第10回「ナンバーワンじゃなくて、オンリーワンだった」
僕の営業人生の物語、最終回です。
10回、長い話に、お付き合いいただきました。本当に、ありがとうございました。
——ダメダメだった営業が、売れて。家族を泣かせて。頂点で、足元が崩れて。全部、捨てて。そして前回、やっと「なんで売れたのか」がわかった。それは、信念だった。
今日は、その、さらに先の話です。
信念に気づいたとき、僕の人生が——根っこから、変わったんです。
1、「信念で売れていた」とわかった時、競わなくなった
信念で売れていた、とわかったとき。
僕の中で、あることが起きました。
人と、競わなくなったんです。
それまでの僕は、ずっと、ナンバーワンを目指してきました。
同期に勝ちたい。あいつより、上に行きたい。順位表を見て、一番上に、自分の名前を載せたい。
——その競争が、僕の人生そのものでした。
でも、気づいてしまったんです。
僕の売り方は、僕の信念から出てきている。ということは——これ、誰かと比べようが、ないんや、と。
僕にしかできないやり方。僕だけの信念。僕だけの才能。
それは、そもそも、比べる対象がないんです。
そこで、ようやく、わかったんです。
僕が目指すべきものは——ナンバーワンじゃなくて、オンリーワンだったんだ、と。
2、順位表から、やっと降りられた
ナンバーワンは、誰かと比べて、勝つこと。
誰かが上がれば、自分が下がる。永遠に、終わらない競争です。
(もちろん、競争が好きな人も、それがモチベーションになる人もいます。それを否定したいわけじゃ、まったくないんです。ただ、僕には、違ったんです)
でも、オンリーワンは——違う。
僕の信念、僕の才能は、誰とも比べようがない。だから、そこに、勝ち負けは、存在しないんです。
20年間、順位表の一番上を、追いかけてきました。
その順位表から——やっと、降りられたんです。
「別に、一番じゃなくていいんだ。自分が目指してるのは、そこじゃないんだ」
そう気づいたら——めちゃくちゃ、気が楽になりました。
人と比べて落ち込むことも。誰かを蹴落とすことも。自分のやってることを、隠すことも。——全部、なくなった。
誰かの成功を、羨んだり、悔しくなったり。そういうのも、すっと、なくなったんです。
その人には、その人のオンリーワンがある。僕には、僕のオンリーワンがある。ただ、それだけのことでした。
3、「言葉にできた時、楽になる」の、本当の意味
このシリーズで、僕はずっと、言ってきました。
**「言葉にできた時、楽になる」**と。
その、本当の意味が——これだったんです。
「自分は、何のためにやっているのか」 「どこを、目指しているのか」
それが、言葉になった瞬間に。初めて、競争から、降りられた。
自分の信念を、言葉にできたからこそ、競争から降りられた。だから、楽になれた。
——順位表から降りたら、見える世界が、本当に、変わったんです。
今まで、競争相手だった人たちが。
それぞれのオンリーワンを持った、素晴らしい人に、見えてきたんです。
「ああ、この人には、この人だけの才能がある」 「あの人には、あの人だけの信念がある」
そう見えた瞬間に——僕は、思ったんです。
この人たちのオンリーワンを、見つけて、言葉にして、返す。そんな仕事が、したい、と。
これが、今の僕の仕事に、つながっています。
4、一番を目指す人は、みんな、どこか苦しそうだった
順位表から降りて、周りを見渡して、気づいたことがあります。
一番を目指している人って——みんな、どこか、苦しそうな顔をしているんです。
昔の、僕みたいに。
「何かを、足さないと」「この一番の座にいるために、いろんなことを、やらないと」——そう思って、必死になっている。
その人は、誰よりも、頑張っている人なんです。
だから、僕は思うんです。
こういう人たちにも、もっと楽に、やれる方法があるよ、と。僕みたいに、もっと楽に生きられる方法に、気づいてもらえたら、いいな、と。
——20年、営業をやって、遠回りして、やっと気づいた。
今度は、これを、自分のためだけじゃなくて。人のために、使おう。
そう思ったんです。
5、あなたが持っているのは、どんな「種」ですか
僕が、一番好きな歌があります。
SMAPの「世界に一つだけの花」です。
——ナンバーワンにならなくてもいい。もともと特別な、オンリーワン。
あの歌詞の中に、こんな話があります。
人は、それぞれ違う「種」を持っている。
朝顔の種を持つ人もいれば、ひまわりの種を持つ人もいる。チューリップの人もいる。みんな、違う花の種を持っている。
大事なのは——自分の種を、咲かせることに、一生懸命になることなんです。
でも、多くの人が。
朝顔の種を持っているのに、ひまわりになりたがる。
そこらに咲いているタンポポなのに、ひまわりになりたい、と思う。
——でも、それは、いくら頑張ったって、なれるものじゃ、ないんです。
だったら。自分を見つめて、自分の持っている種を咲かせることに、一生懸命になればいい。
花屋の店先に並んだ花は、どれも、みんな、きれいです。
その中で「一番」なんて、誰も思っていない。争ってなんて、いないんです。
そして——選ぶ人は、その人に合った花を、選んでいく。
だから、お客さんも、それぞれ違う。僕に合う人もいれば、合わない人もいる。それでいいんです。奪い合う必要なんて、なかった。
みんな、それぞれ、違う花のための種を、持っているんですから。
6、あなたは今、ナンバーワンを目指して、しんどくなっていませんか
最終回の問いです。
あなたは今、ナンバーワンを目指して、しんどくなっていませんか?
誰かと比べて、足りないところを数えて、疲れていませんか?
——あなたは、誰とも、競わなくていいんです。
あなたの中には、あなたにしかない、オンリーワンが、必ずあります。
それに気づいたとき、あなたはきっと、楽になれる。
たとえば、リーダーはこうでないと、と思い込んでいる人がいます。「赤レンジャーみたいに、先頭でガンガン引っ張らないと」と。
でも、気が優しくて、人の話を聞くのが得意で、自分がトップに立つより、周りの人をトップにさせるのが得意な人もいる。
それも、立派な、才能なんです。
その人が「自分のやり方は、これでいいんだ」と気づいた瞬間——めちゃくちゃ、楽になる。だって、昔から、ずっとやってきたことなんですから。
コメントで、教えてください。あなたが持っているのは、どんな「種」だと思いますか? まだわからなくても、大丈夫です。「わからない」も、立派なスタートですから。
7、最後に——20年は、宝でした
「トップ営業が、全部捨てた理由」。
10回にわたって、お話ししてきました。
その理由は——ナンバーワンを捨てて、オンリーワンを選んだからでした。
全部手に入れて、空っぽだった僕が。全部手放して——やっと、自分を、見つけたんです。
めちゃくちゃ、遠回りでした。
でも今は、思うんです。無駄なことなんて、何一つ、なかったな、と。
売れなかったことも。家族を泣かせたことも。頂点で、崩れたことも。空っぽだったことも。
傷ついて、へこんで、悩んだ。——だからこそ、人に伝えられることが、あるんです。
20年は、宝でした。
そして、この長い物語を、最後まで読んでくださった、あなたへ。
あなたのオンリーワンが見つかることを、僕は、心から祈っています。
この物語が、そのための、小さなきっかけに、なれたなら。これほど、嬉しいことは、ありません。
……ただ、一つだけ。
あなたのオンリーワンは——自分では、なかなか、見えないんです。
僕も、20年、見えませんでした。
でも、20年かかったからこそ、保証できます。当たり前すぎて自分では気づけないものほど、外からは、めちゃくちゃ、よく見えるんです。
それを見つけるのが、僕の仕事です。
あなたのオンリーワンを、一緒に、見つけさせてください。
順位表から降りて、楽になる。その第一歩を、一緒に踏み出しましょう。
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10回にわたる長い物語に、最後までお付き合いいただき、本当に、ありがとうございました。
明日からは、また新しいシリーズで、お会いしましょう。
