「日本人の若者はどこにいるのか?」──低賃金労働を支えなくなった世代と、静かに変わる社会構造
最近、コンビニや飲食店に入ると、外国人スタッフが働いているのが当たり前になった。
セブン-イレブン
ファミリーマート
すき家
どこに行っても珍しくない光景だ。
これは良い悪いの話ではない。
ただ、素朴な疑問が浮かぶ。
日本人の若者は、いまどこにいるのか?
■ 少子化は「人数」だけの問題ではない
日本は少子化だ。
若者の絶対数は減っている。
だが本質は、数ではない。
人口が減る社会では、
若者は「希少資源」になる。
希少資源は、より条件の良い場所へ流れる。
つまり今起きているのは、
若者の蒸発ではなく、再配置だ。
■ 低賃金労働からの撤退
コンビニや外食は、
・時給は上がりにくい
・体力的負担が大きい
・将来の昇給が見えにくい
構造的に、長期的キャリアになりにくい。
高度成長期や人口が多かった時代は、
若者がその現場を支えていた。
しかし今は違う。
若者が減り、選択肢が増えた社会では、
「条件の悪い労働から先に人が抜ける」
これは自然な市場原理だ。
■ 外国人労働力という調整弁
そこで機能しているのが、外国人労働者だ。
技能実習制度や特定技能制度は、
事実上「人手不足産業の補完装置」になっている。
これは善悪ではなく、構造の問題だ。
もし外国人労働者がいなければ、
・コンビニは深夜営業を縮小
・外食は値上げ
・地方は店舗閉鎖
という形で、生活コストが上がる。
つまり今の日本は、
外国人労働力によって“低価格社会”を維持している。
■ 若者は合理的に動いただけ
若者は弱くなったのか?
むしろ逆かもしれない。
・将来性の薄い仕事を避ける
・消耗を早期に見切る
・合わなければ辞める
退職代行が象徴するのは、
忍耐力の低下というより、
「我慢の投資対効果が合わない」という判断だ。
余白のない社会で、
無理をしてまで続ける意味を感じない。
それは感情ではなく、合理だ。
■ 安定職の倍率は下がっているのか?
若者が減れば、理論上は倍率は下がる。
しかし同時に、
・企業は採用人数を絞る
・スキル要件は上がる
・非正規化は進む
つまり、入口は広がらず、質だけが上がる。
これは「楽になる」のではなく、
競争の形が変わったということだ。
■ 静かに進む三極化
いま若者は三方向に分かれている。
✔ スキルを武器に上へ行く層
✔ 目立たず普通に続ける層
✔ 非正規や無業に固定される層
社会は崩壊していない。
だが均質でもない。
静かに分かれている。
■ 本当に変わったのは、誰か
「若者がいない」と感じるのは、
彼らが消えたからではない。
低賃金労働を、日本人若者が担わなくなったからだ。
これは世代の甘えではない。
人口減少社会における、極めて自然な再配分だ。
だとすれば問うべきは、
若者はどこへ行ったのか?ではなく、
なぜその仕事は、日本人若者に選ばれなくなったのか?
社会構造は、いつも弱い場所から形を変える。
コンビニのレジは、
いま日本の労働市場の縮図なのかもしれない。
