経済産業省が、日本におけるペロブスカイト太陽電池の研究開発や事業化に対する支援に力を注いでいる。エネルギー安全保障の観点から、太陽電池生産の中国依存を下げたいという思惑が追い風になっている。だが、中国勢によるペロブスカイト太陽電池の特許出願数が急増している。一般的な結晶シリコン(Si)太陽電池に比べてコストもまだ高い。ペロブスカイト太陽電池の普及を狙う日本勢の前途は多難だ。
経産省はこれまでも、日本発の技術としてペロブスカイト太陽電池に注目し、開発を支援してきた。ただし、当初は次世代太陽光発電の1つという位置づけだった。風向きが大きく変わったのは、2022年のロシアによるウクライナ侵攻で、世界的にエネルギー安全保障の重要性が高まったことがある。
特に欧米では、太陽光発電が基幹電源になりつつある中、太陽電池生産の中国依存の高さが問題視され始めた。国際エネルギー機関(IEA)は、2022年の報告書で「太陽電池製造の8割が中国に集中している」と分析し、警鐘を鳴らした。そこで米国は、インフレ抑制法(IRA)によって太陽電池の部材と組み立ての国産化を強力に支援し始めた。欧州連合(EU)でも、電気自動車(EV)とともに安価な中国製太陽電池について、ダンピングやサイバーセキュリティーへの対策を目的に保護貿易的な規制を検討している。

