【分類の話②】亜種って難しそう?実は意外と身近に、、、? ちなみにトラって何種類?
前回は、動物園や水族館で見られる動物の「名前の揺れ」と、その背景にある「分類(種分け)」が常に変化しているという事実についてお話ししました。
今回は、その分類のステップをさらに一歩踏み込んで、「亜種(あしゅ)」という概念に注目してみたいと思います。
そもそも「亜種」って何だろう?
「種(しゅ)」と「亜種」の違いは、分類学の中でも非常に難しいテーマの一つです。しかし、簡単に、かつ分かりやすく説明してみます。
動物の「種」は、一般的に「自然な状態で交配し、繁殖能力のある子孫を残すことができる集団」と定義されます。
では、「亜種」とは何か。
亜種とは、同じ「種」に属していながらも、生息している地理的な場所が異なり、その場所の環境に適応してわずかに形態や遺伝的な特徴が分化している集団のことを指します。
簡単に言えば、「基本構造は同じだけど、住んでいる場所によって少しだけ見た目や性質が違う、仲間内のグループ」というイメージです。
種を示す学名が二語(例:Panthera\ tigris / トラ)であるのに対し、亜種はさらに細かく区別するため、三語で表記されます(例:Panthera\ tigris\ altaica / アムールトラ)。
この亜種という分類は、非常に難しく、分類学者によって見解が分かれることも少なくありません。
特に、海のように広大で移動が自由な環境に住む動物の場合、亜種分けは複雑になります。
水族館で最も身近なイルカの一つであるバンドウイルカも、遺伝子や形態の違いからいくつかの亜種に分かれています。
例えば、
インド太平洋バンドウイルカ(Tursiops\ aduncus)
ミナミバンドウイルカ(Tursiops\ truncatus\ aduncus)
など、細かく分類されることがあります。これらは生息域によって体サイズや頭部の形状、背びれの形などに違いが見られます。
しかし、これらの名前を「日常で聞いたことがある」という方は、非常に少ないのではないでしょうか?
水族館でも、展示名としては単に「バンドウイルカ」と表記されることがほとんどです。
馴染み深い「トラ」は実はすべて亜種
一方で、トラはどうでしょう。
トラの種類について、「いくつか知っている」「聞いたことがある」という方は多いのではないでしょうか?
アムールトラ(シベリアトラ)
ベンガルトラ
スマトラトラ
など、先に挙げたこれらは一見、「トラの種類」のように思えますが、実は分類学上、すべて「亜種」として扱われています。
意外かもしれませんが、
トラは、ネコ科の中でも「一種」のみの動物なのです。
イルカの亜種名はほとんど聞かないのに、トラの亜種名だけはこんなに馴染み深いのはなぜでしょうか?
アジアに住む大型肉食動物として、
また、日本には生息していないものの、古くから屏風に描かれたり、干支にもなっていたりと、日本人生来のトラ好きみたいな部分が、この亜種ごとの名前を広く浸透させているのかもしれません。
やや強引かも知れませんが、過去、動物園で感じられる日本人の感性を紹介してきましたが、をここでも日本人の感性的な部分を感じます。
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