Z式#06人間関係は悪意より、期待のズレで壊れるーすれ違いを減らす「期待調整構文」
【導入】あなたは、人に期待を裏切られたことがありますか
あなたは、人に期待を裏切られたことがありますか。
「この人ならやってくれるはずだ」
「きっと分かってくれるだろう」
「ここは応えてくれるだろう」
そう思っていたのに、期待していたような動きが相手からなかった。
思っていたのとは違う結果になってしまった。
そういう経験は、誰にでもあると思います。
期待が裏切られると、人はただ困るだけでは済みません。
落胆したり、悲しくなったり、寂しくなったり、ときには怒りが湧いたりもします。
期待していた分だけ、反動も大きくなるからです。
しかも厄介なのは、その失望が積み重なると、「相手が悪い」「裏切られた」「もう信じられない」という見方に変わりやすいことです。
もちろん、本当に相手に問題がある場合もあります。
けれど実際には、悪意そのものよりも、『期待の置き方』や『期待のズレ』が関係をこじらせていることも少なくありません。
だからこそ、期待値を事前に調整しておくことには大きな意味があります。
期待が過大になりすぎなければ、裏切られたときのショックを和らげやすくなりますし、関係がこじれたり断絶したりすることも避けやすくなります。
これは人間関係だけの話ではありません。
仕事や取引先との関係でも同じです。
見込んでいた利益や業務量を過大に置きすぎると、ズレたときにこちらの計画まで大きく崩れます。
逆に、期待の程度を適度に整え、あらかじめ共有しておけば、破綻なく運営しやすくなります。
さらに、期待感が大きすぎると、相手がそれに応じようとして「できます」「任せてください」と虚勢を張ったり、安請け合いをしたりすることもあります。
だからこそ、自分の側から事前に期待値を整え、そのレベル感を相手と共有しながら関係を築くことが大事なのだと私は思っています。
今回は、そんなときに使える『期待調整構文』を扱います。
相手を責める前に、「自分は何を期待していたのか」を観る。
その期待は明確だったのか、共有されていたのか、相手が引き受けられるものだったのかを見直す。
そのための構文です。
【はじめに】関係を壊すのは、露骨な悪意だけではない
人間関係がこじれるとき、私たちはつい「相手の裏切り」や「悪意のある行動」を原因だと考えがちです。
もちろん、そういう場合もあります。
けれど私は、それだけではないと思っています。
関係がこじれるときは、相手の悪意よりも、『お互いの期待値が大きすぎること』が原因になっている場合があります。
そもそも関係している二人なのですから、最初は何かきっかけがあり、良い部分があり、ご縁があって関係が始まったはずです。
最初から嫌いで始まる関係ばかりではありません。
むしろ、「この人は優しい」「この人はちゃんとしている」「この人は信頼できる」といった好意や評価があるからこそ、関係は近づいていきます。
ただ、そこで期待が大きくなりすぎると、やがてズレが出ます。
「あの人は優しい人だと思っていたのに、冷たい言葉が出た」
「あの人はちゃんとしてると思ったのに、実は礼儀がなってなかった」
「あの人は計画性があると思っていたのに、実はまったく計画が立てられなかった」
こういうことは珍しくありません。
しかも期待は、こちらが一方的に抱くだけとは限りません。
相手が自ら「自分はこうできます」「そこは任せてください」「私はきちんとやります」と言ったり、積極的に良い面を見せたりすることで、こちらの中に期待が生まれることもあります。
この場合、期待は相手の発言や態度によって育てられているぶん、裏切られたときの失望も大きくなります。
こちらが勝手に理想化しただけではなく、相手もまた、期待が膨らむ材料を出していたからです。
私の周りでも、相手に対する期待が失望に変わり、その失望が怒りや悲しみになり、最後は距離を取ることにつながっている場面を何度も見てきました。
関係が壊れる前にまず失望があり、その失望の前に期待がある。
私はこの流れがかなり多いと感じています。
つまり、関係を壊しているのは、最初から露骨な悪意だったとは限らない。
むしろ、「こうであってほしい」と思っていた期待と、実際の相手とのあいだにズレがあった。
そのズレをうまく扱えなかったことで、関係がこじれていくことがあるのです。
【よくある誤解】すれ違いは、相手の悪意で起きると思い込みやすい
人間関係がこじれたとき、人はかなり自然に「相手に悪意がある」という見方に寄ります。
たしかに、相手に悪意があることもあります。
故意に傷つける人もいるし、不誠実な人もいます。
そこは現実としてあります。
ただ、それだけで全部を説明しようとすると、同じすれ違いを何度も繰り返します。
なぜなら、人間関係のトラブルの多くは、悪意の衝突というより、『期待の未共有』や『期待の更新漏れ』から起きているからです。
こちらは当然だと思っていた。
でも相手は当然だと思っていなかった。
こちらは丁寧さだと思っていた。
でも相手は別の基準で動いていた。
こちらは気遣いだと思っていた。
でも相手はそこまで求められていると認識していなかった。
このズレは、悪意がなくても起きます。
むしろ、悪意がないからこそ見えにくい。
だからこそ必要なのは、「相手に悪意がある」で止まることではなく、「自分は何を期待していたのか」を観ることです。
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