3]。
当駅待合室内では、寝泊まり (STB) をする登山客らが食事用にガスコンロなどを使用する事例が相次ぎ、2016年(平成28年)4月には待合室が一時閉鎖された[新聞 7]。その後再開放されているが、定期的にJR職員や警察が巡回を行っている。
当駅最大の特徴は、上下のホーム間が大きく離れていることである[1]。これは、上越線の複線化の際に下りホームを地下70 mの新清水トンネル内に設置したことによるもので、上りホームや駅舎のある地上と下りホームの間には81 mもの高低差がある。下りホームから駅舎に行くには、ほぼ一直線に伸びる462段の階段(長さ338 m)を上り、次いで湯檜曽川と国道291号をまたぐ143 mの連絡通路に設けられた計24段の階段を上る必要がある。高さ81mとはおよそ25階建てのマンションと同等であり、改札口から下りホームまでは徒歩10分程度を要して階段を下りるため、駅員が配置されていた時代には、下り列車については改札が発車10分前に打ちきられ、市販の時刻表にもその旨が記載されていた。階段の中間部付近にはベンチが設置されている。462段の階段横にはエスカレーターの設置スペースが確保されている[新聞 8]が、現在まで設置の予定はなく、エレベーターも設置されていない。下りは10分と記載したが、上りは心肺頑健としても数十分、観光客や子供では30分以上かかる場合も多い。
下りホームは単式1面1線の構造である。かつては通過線(本線)と副本線が設けられており、副本線にホームが設置されていたが[1]、2008年(平成20年)5月から10月にかけてホーム改良工事が行われ、ホームが副本線から本線へと移され、同時にかさ上げが行われた[注 1]。なお、この工事では旧副本線部分は完全に埋められておらず、かえってホーム幅が狭くなったほか、実質的なホーム有効長は6両分に短縮されている。待合室は旧ホーム側に設置されている。かつてはトイレも旧ホーム側に設置されていたが、2022年(令和4年)12月1日に閉鎖された[4]。このほか、年間を通じて気温が15℃程度とほぼ一定であることから、2020年(令和2年)からは元運転事務室だった部屋を利用し、みなかみ町のクラフトビール製造者「OCTONE Brewing」と提携してビールの熟成を行っている[5]。
上りホームは単式1面1線で、駅舎に面する地上部にある。かつては上下で1本のホームを共用する島式ホームだったが、複線化の際に旧下りホームは待避線となり、優等列車の通過待ちに使われた[6]。その後、駅舎側の線路が撤去され1面1線となっている[1]。ホームは駅舎に近い4両分のみがかさ上げされており、それ以外の部分は通常使用されていない。
のりば
[編集]| 番線 | 路線 | 方向 | 行先 | 備考 |
|---|---|---|---|---|
| 1 | ■上越線 | 下り | 越後湯沢・小出・長岡・新潟方面[7] | 地下ホーム |
| 2 | 上り | 水上・高崎・大宮・上野方面[7] | 地上ホーム |
- 乗車駅証明書発行機(2013年10月)
- 上り線地上ホームから改札への通路(2010年7月)
- 上り線地上ホームから見た駅舎(2021年7月)
- 上り線地上ホーム(2021年7月)
- 湯檜曽川に架かる下り線地下ホーム連絡通路橋(2022年5月)
- 連絡通路風よけ(地下ホーム列車通過時の突風緩衝用)(2021年7月)
- 駅地下ホームから長い階段を見上げる。階段左端の岩盤が露出した部分は、将来のエスカレーターの設置のために残されたスペースである。(2021年7月)
- 下り線地下ホーム(2021年7月)
- 下り線地下ホーム待合室(2021年7月)※現在、トイレ・洗面所は閉鎖、使用停止
- 待避線が撤去される前の土合駅(2008年1月2日)
利用状況
[編集]「群馬県統計年鑑」によると、2000年度(平成12年度)- 2013年度(平成25年度)の1日平均乗車人員の推移は以下のとおりであった。
| 乗車人員推移 | ||
|---|---|---|
| 年度 | 1日平均 乗車人員 |
出典 |
| 2000年(平成12年) | 17 | [県 1] |
| 2001年(平成13年) | 21 | [県 2] |
| 2002年(平成14年) | 19 | [県 3] |
| 2003年(平成15年) | 18 | [県 4] |
| 2004年(平成16年) | 22 | [県 5] |
| 2005年(平成17年) | 18 | [県 6] |
| 2006年(平成18年) | 16 | [県 7] |
| 2007年(平成19年) | 16 | [県 8] |
| 2008年(平成20年) | 17 | [県 9] |
| 2009年(平成21年) | 14 | [県 10] |
| 2010年(平成22年) | 24 | [県 11] |
| 2011年(平成23年) | 22 | [県 12] |
| 2012年(平成24年) | 20 | [県 13] |
| 2013年(平成25年) | 19 | [県 14] |
夏季や秋季には谷川岳などへの登山客を中心として一定数の利用客がある。また、下り地下ホームを目当てに訪れる観光客も増えている[新聞 9]。
かつては多くのハイカー達による乗降客で賑わった時期もある。例えば1960年(昭和35年)の谷川岳山開きの日には、上野駅発の夜行列車から降りる客でホームが埋め尽くされ[8]、改札口には長い行列ができる混雑ぶりだった[新聞 9]。下り地下ホーム完成当時、工事関係者が「谷川岳に登るのに、これぐらいの階段で疲れるようじゃだめだろう」と語り[新聞 10]、登山客の一部がウォーミングアップとして階段を駆け上がる競争を行なっていたこともある[新聞 9]。2001年(平成13年)ごろまでは、ゴールデンウィーク時期に新宿駅発当駅着の臨時夜行快速が運行されていた。
しかし、1982年(昭和57年)の上越新幹線開業や1985年(昭和60年)の関越自動車道開通の影響を受けて乗降客が減少したことにより、1985年(昭和60年)3月から無人化した[新聞 9]。
現在、関越自動車道の水上インターチェンジが車で20分程度の距離にあることや、この区間の定期普通列車の本数が少ないこと、またこの付近で最も主要な観光ポイントである谷川岳ロープウェイの駅まで若干の距離があることなどから、ハイカーや登山客は自家用車か、水上駅や上毛高原駅から谷川岳ロープウェイまでの路線バス(旅客列車より本数が多い)を利用することが多く、あえて当駅を利用する人は少なくなっている。
駅周辺
[編集]
駅前を通る国道291号は県境の清水峠付近が車両通行不能(点線国道)となっているため、ここから車で直接、新潟県方面に行くことはできない。
その他
[編集]隣の駅
[編集]脚注
[編集]注釈
[編集]出典
[編集]- 1 2 3 4 5 6 宮脇俊三、原田勝正 編『中央・上信越590駅』 6巻、小学館〈JR・私鉄全線各駅停車〉、1993年2月20日、36頁。ISBN 4-09-395406-2。
- 1 2 3 4 5 6 7 8 石野哲 編『停車場変遷大事典 国鉄・JR編』 II(初版)、JTB、1998年10月1日、452頁。ISBN 4-533-02980-9。全国書誌番号:99032190。
- ↑ 「悠悠・土木 / 土木遺産 / JR上越線清水トンネル関連施設群」土木学会関東支部。2022年6月9日閲覧。
- 1 2 「日本一のモグラ駅「土合駅」で地下トイレ使えない 地上まで462段の階段が...」J-CASTトレンド、2023年2月7日。2023年6月19日閲覧。
- ↑ 十津川あきら「日本一のモグラ駅・土合駅のホームでビールを熟成!? 秘境駅での個性的すぎる取り組みについて話を聞いた」『ねとらぼ』ITmedia、2022年10月25日。2025年6月18日閲覧。
- ↑ 宮脇俊三、原田勝正 編『国鉄全線各駅停車』 6 中央・上信越440駅、小学館、1983年、177-178頁。doi:10.11501/12061522。ISBN 4-09-395106-3。
- 1 2 「JR東日本:駅構内図・バリアフリー情報(土合駅)」東日本旅客鉄道。2025年6月18日閲覧。
- ↑ 山と渓谷編集部 「昭和東京周辺の山を振り返る」『山と渓谷』2018年11月号 p46
報道発表資料
[編集]- 1 2 『JR東日本エリア初!無人駅にグランピング施設が誕生! 上越線土合駅を活用した地域活性化実証実験開始』(PDF)(プレスリリース)東日本旅客鉄道/JR東日本スタートアップ/VILLAGE INC、2020年1月20日。オリジナルの2020年2月15日時点におけるアーカイブ。2020年2月15日閲覧。
- 1 2 『「日本一のモグラ駅」上越線土合駅を活用した 無人駅グランピング施設「DOAI VILLAGE」いよいよ本格稼働 駅舎内喫茶「mogura」先行 OPEN!』(PDF)(プレスリリース)JR東日本スタートアップ/VILLAGE INC、2020年8月6日。オリジナルの2020年8月8日時点におけるアーカイブ。2020年8月11日閲覧。
- 1 2 『「日本一のモグラ駅」に無人駅グランピング施設が誕生 「DOAI VILLAGE」グランドオープン!』(PDF)(プレスリリース)東日本旅客鉄道高崎支社/JR東日本スタートアップ/VILLAGE INC、2020年10月23日。オリジナルの2020年10月26日時点におけるアーカイブ。2020年10月26日閲覧。
新聞記事
[編集]- ↑ 「スキー列車増発」『東京朝日新聞』1935年1月11日、2面。
- 1 2 3 4 「43年度 鉄道建築協会賞受賞作⑤ 土合駅本屋」『交通新聞』交通協力会、1968年11月29日、1面。
- ↑ 「上越線26日から開通」『交通新聞』交通協力会、1975年5月17日、2面。
- ↑ 「上越 日豊両線に土砂崩壊」『交通新聞』交通協力会、1975年4月16日、2面。
- ↑ 「出水つづき 上越線の復旧難航」『交通新聞』交通協力会、1975年4月20日、3面。
- ↑ 「上越線 待望の運転再開」『交通新聞』交通協力会、1975年5月27日、2面。
- ↑ 「JR土合駅 登山者愛用の待合室が閉鎖 宿泊者の火気使用相次ぎ「安全のため」」『東京新聞』2016年5月19日。2016年5月26日時点のオリジナルよりアーカイブ。2018年1月14日閲覧。
- ↑ 「【停車場ストーリー】JR上越線・土合駅 “地底”70メートル 日本一のモグラ駅」『産経新聞』2008年4月26日。2010年12月7日時点のオリジナルよりアーカイブ。2011年11月5日閲覧。
- 1 2 3 4 「【停車場ストーリー】JR上越線・土合駅 “地底”70メートル 日本一のモグラ駅(2/3ページ)」『産経新聞』2008年4月26日。2010年12月7日時点のオリジナルよりアーカイブ。2011年11月5日閲覧。
- ↑ 「【停車場ストーリー】JR上越線・土合駅 “地底”70メートル 日本一のモグラ駅(1/3ページ)」『産経新聞』2008年4月26日。2010年11月28日時点のオリジナルよりアーカイブ。2011年11月5日閲覧。
利用状況に関する資料
[編集]- ↑ 「121 JR鉄道一日平均輸送状況(平成12年度)」『過去データ』(xls)(レポート)群馬県。2025年6月18日閲覧。
- ↑ 「121 JR鉄道一日平均輸送状況(平成13年度)」『過去データ』(xls)(レポート)群馬県。2025年6月18日閲覧。
- ↑ 「15-9 JR鉄道一日平均輸送状況(平成14年度)」『過去データ』(xls)(レポート)群馬県。2025年6月18日閲覧。
- ↑ 「15-9 JR鉄道一日平均輸送状況(平成15年度)」『過去データ』(xls)(レポート)群馬県。2025年6月18日閲覧。
- ↑ 「15-8 JR鉄道一日平均輸送状況(平成16年度)」『過去データ』(xls)(レポート)群馬県。2025年6月18日閲覧。
- ↑ 「15-8 JR鉄道一日平均輸送状況(平成17年度)」『過去データ』(xls)(レポート)群馬県。2025年6月18日閲覧。
- ↑ 「15-8 JR鉄道一日平均輸送状況(平成18年度)」『過去データ』(xls)(レポート)群馬県。2025年6月18日閲覧。
- ↑ 「15-8 JR鉄道一日平均輸送状況(平成19年度)」『第55回群馬県統計年鑑(平成21年刊行)』(xls)(レポート)群馬県。2025年6月18日閲覧。
- ↑ 「15-8 JR鉄道一日平均輸送状況(平成20年度)」『第56回群馬県統計年鑑(平成22年刊行)』(xls)(レポート)群馬県。2025年6月18日閲覧。
- ↑ 「15-8 JR鉄道一日平均輸送状況(平成21年度)」『第57回群馬県統計年鑑(平成23年刊行)』(xls)(レポート)群馬県。2025年6月18日閲覧。
- ↑ 「15-8 JR鉄道一日平均輸送状況(平成22年度)」『第58回群馬県統計年鑑(平成24年刊行)』(xls)(レポート)群馬県。2025年6月18日閲覧。
- ↑ 「15-8 JR鉄道一日平均輸送状況(平成23年度)」『第59回群馬県統計年鑑(平成25年刊行)』(xls)(レポート)群馬県。2025年6月18日閲覧。
- ↑ 「15-8 JR鉄道一日平均輸送状況(平成24年度)」『第60回群馬県統計年鑑(平成26年刊行)』(xls)(レポート)群馬県。2025年6月18日閲覧。
- ↑ 「15-8 JR鉄道一日平均輸送状況(平成25年度)」『第61回群馬県統計年鑑(平成27年刊行)』(xls)(レポート)群馬県。2025年6月18日閲覧。
関連項目
[編集]外部リンク
[編集]- 駅の情報(土合駅):JR東日本
