現場で使われないAIには意味がない
生成AIが注目されるようになり、多くの企業がAI導入を検討しています。
一方で、実証実験を行ったものの、実際の業務では使われなくなったという話も少なくありません。
AIの性能が低いから使われないとは限りません。
むしろ多くの場合、現場の業務とAIの設計がつながっていないことが原因です。
経営層は、AIによる業務効率化を期待します。
開発側は、高度な機能や精度を重視します。
しかし、実際に毎日使うのは現場の社員です。
ログインが面倒。
入力項目が多い。
何を質問すればよいか分からない。
回答が正しいか判断できない。
既存の業務フローが増えてしまう。
これでは、どれだけ技術的に優れたAIでも定着しません。
私は、AIプロダクトを考える際に、機能よりも先に「誰が、いつ、どの場面で使うか」を考えることが重要だと思っています。
たとえば店舗のSNS運用であれば、投稿文章を生成できるだけでは不十分です。
本部の方針、店舗の特徴、地域情報、キャンペーン、使用できる表現、承認ルールまで理解しなければ、実際の業務には入り込めません。
問い合わせ対応であれば、会話が自然なだけでは足りません。
営業時間、店舗住所、在庫、予約状況などの事実情報と接続し、分からないことを分からないと言える設計が必要です。
AIは、画面上で賢く見えるだけでは価値になりません。
仕事が前に進むこと。
判断が速くなること。
ミスが減ること。
顧客体験がよくなること。
そこまでつながって、初めて導入した意味が生まれます。
だからTAKARA AIでは、AIモデル単体ではなく、実際の業務フロー全体を見るようにしています。
どこで情報が止まっているのか。
誰の判断に負担が集中しているのか。
どの作業が属人化しているのか。
AIの回答を誰が承認するのか。
AI導入の本質は、最新技術を入れることではありません。
企業の仕事の流れを理解し、AIが自然に組み込まれる形を作ることです。
現場で使われないAIには意味がない。
これは、私たちがプロダクトを作るうえで、最も大切にしている考えの一つです。
