【音楽】ろうそくの灯りの幻想空間の中でジブリの名曲がよみがえる——キャンドルライトコンサート「久石譲の音楽の世界」を体験してきた!
皆さんこんにちは、あるいはこんばんは!
私はとある日の帰りの電車で、ずっとぼーっとしていました。
1時間のコンサートだったんですけど、没入して聴いていたらあっという間に終わってしまって、そのあと現実の世界になかなか帰ってこられなかったんですよね。あの余韻のまま、揺られていた。
品川で開かれたキャンドルライトコンサート「久石譲の音楽の世界」。
プログラムが全部ジブリで、どの曲も聴いた瞬間に「あ、あのジブリの曲だ」とすっとわかるような、本当に素敵な内容でした。
今回はその話をさせてください。
キャンドルライトコンサートって、なに?

ご存じでしょうか、キャンドルライトコンサート。
名前のとおりで、ろうそくの灯りを敷き詰めた静かな空間の中で、生演奏を聴くというイベントです。本物の火ではなく作り物のキャンドルなんですけれども、それでも十分すぎるくらい幻想的。
私も友人に「いいですよ」と教えてもらうまで、まったく知りませんでした。最初に聞いたときは「キャンドルライト? ミサっぽい感じなのかな、幻想的だね」くらいの反応で、正直そこまで前のめりではなかったんです。
でも、そこに「久石譲さんの」と続いた瞬間。
行きます。もう即決でした。その場でチケットを取りました。
品川の教会という、それだけで特別な空間

会場はキリスト品川教会のグローリア・チャペル。
キリスト教の教会という場所自体、私にとってはすごく久しぶりでした。母がキリスト教徒なので、子どもの頃はときどき教会に行くことがあったんですけれども、それ以来ほとんど足を踏み入れていなかった空間です。
教会ではミサなどで実際に音楽が奏でられるわけで、そもそも「音が響くために建てられた場所」なんですよね。天井の高い礼拝堂に、ろうそくの灯り。建物の雰囲気そのものが演出になっていて、非常に幻想的な環境で音楽を楽しむことができました。
演奏は弦楽器の四人編成。厳密な楽器の種類までは私もわからないんですけど、その4人で1時間を丸ごと立ち上げていく。もうそれだけで「すごいな」と思いました。
生演奏は、こんなにも違うのか
ここでちょっと個人的な話をさせてください。
私、以前バイオリンのプログラムに何度か通って、実際に自分で弾いてみたことがあるんです。もうね、音を出すこと自体がすごく難しい。私は比較的早く音を出せたほうなんですけど、それでも「鳴らす」というだけで一苦労なんですよ。
その楽器を、演奏者の方々は手足のようにガーッと弾いていく。バイオリン以外の楽器もそう。まるで楽器が生きているかのように、躍動感がある。
生演奏のコンサートを聴くのは、実は小学校以来でした。やっぱり感動しますね。
普段はサブスクリプションで音楽を聴いています。でもあそこには、リアルの良さと臨場感がない。そもそも「ちゃんと音楽を聴いているか」と言われたら、そんなことないんですよ。流れ作業の中のBGMだったり、何かをしながらの伴走だったりする。
それが、生の演奏で音を聴いてみると、これまで感じたことのなかった響きや音色が聞こえてくる。「こういう音色だったんだ」「こういう音楽だったんだ」と改めて感じられて、非常に面白かったです。
何かを楽しむときに、それだけに没頭できるって、ものすごく大事なんだな。
そんなことを、演奏を聴きながらずっと考えていました。そして同時に、プロの演奏を目の当たりにすると、自分自身も誰かに感動を与えたいなと思えてくる。すごく元気をもらえるんですよね。
『風の谷のナウシカ』——一曲目で鳥肌が立った
演目は『風の谷のナウシカ』から始まりました。
演奏が始まった途端に、ビクッとしました。体がブルブルッとなって、本当に鳥肌が立った。
普段の、惰性で自動的に聴いているのとは全然違う。すごく能動的に、音を聞き漏らすまいと耳を澄ませていたんです。でもその緊張感は一瞬でほどけて、あとは勝手に耳がすべてを拾おうとしてくれている。そんな感じに引き込まれていきました。
そして頭の中には、ナウシカのシーンが浮かんでくる。
私が一番好きなシーン、あんまり取り上げる方は少ないかもしれないんですけど——ナウシカたちが人質として連れて行かれる場面があるんですよ。途中でアスベルという少年に襲撃される。別にアスベルが悪いやつというわけじゃなくて、トルメキアに復讐するために、ガーッと襲ってくる。
その混乱で、風の谷のおじいちゃんたちが乗っている船が墜落の危機に陥るんです。
ナウシカは「荷物を捨てて軽くすれば大丈夫だから」と説得するんですけど、みんな「もうわしらはダメじゃー」と混乱しきっている。そこでナウシカは、マスクを取るんですよ。
ナウシカの世界って、マスクをしなければ生きていけない世界なんです。その中でマスクを外すことが、どれだけ大変なことか。
おじいちゃんたちは慌てふためきます。「姫様やめて」「何をしてるの、早くマスクを」って。それでもナウシカは「荷物を捨てて軽くすれば必ず助けに来るから」と伝え続ける。「わかりました、わかりました、荷物でも何でも捨てるから、早くマスクを」となって——そのあと、グッドマークを出しながらヒューッと旋回していく。
あのシーンがすごく好きなんです。ナウシカという人間性を、ものすごく表現しているんじゃないかなって。心根が優しくて、純粋である。そこが出ている場面だと思っています。
それを、音楽を聴きながらザーッと頭の中で追体験していました。自然と引き出されるんですよね、音楽の世界に突入していくと。いやー、すごいよね。
『天空の城ラピュタ』君をのせて——歌がないと、こんなに聴こえる
次はラピュタの「君をのせて」。
この曲を聴くと、最後にラピュタが空へ、宇宙にまで上がっていくあのシーンが浮かんできます。「ラピュタ、いったいどこまで行くんだろう」なんて、ちょっと想像しました。
面白かったのは、歌ありきの「君をのせて」ではなく、演奏だけの「君をのせて」だと、印象がまるで変わるということ。
これまでは歌に気を取られていたんですよね。それが演奏で聴くと、音色のほうに聴き入ることができる。「こういう曲だったんだ」と改めて感じました。
「君をのせて」は小学校の音楽の授業でもやった覚えがあります。本当に低学年の頃。それくらい触れてきたつもりだったのに、コンサートで聴いて「この音色ってこうだったんだ」と気づかされる。非常に面白かったですね。
『魔女の宅急便』——メドレーで届く、キキの日常
ラピュタの次が『魔女の宅急便』。いやー、魔女の宅急便いいですよね。好きなんですよね。
これがメドレーだったんですよ。一曲じゃなくて、複数の曲がつながっていく。そのメドレーがまた素晴らしくて、キキが空を飛んでいるあのシーンが浮かんでくる。
『ラピュタ』も『ナウシカ』も、どちらかというと冒険活劇じゃないですか。だけど『魔女の宅急便』は違う。女の子のある瞬間を切り取った成長物語なんですよね。
海のきらびやかさと、魔法使いの女の子・キキのこれからを予感させるような広がり。そして、すごく日常的な曲。だからこそ、まったく違う印象を受けました。うまく言えないんですけど、とにかくキキのシーンが浮かんでくる、温かくて、どこか日常が楽しくなるような音色。素晴らしいなと思いました。
一番びっくりしたのは、この作品が1989年だということ。私はまだ生まれてもいないんですけど、今流れてもすごく気分が上がる。とてもそんな昔の作品とは思えない。いやー、すごいなとちょっと思いましたね。
ここで少しだけ、久石譲さんの話
実は演奏者の方が、こんなことをおっしゃっていました。
久石譲さんはもともとクラシック音楽をずっとやられていて、そのクラシックの中に、私たちが今慣れ親しんでいるポップスが入ってきている。その融合が久石譲さんの音楽を形作っている、と。
確かにそうだよなと思ったんです。
久石さんの音楽って、いわゆるオーケストラなんですよ。だけど、どことなくクラシックの雰囲気を感じながらも、私たちにとってすごく自然で、スッと入ってくる。
クラシック音楽って聞くと「難しそう」「ちょっとよくわからなかった」となる方もいると思うんです。私はクラシックが大好きでよく聴くんですけど、クラシックと久石さんの音楽は、似ているけれどどこか違う。ジブリ作品の映像に伴走して、その世界観を表現するものに、ちゃんと足り得ている。すごく自然にマッチする。
それはやっぱり、ポップス的な部分がしっかり入っているからだと思うんです。かといってポップスがメインのカジュアルな音楽でもない。伝統的なクラシックという地盤があって、しっかりした土台の上で、非常に自由にポップスが表現されている。
そこが魅力なのかな、と改めて思いました。
『もののけ姫』——焼肉が食べられなくなった夜
魔女の宅急便の後は『もののけ姫』。
『もののけ姫』といえば、先日、モロの君を演じられた美輪明宏さんが亡くなられました。モロとのやりとりが、今になってよみがえるなという思いがあります。
演奏されたのは、米良美一さんが歌っている「もののけ姫」。やっぱりビビーッときましたね。
米良さんって男性じゃないですか。それであれだけの高い声が出ていて、私はどうしてもそっちに気を取られていて、実際の曲そのものはあまり聴けていなかったんですよね。それを改めて演奏で聴くと、いやー、ビビッときます。
『もののけ姫』は本当に好きな作品であり、同時に、当時は本当に怖かった覚えがあります。
一番自分にとって辛かったのが、後半でイノシシたちが死んでしまうシーン。突撃していったら、それが全部エボシ御前の罠で、皆殺しにされていく。あのシーンが私はすごく悲しくて、切なくて。本当に生々しいんですよ。
しかも私、ちょうど『もののけ姫』を見ながら家で焼肉をしていたんです。金曜ロードショーだったんだと思うんですけど。
そしたら、自分が今食べている肉が、人間が理不尽に殺したイノシシたちの肉なんじゃないかと思えてきて。食べている自分が、あたかもすごく残酷なことをしているように感じられて。よくある「食肉工場を見学したらご飯が食べられなくなりました」というあれと、まったく同じ現象が起きて。
ご飯が食べられなくなっちゃったんですよ。そこから半年くらい、まったくお肉が食べられなくなって、すごく痩せたという記憶があります。それくらい衝撃的でした。
『もののけ姫』は自然と人間の対立を描いたと言われますけど、『ナウシカ』にもある要素をさらに突き詰めて、自然と人間というところにフォーカスを当てて描いていると思うんです。
そして不思議なのが、音楽を聴いていると、映像がありありと浮かんでくること。
ジブリ音楽って、いわゆるアニメのBGMじゃないんですよね。世界観を表現している音楽。つまり、久石譲さんの音楽ありきでジブリ作品が成り立っている部分があると思うんです。
音楽なしでジブリ作品を見たら、たぶん何か足りない感じがする。でもそれは「音楽がないことへの違和感」じゃなくて、久石さんのあの音楽があったからこそ一つの作品が成り立っている、という感覚なんですよね。
だから音楽を聴いた瞬間に、映像がバーッと出てくる。そして自分がそこにいる感覚になる。もののけ姫の曲を聴きながら、まるで自分がモロと対話しているアシタカのような気分になっていました。
余談:VHSのパッケージの話
ちょっと余談なんですけど。
昔、DVDの前にVHSという時代が本当にあったんですよ。私は小学校低学年の頃まではVHSを経験していて、その頃にはもうDVDも出ていたので、両方一緒に使っていました。
で、『もののけ姫』のVHSのパッケージが、ちょっと特殊だったんですよね。いわゆるプラスチックの入れ物じゃなくて、全面が緑と深緑で、真ん中に「もののけ姫」と書いてある。VHSのケースって普通、真ん中に止め具があってガチャッとやるんですけど、そうじゃなくて、本を開くように蓋がパカパカするタイプだったんです。
それがものすごく印象に残っている。
なぜかというと、なぜか『もののけ姫』のVHSが家に2本あったんですよ。たぶん、弟と自分の分だったと思うんですよね。
私、子どもの頃ケチでして。自分のものを弟に見せないというところがあって、「弟に取られた感」がすごくあったんです。弟に親の愛が注がれている、というお兄ちゃんとしての反発もあったんでしょうね。「物は俺のもんだ」みたいな。それでもののけ姫を見せてあげなかったから、たぶんおばあちゃんがわざわざ弟の分を買ってくれたんだと思います。
そういう思い出もあって、けっこう覚えていますね。
『千と千尋の神隠し』いのちの名前——涙が出そうになった
もののけ姫の次は『千と千尋の神隠し』。
千と千尋も本当に思い出深いです。だって、『鬼滅の刃』にちょっと抜かれましたけど、それまで興行収入第1位ですからね。とんでもない記録ですよ。
千と千尋の中でも好きなのが「いのちの名前」と、それからハクに乗って空を飛ぶシーン。
ゼニーバのところから帰る道中、千尋がハクの背中に乗って、「あなたの名前はニギハヤミコハクヌシ」と言う。ハクが本当の名前を思い出して、竜の姿から人間に戻っていく、あの感動的なシーンです。
あの世界では、名前を持っていることが非常に重要な意味を持つんですよね。名前を湯婆婆に取られてしまうと、まじないの力で縛りつけられてしまう。だから「私が名前を取り戻した」ということが、そのまま自由を意味する。非常に面白い構造だと思います。
そして「いのちの名前」。
これ、初めて聞いた話なんですけど。私、「いのちの名前」は千と千尋の主題歌くらいの気持ちでいたんですよ。どこかで挿入歌としても流れていたんじゃないかな、と。
でも実はそうじゃなくて、BGMだったものに後から歌をつけて世に出していた、ということをコンサートで初めて知りました。びっくりしちゃって。ジブリ好きで何度も何度も見ていたにもかかわらず、そういう細かいところを全然知らなかった。「あー、劇中にあったな」くらいの感覚だったんですよね。
よくよく考えたら、千と千尋の主題歌は「いつも何度でも」のほうですもんね。
だからこそ、「いのちの名前」を演奏で聴いたときはキューッときました。
曲名も素敵ですよね。聴いていると、自分の人生を客観視するというか、「本当に大事なものって一体何なんだろう」という本質的なところに立ち返れる感覚があるんです。
頭で考えているというより、心で感じる。
本当に大事なものはこれとこれとこれなのに、なんで私はあんなことで悩んでいるんだろう。なんで私はそんなものを追い求めているんだろう。すごく根源的なところに引き戻してくれる音楽なんですよね。
だから演奏が始まった瞬間、涙が出そうになりました。ずっと引き込まれていました。
あれは普段だったら絶対に起こらない、生演奏ならではだと思います。音の響きもすごく感じられました。
「いのちの名前」って、劇中では割と静かな曲で、ちょっと悲哀感が漂うような、寂しさやノスタルジーを感じさせる曲なんです。それが実際の演奏で聴くと、その部分はしっかりありながらも、ザーンと来る。ひっそり聞こえてくるというより、ぐわーっと来る感じ。
それが本当に自分を突き動かすというか、渇いたところを潤してくれるというか。「生きててよかったな」という、温かい気持ちになりました。
『風立ちぬ』——コンビニで泣きながら揚げ物を揚げた話
千と千尋の後は『風立ちぬ』。
正直な話、風立ちぬの曲ってあんまり覚えがなかったんですよ。主題歌である荒井由実さんのあの曲だけはなんとなく覚えているんですけど、「劇伴は何の曲だったっけな」と思って。
でも聴いてみたら——あ、覚えてるわ。あったわあった。一瞬で思い出しました。
風立ちぬって、なんとなくですけど、音楽がそこまで前面に出ていなかった作品なのかなという印象があるんです。飛行機の音とか、そういうところはすごく印象に残っているんですけど、BGMや音楽そのものはあまり残っていない。だからパッと言われたときには思い出せなかった。それでも曲を聴くと「そうそう、風立ちぬのBGM、これだった」と蘇ってくるんですよね。
風立ちぬも好きな作品です。
戦争の映画だけれども戦争シーンを描くのではなく、飛行機設計者としての人物を描いた作品であり、同時に、結果的に失ってしまう奥さんとの恋愛模様を描いた作品でもある。
私、当時は泣いちゃったんですよね。今でも思い出します。
初めて見たのが大学生の時、大学1年目だったかな。あまりに感動しすぎて、アルバイト先——コンビニだったんですけど——で、思い出すたびに泣いてしまうんですよ。
お客さんから「どうしました?」と言われて、「いや、違うんです」って。すごい言い訳するの大変だったんですけど、涙が止まらなくなっちゃって。
レジでは使い物にならないから、「フライヤーのほう行って」と言われて、揚げ物をやっていました。今でも思い出しますね。
でもあれ、危なかったんですよ。涙がボロボロ揚げ油の中に入るから、跳ねるんです。跳ねて「熱い」って言って、また泣くんですよね。もう意味わかんなかったな、あの時は。
それくらい、風立ちぬは涙が出て止まらなかった。最後、奥さんが寂しそうに死んでいくのを頭の中で描いて、描いて、描いて。それが本当に切なくて、報われなくて。ずっと泣いていた覚えがあります。
いやー、懐かしいな。
でも、「涙を流して泣いていた」と言うと、あまり周りには共感されなかったんですよね。これなんでなんですかね。本当に普通に感動するシーンだと思うんですけどね。
『ハウルの動く城』人生のメリーゴーランド——弦楽器4本でオーケストラ
そしてラスト1曲。
これがもう本当に大好きな曲で、久石譲さんの曲の中で「好きな曲」として挙げる方が非常に多いんじゃないかと思います。
『ハウルの動く城』より「人生のメリーゴーランド」。
大好きすぎて、こんな話もあります。愛知県にジブリパークというのがあるんですけど、その中にメリーゴーランドがあるんですよ。で、そのメリーゴーランドに乗ると、実際に「人生のメリーゴーランド」が流れる。しかもなんと、それは久石譲さんがメリーゴーランドのために別途録り直した音源なんです。わざわざ、この遊具のために。
その様子はDVDに収められているので、ぜひ購入して見ていただければと思います。
さて、演奏です。
「人生のメリーゴーランド」って、原曲ではいろんな楽器が使われていると思うんですよ。それを弦楽器4本でどう表現するんだろう、と。正直、すごくドキドキしていました。
始まったら——いや、すごいんですよ。
弦楽器4本でどうやって表現してるの、というくらい、オーケストラを聴いている感じなんです。本当にびっくりしちゃって。「あれ、これまんま原曲なんじゃないか」というくらい。
曲も素敵なんですけど、音色で本当にびっくりしました。ずっと「人生のメリーゴーランドじゃん」って、ちょっと思っちゃいましたね。いや、あれ面白かった。すごかったんですよね。
私には「人生のメリーゴーランド」の中で好きなフレーズがあって、ジャンジャンジャンジャンって刻まれる部分があるんですよ。あれが、ちゃんと表現されていて。いやすげーなって思って。あれは無理だろうなって思ってたんですよ。
楽器一つでこんなにいろんな音色が出せるんだなと思って、感動しました。そして弦楽器の魅力にも改めて気づかされましたね。いやー、本当に大好きでした。
アンコール『Summer』——真夏に「潤う」という感覚
最後、アンコール曲として演奏していただいたのが、久石譲さんの「Summer」。
この曲、ジブリ作品ではないんですけれども、おそらくどこかで皆さん絶対に聴いたことがあると思うんです。
私はもうこの曲が好きすぎて、すごく聴きすぎていた時期があります。坂本龍一さんの曲を聴き始めたのも、久石譲さんの「Summer」を聴いてからなんですよね。
あの最初の出だしから好きなんですよ。
透明感のある感じが、「Summer」という曲名とすごく一致するんですよね。夏って暑いというイメージもあるんですけど、同時に、透き通った空、爽やかな青空というイメージもある。その爽やかさと透き通った感じが絶妙で、ものすごく好きなんです。
これをトリに持ってくるっていうのは、やっぱりさすがですよね。
しかもこの真夏の暑い中で、あの透明感のある曲を聴く。心が「癒される」のとはちょっと違って、**「潤った」**という感じがしました。
いろんなことに消極的になったり、しょぼーんとなっちゃっている中に、すごくエネルギーを与えてくれる。そんな感じを出してくれて、ものすごく元気になりました。
本当に行ってよかったですね。最高でした。
これから行く人へ:席と写真のこと
これは声を大にしてお伝えしたいんですけど。
品川のこのイベント、席がA・B・C・Dと分かれているんですよ。私はD席でした。いわゆる一番後ろの、一番安い席です。
たぶん皆さんが心配するのが「席の位置で体験が大きく変わっちゃうんじゃないか」ということだと思うんですけど——安心してください。
まず、どこの席から見ても、全体はちゃんと見えます。音の響きも会場全体を響かせてくれる。間違いなく大丈夫、問題ないです。私はD席の最前列でしたけど、最高でした。本当に最高。
2つ目は写真です。
開場してから演奏が始まるまでの時間は、写真撮り放題なんですよ。だから最前列で写真を撮りたいなら、最初のうちにパシャパシャ撮っておけばいいのかなと思います。
そして実は、演奏中に写真が撮れるタイミングは一瞬しかありません。それがアンコール曲のみ。演奏者の方が最後に「このアンコール曲に関しては写真を撮ってもいいですよ」と言ってくださったので、そこで撮った、という感じでした。
なので実質的に、席による大きな差はないかなと思っています。
もちろん、前で見られたら最高の体験になると思います。音に近くなるし、演奏者の方を間近で見ることができる。あの躍動感を見られたら、本当に最高ですよ。
最初にも言いましたけど、本当に生きているかのように楽器が動くんです。特にバイオリンなんかは顎で押さえて弾くわけですけど、動くとずれるんですよね。弦の移動ですらすごく大変なのに、あんなに躍動感があって生き生きとしている。もう本当に、体の一部になっているんでしょうね。
体の動きや躍動感は、やっぱり直接見ないとわからない。それは最前列の特権だと思います。
でも、たとえ前が空いていなくても、後ろからでも全然素敵なものが見られます。だから行ったことのない方は、ぜひ足を運んでみてください。本当に、違いますから。
もうひとつ、面白かったこと
これは体感なんですけど、日本人が半分、海外の方が半分、くらいの感じでした。
私の周りは隣の人しか日本人がいなくて、みんな英語なんですよ。ちょっと不思議な感じでした。海外の方も結構びっくりしていたみたいで、「日本人少ないね」と英語で言っているのが聞こえてきて。「それを俺が言いたいんだけど」という感じだったんですけど(笑)。
そういう意味でも、非日常感を味わえる面白い空間でしたね。
でも同時に、みんな久石譲さんの音楽を、あの曲を聴きたくて集まったわけじゃないですか。やっぱり世界のジブリなんだなというのを感じました。
まとめ:手軽じゃない楽しみが、自分の中に残していくもの
キャンドルライトコンサートは、久石譲さんの音楽の世界だけではありません。ヴィヴァルディの「四季」なんかも紹介されていましたし——私、ヴィヴァルディも大好きなんですけど——最近の曲をやっていたりもする。クラシック音楽から現代の音楽まで、幅広く楽しめます。
心が潤う。それだけでも十分な理由だと思うんですけど、それ以上に感じたことがあります。
普段からこういういい体験をしていると、人生が明るくなっていって、「自分でも何かしよう」という気にもなっていくと思うんですよ。
手軽な楽しみではなくて、少し足を運んで、実際に見る、聞く、体験する。それをしてもらうと、やっぱり自分の中に大きなものが生まれていくんじゃないかなって思いました。
そこに新しい自分自身の可能性だったり、自分がどんなことを求めているのかとか、これからどんなことをしていきたいのかとか、そういうものが出てくるんじゃないかなと思っています。
まだ行ったことのない方は、ぜひ足を運んでいただけましたら幸いです。
最後までお読みいただいた方、本当にありがとうございました。それではまたどこかで。
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