Z式#10 人は、分かってほしいだけでは分かり合えない、お互いの観測と開示で信頼を育てる『共通理解構文』
【導入】共通理解がないと、関係は静かに壊れていく
私は、関係を壊すのは露骨な悪意だけではないと思っています。
期待のズレで壊れることもあります。
けれど、それ以上に見落とされやすいのが、「共通理解が育っていないこと」です。
私の知人に、最初はお互いにベストパートナーだと思って提携関係を築いていた会社がありました。
事業の立ち上がりは順調で、必要なことは都度話し合い、売上も業績も積み上がっていきました。
外から見れば、うまくいっている提携関係に見えたと思います。
ところが、事業が進むにつれて、少しずつ解釈のズレが出てきました。
必要なことは話している。
役割も分かっている。
でも、それ以上の会話がない。
価値観や、その先のビジョンや、何をどこまで大事にしているかという理解は深まっていなかった。
その状態のまま進んだことで、ある部分の解釈違いから関係性が悪化し、最終的には破綻してしまいました。
喧嘩別れというほどではありません。
けれど、お互いに「今後は別の道だ」と判断し、それまで積み上げてきた売上や業績を、あっさりとリセットしてしまったのです。
私から見れば、その部分でもめる必要はなかったように思います。
完全に一致しなくても、方向性だけそろえたり、形を変えて続けたりする余地はあったはずです。
それでも終わってしまったのは、お互いにその先の共通理解や、未来のビジョンの共有が育っていなかったからだと感じました。
私はこの出来事を見て、あらためて思いました。
人は「期待していたかどうか」だけで関係が壊れるのではない。
理解が足りなければ、受け入れられなくなり、道を分かつことになる。
だからこそ、必要なのは相手をただ知ることではなく、共通理解を育てることなのだと。
今回は、そのための『共通理解構文』を書いていきます。
【こんな方に読んでほしい】人間関係も仕事も、すれ違いを減らしたい方へ
この記事は、次のような方に読んでほしい内容です。
「必要なことは話しているのに、なぜかズレることが多い方」
「部下、上司、取引先、家族、親子、パートナーとのすれ違いを減らしたい方」
「価値観が同じ部分だけでなく、違う部分も含めて相手を理解したい方」
「一方的に相手を読むのではなく、お互いに理解が通う関係を作りたい方」
「事業や活動を、信頼できる相手と長く育てていきたい方」
この回は、読心術の話ではありません。
相手を操作するための話でもありません。
何を共有し、何を一致させ、何は違っていても理解し合うのか。
その土台をどう作るかの話です。
【この記事を読むとどうなるか】共通理解の土台をどう作るかが見えてくる
この記事を読むと、
「必要事項を話しているだけでは、なぜ足りないのか」
「価値観が同じ部分と違う部分を、どう扱えばいいのか」
「相手を理解するには、自分の目線だけではなぜ足りないのか」
「相手の背景や立場や業界まで知ることが、なぜ大事なのか」
「共通理解を育てるには、どんな接点や仕組みが必要なのか」
といったことが見えやすくなります。
つまりこの回は、
ただ『分かってもらう』ための回ではありません。
ただ『相手を知る』ための回でもありません。
お互いが歩み寄りながら、共通の理解を持てる接点をどう作るか。
そこを整理する回です。
全部一致しなくてもいい。
でも、相手はこう考えるだろう、自分はこう考える、だからこの場ではこう動ける、というところまで理解が届くと、人は本当の意味で信頼できる相手になりやすい。
私は、そこまで行って初めて、共に事業を育てたり、共に働いたり、同じ時間を過ごすに値する関係になるのだと思っています。
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