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止まっている人生にも、役割がある

止まっている人生は、 評価されにくい。

進んでいない。 成果が見えない。 物語が動かない。

そう見えるからだ。


社会は、 動いている人生を好む。

挑戦。 成長。 更新。

それらが並ぶと、 分かりやすい物語になる。

一方、 止まっている人生は 説明しづらい。


だが、 止まっていることには 意味がないわけではない。

それは多くの場合、 人生が壊れないように 重心を下げている状態だ。


橋を渡るとき、 強風が吹けば 人は立ち止まる。

それは臆病だからではない。

落ちないためだ。


人生でも同じことが起きる。

無理が積み重なり、 これ以上進めば 崩れてしまう地点で、 足が止まる。


止まっている時間は、 外から見れば 空白に見える。

だが内側では、 整理と回復が進んでいる。

疲れを感じる。 違和感に気づく。 価値観が静かに並び替えられる。


止まらなければ、 見えないものがある。

走っている間は、 違和感を振り切れる。

だが、 止まると残る。

そして残ったものこそが、 次の方向を決める材料になる。


止まっている人生の役割は、 成果を出すことではない。

壊さずに 次へつなぐことだ。


誰にも語られず、 記録にも残らない時間が、 人生を支えている。

その時間があったから、 人はまた歩ける。


止まっている人生は、 失敗でも、 逃げでもない。

それは、 人生が自分を守るために 取っている姿勢だ。


何も起きていないように見える日々にも、 確かな役割がある。

止まっている人生は、 次の一歩を 生かすために存在している。

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