アイスコーヒーから想うこと
アイスコーヒーを注文する。
運ばれてきたグラスから、カロン、と涼しげな音が聞こえる。そういえば、今年は風鈴を聞いていない。
店員さんの手から離れたグラスを自分の席に引き寄せると、手のひらから伝わる冷たさが暑さに苛立っていた心にまで届いて、まだ飲んでいないのにほっと息をつく。
ストローを差す。
窓から漏れる光がグラスを透かして、黒とは違う琥珀色をさらに深めたような美しい色が私の目を潤す。
一口目はとても苦く感じた。二口目はもう慣れてしまって、テーブルの端に積まれているコーヒーフレッシュから視線を外す。
苦みを受け入れられるようになったのは、いつからだろう。
その苦みが、日常になってしまったのも。
トーストの香ばしさと染み込んだバター、胡椒のふりかかった厚みのある目玉焼きが、暑さで鈍くなっていた胃を刺激してみるみる元気になる。
レトロな雰囲気に満ちた店内は、重みのある二重扉を開けて足を踏み入れた瞬間から大通りの喧騒を忘れさせ、心地のよい音楽が訪れる人を包みこむ。
流れる時間はゆるやかで、店員さんの距離はちょうどいい。丁寧に淹れられた一杯とボリュームたっぷりのメニューは、お値段以上の満足感がある。
ここのモーニングは最高だ。すっかりファンになってしまった。
アイスコーヒーを見ていたら、あるnoterさんの記事を思い出した。
アイスコーヒーにミルクが混ざる瞬間を美しく描いた内容で、その文章に魅入ってしまった。
私もアイスコーヒーについて書いてみたくなった。(そして、この記事が生まれました。)
おかわりのアイスコーヒーが運ばれ、積まれたコーヒーフレッシュからひとつを取って蓋をめくる。最後の一滴まで注ぎ入れ、グラスの中で白が混ざりあうしばしのひとときを、ただじっと見守る。
そのままnoteの街へと、想いを巡らす。
自然や命を慈しむこと、誰かを想い願うこと、目には見えない大切なことを教わる手紙のようなやり取り。
色とりどりの魔法と花束みたいなメッセージ、やわらかな陽の光をいつも届けてくれる場所。
一人じゃないことを教えてくれる星空。
希望と予感を感じさせてくれる雲。
自然と笑みがこぼれ出すエッセイ。
「好き」やときめきがぎゅっと詰まったラブレター。
「考える」ことに真っ直ぐ向き合いたくなる日記。
「ありがとう」と何度も唱えたくなるエール。
そっと孤独に寄り添ってくれる詩。
何気ない日常を切り取った愛しい一コマ。
時が止まったように感じる繊細で鮮やかな絵。
今にも動き出しそうなほど愛らしい手作りのもの。
じっくりと味わいたくなる、料理のような物語。
吹きこまれた声やメロディの温もりに、しずかに耳を傾けるひととき。
みなさんとの大切な糸、note。
あなたと出会えたことに感謝を。
また、noteでお会いしましょうね。
