Z式#09余白から生まれた芽を、どう育て、どう収穫するか成長段階と出口を考える『展開設計構文』
【導入】せっかく始めたのに、なぜ続かないのか
私の友人に、いわゆる「営業の鬼」と呼ばれるような人がいました。
様々な業種の人に好かれ、人と交流し、自分自身も人とのネットワークを構築するためにたくさんの投資をし、多くの人脈があり、慕われていた人です。
その人脈を使って、「みんなで何かやろう」ということで、月に1回、何十人という規模の飲み会を開き、出会いの場を主催していました。
最初は期待も高く、多くの方が交流し、名刺交換も進んだそうです。
けれど、1年も経たないうちに、その会は立ち消えになってしまいました。
回数を重ねるごとに来る人は少なくなり、最後には昔からの付き合いの数人ばかりが集まる会にまで減ってしまったそうです。
なぜか。
理由ははっきりしていました。
ただの名刺交換会になってしまい、何のために集まっているのかが、誰にも分からなくなってしまったからです。
しかも、参加者の多くが知っているのは、核となったその友人だけでした。
それぞれはお互いによく知らない間柄で、名刺交換をし、名乗り合い、自己紹介はするのですが、その先に仕事や活動がつながったという実感は、あまり確認できなかったそうです。
私はこの話を聞いて、「芽が出ること」と「育つこと」は全く別なのだと強く感じました。
人が集まることと、コミュニティが育つことは同じではありません。
新しいことを始めることと、それが続くことも同じではありません。
そこに【テーマ】や【目的】や【ビジョン】がなければ、最初は勢いがあっても、長くは続かないのだと思います。
これは、趣味でも同じです。
最初は楽しい。
成長するから楽しい。
技術を覚え、試行錯誤しながら伸びていくから面白い。
けれど、ある一定までいくと頭打ちになりやすい。
そこから先は、また違った目標や意味や張り合いを作らない限り、続きにくくなります。
だから私は、心の余白を用いて新しく始めたことは、「始めること」だけで終わらせてはいけないと思っています。
それをどう展開させるのか。
どう育てるのか。
そしてさらには、それを自分自身がどう受け取る構造にするのか。
つまり、出口戦略まで整理する必要があると思っています。
今回は、そのための『展開設計構文』を書いていきます。
【こんな方に読んでほしい】始めるのは得意だが、育て切るのが難しい方へ
この記事は、次のような方に読んでほしい内容です。
「新しいことを始めるのは好きだが、途中で止まりやすい方」
「新規事業、企画、趣味、活動、人脈づくりなどの芽はあるが、どう育てるべきか迷いやすい方」
「最初は勢いがあるのに、途中から意味や目的がぼやけて継続しにくくなる方」
「余白から生まれた可能性を、偶然で終わらせず、未来につなげたい方」
「始めたことを、自分の成長や人生や仕事にどう返すかまで考えたい方」
【この記事を読むとどうなるか】芽を偶然で終わらせず、育てる視点が持てる
この記事を読むと、
「いま出ている芽は、何の芽なのか」
「それは、どの段階にあるのか」
「どこにつなぐと育ちやすいのか」
「どう育てると長続きしやすいのか」
「どの出口を想定すれば、自分に返ってくるのか」
といったことが見えやすくなります。
つまりこの回は、新しい芽を見つける回ではありません。
生まれた芽を、偶然の思いつきで終わらせず、未来の可能性に変えていくための回です。
【はじめに】新しい芽は、出ただけではまだ弱い
第8回では『余白創造構文』として、心の余白をどう作り、どう使うかを書きました。
余白があると、人は新しいことに気づきやすくなります。
新しい人に出会う。
新しい趣味ができる。
新しい発信の種が見つかる。
新しい事業の可能性が見える。
そういうことが起きやすくなります。
けれど、その先が難しい。
新しい芽は、出ただけではまだ弱いのです。
放っておけば消えてしまうこともある。
最初の勢いだけで進んで、途中で止まることもある。
最初は楽しくても、何のためにやっているのかが曖昧になると、急に張り合いを失うこともある。
私は、ここがかなり大事だと思っています。
始める力も大事です。
でも、それ以上に大事なのは、育てる力です。
何を育てているのか。
何のために育てるのか。
どこまで育てるのか。
どう収穫するのか。
収穫したものを、どう次の種に変えるのか。
そこまで見て初めて、新しい芽は意味を持ち始めます。
【よくある誤解】人が集まれば、自然に育つわけではない
よくある誤解があります。
人が集まれば、自然に何かが育つ。
面白そうな人がいれば、勝手に広がる。
良い企画なら、勢いで続く。
最初に楽しかったのなら、そのまま育つ。
でも、現実はそこまで単純ではありません。
人が集まっても、共通の目的がなければ続きにくい。
人脈があっても、何を目指すのかがなければ広がりにくい。
面白くても、途中から別の意味づけがなければ継続しにくい。
最初の勢いは、ずっとは続きません。
だから必要なのは、勢いの次に来る設計です。
何のためにやるのか。
何を得たいのか。
どうなったら一つの成果と見るのか。
どの段階で次へ移るのか。
そこが整理されて初めて、芽は育ちやすくなります。
【今回の構文】『展開設計構文』とは何か
今回の中心になる問いは、次のものです。
「いま生まれている芽は、何の芽なのか」
「これは育てるべき芽なのか、それとも一度遊ばせておく芽なのか」
「いまどの成長段階にあるのか」
「この段階での課題は何か」
「どこにつなぐと育ちやすいのか」
「どんなテーマや目的で育てるのか」
「どの出口を想定して育てるのか」
「それは最終的に、自分にどう返ってくるのか」
これが『展開設計構文』です。
【なぜこの構文が必要か】テーマ・目的・出口がないと、芽は立ち消えになりやすい
私は、新しい芽が育つかどうかは、才能や勢いだけでは決まらないと思っています。
大事なのは、【テーマ】【目的】【出口】です。
何を育てているのか。
何のためにやるのか。
どこに着地させたいのか。
それが見えているかどうかで、継続力も展開力もかなり変わります。
ただ楽しい。
ただ面白い。
それも大事です。
けれど、それだけでは長くは続きにくい。
長く育つものには、どこかで必ず意味づけが生まれています。
それが、自分の成長なのか。
収益なのか。
人とのつながりなのか。
地域への貢献なのか。
人生の喜びなのか。
そこが見えてくると、人は粘り強く育てやすくなります。
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