初めての方向け建築家紹介【No.2】 SANAA(前編)
今回はSANAAについて紹介したいと思います。

SANAAは妹島和世氏と西沢立衛氏からなる建築ユニットです。もともとは、西沢立衛さんが妹島和世設計事務所で仕事をしていましたが、その後、西沢立衛設計事務所を設立。海外でプロジェクトを展開するようになったのがきっかけで生まれた建築ユニットで、日本だけでなく、世界を舞台に活躍されてます。
作品の特徴
SANAAの建築に見られる特徴としては以下のようなものが挙げられます。
ガラスの多用
透明性の高いガラスを積極的に用いることで、内外の境界を曖昧にし、周囲の環境と緩やかにつながる空間を生み出しています。

2.自然光を取り入れた明るい空間
ガラスの使用とも関連しますが、自然光を建築内部へ柔らかく導く工夫が随所に見られます。光庭やヴォイドを効果的に配置することで、空間全体に均質で軽やかな明るさをもたらしています。

3.軽やかな空間
SANAAの建築は、用途を限定しすぎない柔軟な空間構成によって、利用者が多様な居場所を見出せるように計画されています。細い柱やガラスによって構造や境界の存在感を抑え、空間の連続性と均質性を高めることで、全体に軽やかで、内外が緩やかにつながる建築を実現しています。

SANAAの作品紹介
SANAAには魅力的な作品が多くありますが、美術館が作品として多いことでも知られています。そこで今回は、美術館を中心にご紹介します。
1. 金沢21世紀美術館

金沢21世紀美術館は、SANAAを代表する作品のひとつです。高い透明性を備えたガラスの外観が特徴で、特定の正面や入口に限定されることなく、どこからでもアクセスできる開かれた構成となっています。内部からは外部の緑豊かな風景がそのまま感じられ、内と外が緩やかに連続する空間が実現されています。
また、金沢市が掲げる「まちに開かれた美術館」という理念のもと、金沢城や周辺の文化施設と有機的に結びつき、都市の中に溶け込むように計画されている点も注目に値します。建築単体にとどまらず、都市計画的な視点からも注目に値する作品です。
2. ルーブル=ランス

ルーヴル=ランス美術館は、ルーヴル美術館の分館として建設された美術館です。パリ本館が主に18世紀頃までの美術品を体系的に収蔵・展示しているのに対し、ルーヴル=ランスではそのコレクションの中から時代や地域を横断して作品が選ばれ、より自由で横断的な視点による展示が行われています。
3. ニュー・ミュージアム

ニュー・ミュージアムは、ニューヨーク・マンハッタンのバワリー通りに建てられた現代美術館です。マンハッタンの高層ビルの規制を目的とした斜線制限を満たすために、キューブごとにずらしながら積み重ねられています。そのずれがテラスやヴトップライトを生み出し、訪れた人はニューヨークの街並みを眺めたり、外の空気を感じられたりと、都市とのつながりを感じられるような経験ができるのも魅力です。
4 . トレド美術館 ガラスパヴィリオン

トレド美術館 ガラスパヴィリオンは、オハイオ州トレド美術館の別館として建てられました。トレドはガラス製造で栄えた町で、この別館ではガラス工芸作品を主要な展示品としています。内壁・外壁ともにガラスが使われており、各部屋がガラスで囲まれています。ガラスの透過面と反射面が重なり合い、各部屋がつながりつつ分かれているような独特な雰囲気を提供する建物です。
ここから続きは後編になります。
後編では、妹島和世設計事務所・西沢立衛設計事務所それぞれの作品を紹介しています。また、SANAAのことをもっと知りたいという方のために、おすすめの文献も紹介しています。(後編に続く)
