「コロナ融資の返済が苦しい」という相談を受けて
仕事柄、資金繰りの相談は多いのですが、最近はコロナ融資の返済に起因する資金繰りの悩みを聞く機会が増えました。
今までの資金繰りの悩みをざっくりと2つに分けると
*そもそも赤字体質である
*損益と収支のずれがある
この2つのどちらか、あるいは両方の混合タイプ。
コロナ融資に起因する相談でも本質は同じだと言えますが、ものすごく借りやすい融資だった(通常融資は基本的に返済計画が念頭にある)ことにより、返済のフェーズがほとんど考えられていないケースを目にすることが増えてきたなというのが最近の個人的な感想です。
通常の融資とコロナ融資の違い
通常融資を受ける際は『事業計画』を作るのが一般的かと思います。
ざっくりとですが下記の項目を明確にした計画書を作成するはずです。
*こういう取り組みを始めたい
*この取り組みをすることでこのぐらい利益が増える
*この取り組みをするためにこのぐらい資金が欲しい。
*増えた利益で十分返済が可能である
しかしコロナ融資の場合は違いました。これまた乱暴な表現かもしれませんが、「コロナで資金繰りが厳しいので融資してください」でOKだった。と言っても言い過ぎではないでしょう。
コロナ融資は事業計画が考えられていない借入金
そのため、コロナ融資に関しては『事業計画(≒返済計画)』のない借入金を多く抱えている企業が増えていると感じてはいましたが、返済が本格化してきた今、やっとその問題が浮き彫りになった。という事なのかと思います。
苦しさから抜けるためには事業計画を立ててみる(見直してみる)
いまさらなんて言わずにこのタイミングで、事業計画(≒返済計画)を立ててみることをお勧めします。(「もともと立てていたけど苦しい」という場合は見直してみましょう)
まずは借入と会計の現状から『必要売上高』を算出する
借入状況について
*どのぐらい借りているのか(銀行別、借入契約別)
*毎月の返済額はいくらか
会計(損益)状況について
*毎月の固定費額はどのくらいか
*変動費率はどのくらいか
*目標の利益額(≒最終キャッシュ増)はいくらか
(最低でも0円_いわゆるトントン)
損益分岐点の計算方法の応用ですが、これらの情報から『必要売上高』を算出します。
必要売上高
税金を納め、借金を返済し、それでも目標の利益(キャッシュ)を残すために必要な売上高
意外とこの『必要売上高』を認識していない経営者も多く、この話をすると驚かれることも。
借入は必要売上高を高くすることがほとんどなので、借入をする際は必ずチェックしたい数値かなと思います。
必要売上高を達成するためのアクションを考える
必要売上高を把握したら、その売上高を達成するためのアクションを考えます。と、文章で書くと簡単なんですが…。返済に苦しんでいるということは必要売上高と実際の売上高に差があることが予想されます。(もし必要売上高は達成しているのだとすると回収に問題があるなど可能性としてはありますが、今回は割愛します)
結局は、というとあれですが、売上を上げるための対策を立てましょう。みたいな話に終着します。
ただ、「苦しい、けどどれだけ頑張ればいいのかわからない」から、「苦しい、けどあとこのぐらい売上を上げればいいのか!」に変わるのは大きな進歩ではないでしょうか。
ここで、売上アップのための施策検討会となることもありますが、もう一つ、あまりにも現実離れした必要売上高が算出される場合もあります。
リスケを含めた経営改善の道
返済額をどのぐらいまで下げることができれば現実的なのか。
本当にこれ以上売上を上げることは難しいのか。
損益や資金繰りをシミュレーションしてみたり、ビジネスモデルを見直してみたり。そういった計画を立て、銀行との話し合いの場を設ける。
そんな道も資金繰り、返済に苦しむ経営者にとっては視野に入れるべき道。なのかもしれません。
身近に相談できる相手を見つけておきましょう
苦しい時に相談できる相手というのはなかなか多くはありません。
そんな時、経営者に近く、企業の数字を見続けている存在が会計事務所なのかなと思います。
税務に関する申告や諸手続きのみを専門としている事務所もありますが、セカンドオピニオンを実施している事務所もあります。会計事務所でなくてもいいと思います。
苦しい時ほど、一人で抱えてしまいがちですので、そんな時こそ話せる相手というのをどこかに見つけておくのもいいかもしれません。
苦しい時こそ話してもらえる関係性。現状に向き合い建設的な対話を行える関係性。そんな関係性構築も自分の目指すところかな。そんなことを考えつつ、経営者の気持ちを軽くするために、次の相談に向け頑張りたいと思います。
