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[17] 「スフィア」が描かれた潮風公園と、お台場の周囲の状況を整理してみる

唐突に浮上した、お台場に「スフィア」を設置する構想。

お台場に新しい象徴が出来るかもしれない話題性の方が先行しているため、お台場をリサーチしてた知見を踏まえ、イメージ図に描かれた実地から現地の状況を整理してみました。

もっぱら、現地の位置づけ、公園の性格、周辺の状況の観点でカキカキ。


「東京・台場」という気持ち雑な書き方 | これはただのお気持ち

新聞では「東京・台場」と書かれてますが、イメージ図に描かれているスフィアは港区台場と隣接する潮風公園、品川区東八潮に属しています。

▲ 臨海副都心 最大の公園となる潮風公園


他メディアのように「台場地区」や「お台場」であれば特に気にならないものの、「台場」だと大手メディアにしては雑に感じます。
とはいえ日経は青海ですら台場と書いてた気がするので、あのエリアに厳密性を求めていないのでしょう。これは単に私のお気持ちですね、はい…。

スフィアが描かれている場所 (潮風公園 太陽の広場)

スフィアのイメージ図は、潮風公園の「太陽の広場」設置されているように見受けられます。(一般向けのニュースにはスフィアのイメージ画像が見当たらなかったことから、ここでは割愛します。)

▲ 航路と森に囲まれた太陽の広場

太陽の広場はこんな感じです。

▲ 太陽の広場

太陽の広場は潮風公園北エリアの大きな円形広場です。たびたびライブイベントなども行われますが、世間的には、かつて実物大ガンダムが設置された場所、 東京オリンピック 仮設ビーチバレー会場だった場所の方が伝わると思います。

▲ 空撮した潮風公園 奥には台場地区の街が続く

写真の通り、潮風公園は森に囲まれ海に面している立地から、水辺景観と緑地の景観の強い場所です。言い換えれば、周囲のお台場の街のみならず、行き交う船や対岸からも視認性が高く映える立地です。巨大なスフィアを置く候補地としては確かにもってこいでしょう。
また、歴史的な経緯から品川区は旧十三号地公園(潮風公園+船の科学館周辺)しか土地を得られなかったことから、ここに収益性の高い施設が誕生することは歓迎されそうな話に感じます。

オリンピック会場の実績がある立地

オリンピックの際は12,000人を収容できる仮設ビーチバレー会場がありました。

▲ ビーチバレーボール会場があった頃 (2021年)

当時は無観客になりましたが、人を集められ実績がある場所です。と言えます。

他方、潮風公園はあくまで公園であるという現状

他方、潮風公園は臨海副都心で最大規模の公園として整備され、その歴史は13号埋立地時代まで遡ります。

▲ お台場のオアシス的な潮風公園

スフィアのような大きな人工物は「相性が良い」と感じる一方、海上公園構想をはじめとして積極的に自然を形作ってきた臨海部の歴史で「潮風公園をどこまで変えるつもりだろう」と動向が気になる部分があります。

潮風公園周辺で進む再開発の状況と、隣接する未処分地

潮風公園とその周囲では、既に進行している再開発もあれば、そもそも未処分地として残っている場所もあります。

まず、潮風公園の北側の護岸沿いは長年修復のために閉鎖されており、今年ようやく修復工事が始まりました。

潮風公園のアイコンとも呼べる「夕陽の塔」も、その周囲は長らく立ち入り禁止でしたが、来年ようやく再開放されそうです。

▲ 潮風公園のアイコン「夕陽の塔」

そして、潮風公園の南部にはかつて船の科学館本館がありました。ここは"スポーツを中心に様々な目的で都民が集うことができる拠点を形成する"「スポーツゾーン」となる予定です。

▲ 解体された船の科学館跡地。奥の日本財団パラアリーナも建て替え予定
▲ ゾーニング図

また、潮風公園と道路向かい側にある青海地区NOP区画は未処分地であり、現在もイベント利用や駐車場区画として暫定的な運用が行われています。

▲ セントラル広場周辺の駐車場区画は未処分地

一度は進出事業者が決まったものの、リーマンショックにより取りやめになったとされ、その後オリンピック会場として使用されることもありました。その意味では、潮風公園に作るよりも青海地区を活用した方がいいのでは?とも思ってしまいます。ただ、潮風公園は建設局が管理していますが、NOP区画は港湾局が管理している違いもあります。

個人的には、セントラル広場の周囲を見渡せる開放感が好きでして、毎週違うイベントがやっているのも面白かったりします。その意味ではなくなってほしくないのですが、いつまで駐車場のままなのだろうかと思う部分もあります。

まとめると、潮風公園とその周辺には、ようやく修復が始まった場所、既に再開発が決まっている場所、そしてまだ未処分地もあります。

スフィアのような新しい象徴物の話が出てくること自体は、流れとしては不自然ではないですが、先の公園の位置付けをはじめ、周囲との折り合いをどう付けるかも課題にはなるのでしょう。

終わりに 

潮風公園そのものは景観・象徴性・イベント実績の面でスフィアの候補地として説得力があります。ただし、そこは単なる公園ではなく緑地としての文脈を持つ公園です。また、公園とその周辺には、修復中の場所、再開発中の場所、未処分地も存在することから、「スフィア」を建設するにも折り合いや課題は多いように見えます。

臨海副都心の土地は東京都が管理しています。厳密には潮風公園は他の区画と異なり港湾局ではなく建設局が管理している違いはありつつ。その辺りも調整があるのでしょうね。

ともあれ、東京都の意思決定に大きく左右されることから、スフィア建設を点でみるよりは、東京・お台場の街 (すなわち港区台場・品川区東八潮・江東区青海)の歴史・現在・今後をどう設計してスフィアを位置付けるのかが重要だろうなぁと、月並みな締めくくりをさせてもらおうと思います
そもそも構想を発表した時点である程度方向性は決まっている気はしますが…。

今回は、ぱっと見ここまで整理してる人がいなかった気がするので書いてみました。

潮風公園はいいぞ。

▲ 潮風公園の桜並木

ではまたお台場で。

お知らせ)お台場・有明のニッチな観光ガイドを連載しています。


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