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メタバースプラットフォームの終焉への対策①──ユーザー側編

NTTの「DOOR」がサービス終了を発表し、多くの自治体や企業が利用していたため、業界では動揺が広がった。オンラインサービスの終了は珍しいことではなく、永遠に続くものでもない。たとえば普段使っているTwitterのサービス仕様が突然変わったり、Amazon Primeの特典内容が改悪されたりと、私たちが当然のように享受していたプラットフォームが消滅・変容する可能性は常に存在する。

筆者はVRChatをメインで利用しており、プレイ時間は8,000時間を超える。VRChatの中で築かれたコミュニティやフレンドとのつながりは、自分にとって大切な「財産」だ。しかし、もしVRChatが終了したらどうなるかと考えると、素直に恐ろしい。そこで本稿では、ユーザー側が取れる対策について整理してみることにする。プラットフォームの終焉が訪れたときに「やばい、何も準備していなかった」となるのは避けたいところだ。


1. コミュニティの維持

1-1. 連絡手段をプラットフォームに依存しない形で確保する

VRChatがなくなると一番ダメージが大きいのは、フレンドとのつながりが途切れることだ。VRChat内でだけ繋がっている人は、サービス終了と同時にコンタクトが取れなくなる可能性が高い。

  • Twitter(X)やDiscord、LINE、メールアドレスなど
    フレンドに声をかけ、「他の手段でも繋がっておこう」と呼びかけるのが重要である。特にVRChatフレンドリストにしか登録していない相手は、今のうちに連絡先を聞いておくのが望ましい。

1-2. Discordサーバーやコミュニティを作る

一定数のフレンドがいるなら、「VRChat○○勢」といったDiscordサーバーを作成して、メンバーを呼び込むのが有効だ。サービスが終了した際、「どこに移住するか」「次の活動拠点をどうするか」を相談できる場所があると心強い。
コミュニティ自体はVRChatに縛られず、別のプラットフォームに移ることで引き続き交流を保てる。ひとつの場所が崩壊しても、別の場所へ集合できる仕組みをあらかじめ整えておくのが、賢い動き方ではないだろうか。

1-3. オフラインのつながり

VRChat関連のユーザーによるオフ会やイベントなどに参加し、リアルでのつながりを作るという選択肢も考えられる。たとえば「VRChatが使えなくなったけれど、またリアルのイベントで会おう」という流れがあれば、サービス終了のショックを緩和できるだろう。必ずしも全員がオフ会に参加できるとは限らないが、選択肢として意識しておくのは悪くない。


2. 代替プラットフォームの確保

2-1. 他のメタバースを試しておく

VRChatがもし消滅したら、次に移行する先を探す必要がある。メタバースプラットフォームは数多く存在するが、それぞれ特色や開発状況が異なる。

  • cluster:日本ユーザーが多いが、ワールドの自由度が低め。イベント開催には向いている

  • Resonite:高い自由度を誇るが、導入のハードルはやや高い

  • ChilloutVR:VRChatに近いが、人口がまだ少なく、ユーザーコミュニティが小規模

  • Rec Room:海外勢や若年層が多く、カジュアルな雰囲気

  • VRM対応プラットフォーム:独自サーバー系など、多様な選択肢がある

  • Second Life:歴史のあるメタバース。古いがまだ健在で、根強いユーザー層がいる

いずれも一長一短があるため、フレンドと一緒に試してみて、自分たちに合う場所を探すのが望ましい。いざVRChatが終わってから手探りで移住先を探すより、日頃から興味のあるプラットフォームを触っておくとスムーズに移行できるだろう。

2-2. マルチプラットフォーム対応データの用意

VRChat専用のアバターやワールドでは、他プラットフォームへ移るときに活用できない可能性がある。VRM形式のアバターを持っておけば、比較的多くのプラットフォームで使い回せる場合が多い。
3DモデルやUnityプロジェクトなども、VRChat以外に対応しやすい形で管理しておけば、移行時に苦労が減る。たとえば、VRChat SDKだけでなく、汎用的な形式でデータを確保しておくといった工夫が大切だ。


3. データのバックアップ

3-1. スクリーンショットや動画の保存

VRChatでの楽しい思い出や記録は、スクリーンショットや動画として残している人も多いだろう。しかし、サービスが終了すればワールドやアバターが見られなくなり、再現が難しくなるかもしれない。

  • Steamのスクリーンショットフォルダを整理し、Google DriveやDropbox、外付けHDDなどにバックアップしておく

  • OBSなどで録画したデータも同様にクラウドやローカルにしっかり保管しておく

こうした素材は、ユーザー自身にとってかけがえのない思い出だ。いざプラットフォームがなくなってから「データを取り出せない」と嘆かないために、先んじて行動しておきたい。

3-2. アバターやワールドデータの確保

VRChat公式には、サービス終了時にユーザーがデータをエクスポートできる保証がない。つまり、アバターやワールドがプラットフォーム上だけに存在している場合、そのまま消えてしまう恐れがある。

  • 購入アバターの再ダウンロード
    Boothや個人サイトなどで購入したアバターは、販売元で再ダウンロードが可能な場合が多い。念のためダウンロード期限や保管場所を把握しておく

  • アバターやワールドのプロジェクトデータ
    UnityやBlenderで改変したアバター、ワールドは、ローカルに保存しておく。クラウドサービスだけに頼らず、外付けストレージなど複数箇所にバックアップを置くのが望ましい


4. 活動の分散

4-1. メタバース依存からの脱却

VRChatだけに活動の軸を置きすぎると、サービス終了時に「何も残らない」という状況に陥りがちだ。そこで、あらかじめ「VRChat以外の趣味やゲーム、コミュニティ」をいくつか持っておくとよい。

  • 他のオンラインゲーム(FF14、APEX、Minecraftなど)を楽しむ

  • イラストや動画制作、プログラミングなどの創作活動を並行して進める

メタバースは素晴らしいが、特定プラットフォームの運命にすべてを委ねるのはリスクが大きい。複数の趣味やコミュニティを並行して持っておけば、どこかが終わっても精神的ダメージは軽減されるだろう。

4-2. リアルイベントやオフラインの活動

VRChat内のイベントに参加するだけでなく、リアルの展示会やコミケ、ゲームショウ、VTuber関連イベントなどにも顔を出してみるのも一手だ。リアルとバーチャルの両方に居場所を作っておくことで、「VRChatが無くなったから全部終わりだ」とならずに済む。


まとめ

NTTのDOORサービス終了が大きな話題となり、「プラットフォームは永遠ではない」ことを改めて突きつけられた。VRChatを中心に過ごしているユーザーも、いつかサービス終了のアナウンスがあるかもしれない。だが、前もって対策しておけば、ショックを最小限に抑え、仲間たちと新天地へ移行する道を切り開けるだろう。

  • 1. コミュニティの維持
    連絡手段をプラットフォームに依存しない形で確保し、オフ会やDiscordサーバーなどを活用して結束を高める

  • 2. 代替プラットフォームの確保
    他のメタバースを試しておき、VRM対応のアバターなど汎用性のあるデータ形式を意識しておく

  • 3. データのバックアップ
    思い出のスクショや動画、アバターやワールドのプロジェクトファイルを安全な場所に保存する

  • 4. 活動の分散
    別のゲームや趣味を並行して楽しみ、リアルイベントにも顔を出してみる

メタバースという大きなくくりで見ると、プラットフォームは一つ終わってもまた別の場所が生まれてくるものだ。大切なのは、自分の仲間や資産、そして創作物を失わない工夫をすること。プラットフォームに依存しすぎず、自分たちの居場所を複数確保しておくのが、賢いユーザーとしての生き方ではないだろうか。

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