「助けて」と言いあえるマンションへ
SDGsには、目標11
「住み続けられるまちづくりを」がある。
じゃあ「住み続けられる」って、
どんなまちだろう。
災害が起きても、被害を
少しでも小さくできるインフラ。
そして、困ったときに、
誰かに「助けて」と言えるまち。
私は、そんなまちだと思う。
マンションも、小さなまちだ。
ある日、管理人さんに聞いてみた。
「すみません!うちのマンションって、
災害時のマニュアルはどうなってますか?」
少し困った顔をされた。
私は、このマンションが
できたときから住んでいる。
それなのに、有事の際にどう行動するのか、
聞いたことがなかった。
仕事で防災士の資格取得のために勉強し、
災害への備えの大切さを知った。
「管理会社に確認して、理事会で共有します」
私は、いくつか
確認してほしいことを伝えた。
・地震で排水管などが壊れている
可能性があるとき、
トイレに水を流してはいけないことを、
住民は知っているのか。
・貯水槽のカギの運用はどうなっているのか。
・要配慮者を把握し、
住民同士で助け合える体制はあるのか。
「ちょっとわからないので、
管理会社から電話させます」
管理人さんがそんな重たいこと、
一人で背負う必要はない。
私たちのマンションだ。
ちょっと人見知りだけど、
勇気を出して伝えてみた。
「防災訓練をしたらどうですか。手伝いますよ!」
この言葉が、ちゃんと届いてほしい。
大規模災害では、
公助がすぐに届かないこともある。
自助は、自分で備えることができる。
でも、共助はひとりではできない。
都会のマンションでは、
隣に誰が住んでいるのかさえ
知らないことも珍しくない。
私自身、ほとんど住民と話したことがない。
普段は、それでいい。
その距離感が気楽でもある。
でも、災害が起きたとき。
「助けて」と言える関係が、
そこにあるだろうか?
人と人って、助けるばかりじゃない。
『いつか自分も、誰かに助けてもらうかもしれない』
そう思えば、ほんの少しだけ、
人にやさしくなれる気がする。
小さな輪からでいい。
「助けて」と言える。
「大丈夫?」と声をかけられる。
そんな関係が、少しずつ
広がっていけばいいと思う。
防災訓練は実現するかわからない。
でもお互いに「助けて」と言いあえる
マンションになったらいいな。
助け合える住民が加われば 、
住むうえでの資産価値は
さらに上がると思う。
ちょっと古くても、
このマンションが好きだから。
未来もここに住んでいたい。

