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嫌なことが少しずつ「すーっ」と消えていく。精神科医・中村恒子先生の『うまいことやる習慣』

最近読んだ本が、とてもよかった。

精神科医・中村恒子先生の『心に折り合いをつけて うまいことやる習慣』。

聞き書きという形で書かれていて、
文章を書いたのは同じく精神科医の奥田弘美先生。

まるで恒子先生が隣で話してくれているような、
やわらかくて優しい文章で、とても読みやすかった。

恒子先生は広島県尾道市のご出身。
戦時中を生きてきた世代ということで、
祖母のことを思い出す。

祖母も広島県呉市で育った人。
同じ時代を生きてきた人だからか、
なんだか親近感がわいた。

読んでいて、心に残ったことをメモしておこうと思う。


人を変えることにエネルギーを使わない


恒子先生は、

「家族でも、自分は自分、他人は他人」

「人間関係は水もの」


と言う。

これ、本当にそうだなと思った。

会社でも、

「あの人はこうだから嫌だ」
「なんであの人は変わらないんだろう」

という話はよく出る。

でも、人ってなかなか変わらない。

わたしのトラブルメーカーな母もそうだ。
何を言っても、何をしても、結局変わらなかった。

だから今のわたしは、人にあまり期待しすぎない。
与えすぎない。

もちろん、不愉快な人や失礼な人に出会うことはある。
そんなときは無理に戦わず、
「すー」っと離れて距離を取る。

それくらいでいいのかもしれない。

それに人間関係は本当に「水もの」だ。

学生時代に仲が良かった友達でも、
進学したら話が合わなくなることもある。

会社でも、部署が変わっただけで
急によそよそしくなる人もいる。

変わる人が多いからこそ、
変わらずにいてくれる人がありがたい。

そういう人が、
自分にとっての「大事な人」になっていくんだろうと思う。

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先のことは、心配してもわからない


わたしはよく考え事をする。

特に夜。

「こうなったらどうしよう」
「ああなったらどうしよう」

と、まだ起きてもいないことを頭の中で何度もシミュレーションしてしまう。

そして恒子先生は言う。

「先のことは心配してもわからない」
「夜はしっかり眠る。『それ以外は知らん』で良い」


人間、やっぱり睡眠は大事なのだ。

子供と一緒に寝ていたときは、
夜中に目を覚ましてそのまま寝られず、
ぐるぐると考えごとをすることもあった。
最近ようやく子供が自分の部屋で寝てくれるようになって、
わたし自身の睡眠も少し安定してきた。

もちろん途中で目が覚めることもある。

それでも、会社のことや嫌なことを考えずにぐっすり眠れた日は、次の日が少し楽になる。

そして恒子先生は言う。

「考えすぎたら、いま一番やるべきことに戻る。」

それだけで十分なんだと思う。

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悲しいことには「日にち薬」


もうひとつ心に残った言葉。

悲しいことやショックなことには、「日にち薬」。

時間が少しずつ癒やしてくれる。

そのためには、暇を作らず、楽しいことをしてみる。

別の刺激を与えることで、こだわっていたことを少しずつ思い出さなくなっていく。

これ、まさに今のわたしだった。

会社でどーんと嫌なことがあった。
そこから逃げるような気持ちで始めたのが、
Xとnote

前はずっと嫌な出来事ばかり考えていたのに、
最近はそれが楽しくて考える時間が減ってきた。

もちろん、会社にはまだ嫌なことのトリガーがある。

「辞めたい…」

と思う日もある。
でも、前よりずっと楽になった。
時間って、ちゃんと効くんだなと思う。

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「日々たんたん」と生きる


一番好きだったのは第6章全部だ。

「日々たんたん」な生き方。

「ほとんどの問題は、きっとなんとかなる」

「お腹いっぱい食べられて、安全に眠れて、最低限の生活をしていける仕事があるなら大丈夫」

「人は基本的には一人で生きていくもの」

「孤独はよきもの」

そんな言葉が並ぶ。

羨まなくていい。
見下さなくていい。
勝ち負けを気にしなくていい。
ただ、その日その日を淡々と生きていく。

それが「フラットに生きる」ということなんだろう。

わたしも、そんなふうに年を重ねていきたい。



この本を読んでいたら、心の中にあった嫌なものが、少しずつ「すーっ」と遠ざかっていく感じがした。

まだ全部消えたわけじゃない。

でも、「なんだか大丈夫かもしれない」と思える。

それは恒子先生の人柄なのかもしれないし、
奥田弘美先生の優しい文章のおかげなのかもしれない。

もし今、

「なんだか生きるのがちょっとしんどいな」

と思っている人がいたら。

この本を手に取ってみると、心が少し軽くなるかもしれない。

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