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あなたには人生のテーマソング、ありますか?

「この曲、まるで私のことを歌っているみたい!」

そんなふうに感じる曲やアーティストを、誰もが持っているものなのだろうか?

この疑問を初めて抱いたのは、大学生のときでした。「現代の歌謡曲」をテーマとした講義の最終レポート課題の内容発表の際、教授がこう話したのを覚えています。

「浜崎あゆみさんの曲を挙げて、『○○という曲は、まるで私の気持ちを歌っているみたい!』というレポートをよく受け取りますが、そういう内容は減点します」

(当時は浜崎あゆみさんがまさに絶頂期を迎えていた頃、と思っていただければと思います)

私の朧げな記憶を頼りにですが教授の話を要約すると、

彼女の歌詞は孤独や寂しさを含む普遍的なテーマを、多様な解釈が可能な余白を残す形で表現しているからこそ多くの人に共感を与える力があり、

そしてそれこそが彼女が「歌姫」として支持される理由だと。

その上で、教授が求めていたのは、そうした「よくある共感型のレポート」ではなく、もっと新しい視点から歌謡曲を論じたものだ、とのことでした。

私は結局、どんなレポートを提出したのかはもう覚えていませんが、当時「みんなそんなふうに歌を聴いていたのか」と軽いカルチャーショックを受けたことは、はっきり覚えています。

もちろん、私も「この曲いいな」「この歌詞素敵だな」と感じることはありました。

が、それを自分の人生やその中の折々での感情に結びつけて聴くことはほとんどなかったのです。

なぜなら私はすでに当時腐女子であり、二次創作を趣味とし、まだpixivもない中個人ホームページを友人と運営していたタイプの人間だったからです。

関係各所にあらぬご迷惑がかかってはいけないので個別具体的なジャンル・作品・キャラクター・アーティスト名等はここでは明記しませんが、私にとって音楽は、現実の自分ではなく「二次創作
のインスピレーションのためのもの」でした。

「この曲みたいな恋愛模様を書きたい」
「次はこの曲をテーマにしたものを書こう」

そんなふうに曲を聴いたり、歌詞を自分の中で解釈・咀嚼していたんですね。

大学時代のその当時も、現実の私は恋愛をしたことが全くなかったわけではありません。

でも、お付き合いしたり片思いしたりということもあったんですが、

好きな人と付き合えてハッピーハッピーハッピー(猫ミーム)みたいな曲も、失恋してどん底みたいな曲も、片思いが苦しいみたいな曲も、自分の心情に重ねて聴いたことは一度もなかったんですね。

むしろ、「こういう推しカップリング最高!!」といった具合に曲を解釈し、「自分的推しカップリングのテーマソング」をセレクトし、腐女子仲間の友人たちとお互いのテーマソングをカラオケで披露し合うのが楽しみでした。

Twitter(現・X)でもこのことを言及しているツイート(ポスト)を見たことがあるくらいなので、これはある種の腐女子あるあるだったのでしょう。

じゃあ、そうした二次でもオリジナルでも創作をしない人々にとって、音楽ってどんな存在なのだろう?

自分の人生あるいはその中のワンシーンに合うテーマソングを持つ人のほうが、多数派なのだろうか?

そんな問いが、今でも時折頭をよぎります。

ちなみに余談ですが、漫画アニメは好きで腐女子にも理解はあるけれど、音楽は普段は歌詞よりもメロディ重視で聴くタイプの旦那から、

「この曲、自分たちの付き合い始めの頃のデートっぽい」

と言われて紹介されたのが(この曲は腐女子云々とは関係ないので具体的に挙げると)きのこ帝国の「クロノスタシス」でした。

コロナ禍の折、たまたま2人ともに好きだった350mL缶の発泡酒を手に、最寄の一駅手前で降りて散歩しながら帰った思い出と重ねると、確かにその情景にぴったりだったかも。

もしかすると、クロノスタシス私にとって初めての「人生の(中のワンシーンに合う)テーマソング」なのかもしれません。

これを読んでくださったあなたには、人生の、あるいはその中のワンシーンを表してくれるテーマソングはありますか?

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