コンテンツにスキップ

千束

出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』
日本 > 東京都 > 台東区 > 千束
千束
町丁
千束の位置
地図北緯35度43分24秒 東経139度47分40秒 / 北緯35.723214度 東経139.794525度 / 35.723214; 139.794525
国 日本の旗 日本
都道府県 東京都の旗 東京都
特別区 台東区
地域 下谷地域
人口情報(2025年(令和7年)3月1日現在[1])
 人口 11,498 人
 世帯数 7,788 世帯
面積([2])
  0.370164666 km²
人口密度 31061.85 人/km²
郵便番号 111-0031[3]
市外局番 03(東京MA)[4]
ナンバープレート 足立
ポータルアイコン ポータル 日本の町・字
ポータルアイコン ポータル 東京都
プロジェクト 日本の町・字
テンプレートを表示

千束(せんぞく)は、東京都台東区の地名。現行行政地名は千束一丁目から千束四丁目まで。住居表示実施済区域。

地理

[編集]

台東区の北東部に位置する。町域の東部は土手通りに接しこれを境に東浅草・日本堤にそれぞれ接する。南東部は浅草に接する。南部は西浅草に接する。西部は入谷に接する。北部は、竜泉に接する。概ね、商業地と住宅地とが混在している。

歴史

[編集]

古代より、千束池・姫ヶ池がこの地に広がっていた。

中世には、浅草天王町(現在の浅草橋三丁目付近)あたりから千住大橋あたりの広い範囲を千束郷と称した。千束の名は、千僧供料あるいは千束分の稲田を寺領にしたことに由来するという[5]。近世には千束村となった。

明暦の大火の後、幕府の命で吉原が人形町通り東側の辺り(現在の日本橋人形町二・三丁目、日本橋富沢町の一部)から地名ごと浅草寺裏の日本堤付近、千束田んぼの真ん中(現在の千束三丁目・四丁目の一部)に移転させられた。以後、この地を吉原、若しくは元有った人形町付近を元吉原、対する様に新吉原と呼ぶ様になった[6][7]。

1889年(明治22年)、東京市の成立とともに千束村は浅草区(千束町など)、下谷区、北豊島郡南千住町(大字千束)に編入された。

浅草区当時の千束町は、現在の千束一丁目から三丁目(吉原遊郭地内を除く)に、浅草二丁目から五丁目の一部(西側)を加えた範囲に相当する。
千束小学校は現在の浅草四丁目24-11に所在する。また、千束小学校の東方にある南北方向の道路(言問通りに面するひさご通りのアーケードの先から土手通りの地方橋交差点まで)を千束通りと呼んでいる。このあたりもかつては千束町であった。

明治時代に建てられた浅草十二階は浅草区千束町二丁目で、その周辺は銘酒屋街(十二階下)となり、東京最大の私娼窟として有名であった。十二階と銘酒屋街はともに関東大震災で壊滅した。

台東区の成立後は浅草千束町となった。戦前戦中から様々な事情で多くの朝鮮人が千束および周辺地域に移住してきた。戦後もそのまま定住し朝鮮マーケットもでき賑わいをみせた。しかし1951年3月21日に朝鮮マーケット付近において、6名の米兵が多数の朝鮮人に取囲まれて、集団的に暴力を加えられ、1名は死亡し、2名は負傷する事件(浅草米兵暴行事件)が起きた[8]。1965年8月1日実施の住居表示制度後は、朝鮮マーケットの所在地は浅草二丁目となった。

かつての吉原遊郭が、1965年8月の住居表示実施後に千束三丁目・四丁目となり、行政地名から吉原の名はなくなった。吉原遊郭は第二次世界大戦後の赤線地帯を経て、売春防止法施行後はその名残として千束四丁目付近のソープランド街として残り、その規模・店舗数は日本一である。

2012年、東京都は千束四丁目を都迷惑防止条例に基づき、客引きやスカウトのみならず、それらを行うために待機する行為なども禁止する区域に指定した[9]。 さらに2019年には千束三丁目および四丁目を暴力団排除条例に基づき、暴力団排除特別強化地域に指定[10]。地域内では暴力団と飲食店等との間で、みかじめ料のやりとりや便宜供与などが禁止され、違反者は支払った側であっても罰則が適用されることとなった。

世帯数と人口

[編集]

2025年(令和7年)3月1日現在(台東区発表)の世帯数と人口は以下の通りである[1]。

丁目世帯数人口
千束一丁目 1,313世帯 2,042人
千束二丁目 1,629世帯 2,438人
千束三丁目 2,719世帯 3,912人
千束四丁目 2,127世帯 3,106人
計 7,788世帯 11,498人

人口の変遷

[編集]

国勢調査による人口の推移。

人口推移
年 人口
1995年(平成7年)[11]
8,837
2000年(平成12年)[12]
9,004
2005年(平成17年)[13]
9,473
2010年(平成22年)[14]
9,787
2015年(平成27年)[15]
10,916
2020年(令和2年)[16]
11,609

世帯数の変遷

[編集]

国勢調査による世帯数の推移。

世帯数推移
年 世帯数
1995年(平成7年)[11]
4,263
2000年(平成12年)[12]
4,721
2005年(平成17年)[13]
4,919
2010年(平成22年)[14]
5,482
2015年(平成27年)[15]
6,464
2020年(令和2年)[16]
7,102

学区

[編集]

区立小・中学校に通う場合、学区は以下の通りとなる(2023年9月現在)[17]。

丁目番地小学校中学校
千束一丁目全域台東区立金竜小学校台東区立柏葉中学校
千束二丁目1〜32番
33番1〜3号
34番1〜3・10号
35番1〜3号
36番1〜3号
33番4〜10号
34番4〜9号
35番4〜9号
36番4〜10号
台東区立金曽木小学校
千束三丁目全域台東区立千束小学校
千束四丁目11番1〜14号
11番23〜33号
12〜33番
40〜49番
1〜10番
11番15〜22号
34〜39番
50〜51番
台東区立東浅草小学校台東区立桜橋中学校

交通

[編集]

鉄道

[編集]

町域内に鉄道路線はない。最寄り駅は以下の通り。

道路

[編集]

千束を舞台・背景とした作品

[編集]

小説

[編集]

記録

[編集]
  • 『淪落の女』(松崎天民、1912年) - 「十二階下の夜」の章で千束町の私娼窟を描く。
  • 『ローマ字日記』(石川啄木) - 自身が千束町の私娼窟に通う様子を赤裸々に記している。

漫画・アニメ

[編集]

映画

[編集]

落語

[編集]

事業所

[編集]

2021年(令和3年)現在の経済センサス調査による事業所数と従業員数は以下の通りである[18]。

丁目事業所数従業員数
千束一丁目 92事業所 578人
千束二丁目 118事業所 535人
千束三丁目 166事業所 1,421人
千束四丁目 226事業所 1,600人
計 602事業所 4,134人

事業者数の変遷

[編集]

経済センサスによる事業所数の推移。

事業者数推移
年 事業者数
2016年(平成28年)[19]
649
2021年(令和3年)[18]
602

従業員数の変遷

[編集]

経済センサスによる従業員数の推移。

従業員数推移
年 従業員数
2016年(平成28年)[19]
4,773
2021年(令和3年)[18]
4,134

施設

[編集]

観光

[編集]

名所・旧跡

[編集]
  • 吉原神社 - 浅草七福神の一つ。かつて吉原遊郭内にあった5つの稲荷神社を明治初めに合祀し、吉原神社とした。芸能の神様として崇敬されている。
  • 吉原弁財天 - 関東大震災の時、火災から逃れるために吉原の遊女がこの近くにあった弁天池に身を投げて、多数の死者が出た(弁天池はその後埋め立てられ、NTT吉原となった)。今でも地元の人々が清掃など維持管理している。現在は吉原神社の飛び地。
  • 見返り柳 - 古典落語で吉原の小咄をする時に登場する。跡地に石碑が建つ。その近くにある柳は昭和になってから植えられた物。
  • 吉原大門 - 交差点の名前として残っている。
  • 鷲神社 - 酉の市
  • 長国寺 - 酉の市
  • 浄閑寺(荒川区南千住)

関係者

[編集]
出身者
居住その他ゆかりある人物

その他

[編集]

日本郵便

[編集]

脚注

[編集]
  1. 1 2 “令和7年 住民基本台帳による台東区の町名別世帯数及び人口 - 3月1日” (XLS). 台東区 (2025年3月4日). 2025年3月16日閲覧。 “(ファイル元のページ)”(CC-BY-4.0)
  2. ↑ “『国勢調査町丁・字等別境界データセット』(CODH作成)”. CODH. 2025年3月16日閲覧。(CC-BY-4.0)
  3. 1 2 “千束の郵便番号”. 日本郵便. 2025年3月9日閲覧。
  4. ↑ “市外局番の一覧”. 総務省. 2019年6月24日閲覧。
  5. ↑ 朝日新聞社会部『東京地名考 上』(朝日文庫、1986)p158。
  6. ↑ “中央区民文化財17 末廣神社所蔵文書(すえひろじんじゃしょぞうもんじょ)”. 中央区. 2023年4月12日閲覧。
  7. ↑ “御由緒・境内案内”. 末廣神社 東京都中央区日本橋人形町二丁目25番20号. 2023年4月12日閲覧。
  8. ↑ “第010回国会 法務委員会 第12号”. 衆議院. 国立国会図書館 (1951年3月22日). 2010年3月21日閲覧。
  9. ↑ “客引き等の相手方となるべき者を待つ行為を規制する区域の指定について”. 警視庁ホームページ (2016年3月11日). 2022年8月30日閲覧。
  10. ↑ “暴力団排除特別強化地域”. 警視庁 (2019年). 2022年8月30日閲覧。
  11. 1 2 “平成7年国勢調査の調査結果(e-Stat) - 男女別人口及び世帯数 -町丁・字等”. 総務省統計局 (2014年3月28日). 2019年8月16日閲覧。
  12. 1 2 “平成12年国勢調査の調査結果(e-Stat) - 男女別人口及び世帯数 -町丁・字等”. 総務省統計局 (2014年5月30日). 2019年8月16日閲覧。
  13. 1 2 “平成17年国勢調査の調査結果(e-Stat) - 男女別人口及び世帯数 -町丁・字等”. 総務省統計局 (2014年6月27日). 2019年8月16日閲覧。
  14. 1 2 “平成22年国勢調査の調査結果(e-Stat) - 男女別人口及び世帯数 -町丁・字等”. 総務省統計局 (2012年1月20日). 2019年8月16日閲覧。
  15. 1 2 “平成27年国勢調査の調査結果(e-Stat) - 男女別人口及び世帯数 -町丁・字等”. 総務省統計局 (2017年1月27日). 2019年8月16日閲覧。
  16. 1 2 “令和2年国勢調査の調査結果(e-Stat) -男女別人口,外国人人口及び世帯数-町丁・字等”. 総務省統計局 (2022年2月10日). 2022年2月20日閲覧。
  17. ↑ “区立小学校・中学校の通学区域”. 台東区 (2023年9月21日). 2025年3月18日閲覧。
  18. 1 2 3 “経済センサス‐活動調査 / 令和3年経済センサス‐活動調査 / 事業所に関する集計 産業横断的集計 事業所数、従業者数(町丁・大字別結果)”. 総務省統計局 (2023年6月27日). 2023年9月15日閲覧。
  19. 1 2 “経済センサス‐活動調査 / 平成28年経済センサス‐活動調査 / 事業所に関する集計 産業横断的集計 都道府県別結果”. 総務省統計局 (2018年6月28日). 2019年10月23日閲覧。
  20. ↑ “郵便番号簿 2024年度版” (PDF). 日本郵便. 2025年3月9日閲覧。

関連項目

[編集]

外部リンク

[編集]