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世界は変わらない、見え方が違うだけ

毎日歩いている通勤経路に、赤いポストが立っていた。
実は、1年近く歩いていて、今日、その存在に初めて気がついた。
きっかけは、前を歩いていた女性が、街路樹の間に立つそのポストに手紙を投函する姿だった。
カタン、と小さな音がして、はじめて「えっ?あそこにポストがあったの?」と認識した。

まさか昨日突然設置されたものでもない。
おそらく何年も前から、あの場所に立ち続けていたもののはず。
にもかかわらず、私はその存在をまったく視界に入れていなかった。
あれほど目立つ赤色なのに。

人は、自分の関心のあるものしか見ていないと言われる。
正確には、「目に入っていても、脳が意味づけしないものは認識されない」ということらしい。
私にとって通勤路は、ただ職場へ向かうための移動場所であり、ポストを探す場所じゃなかった。
だからそこにポストがあっても、「今、自分に必要な情報」として処理されなかったのかもしれない。

私たちは、自分の興味・関心、価値観、目的によって世界を切り取ってる。
逆に言えば、見えていないものが無数に存在している、ということでもある。
視界に入っていても、見えてない。
見ようと意識して初めて、見えてくる。
これって、すごい機能だよね。

もし今、自分の可能性や選択肢が「見えない」と感じている人がいるとしたら、それは本当に存在しないんじゃなくて、まだ意識の焦点が当たっていないだけかもしれない。
視点が変われば、景色は変わる。
誰かの一挙手一投足が、ふとした気づきをもたらすこともある。

赤いポストは、今日も変わらずそこに立ってる。
明日からはきっと、私はあの場所を通るたびに、その存在を認識するだろう。
世界は昨日と同じでありながら、私の見え方だけが少し変わった。
その小さな変化と気付きを、大切にしたいと思う朝でした。

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