「最後まで責任を持てるかわからないから」⌇愛犬との道をともに考える
うちのコとお散歩中でのできごと。
道端で迎車待ちされている、
上品な雰囲気のご婦人に出会いました。
うちのコが興味を持ち、
近づきたがっていたところ—
優しく微笑みながら、
「あら、ご挨拶してくれるの?」
と声をかけてくださいました。
うちのコのペースを尊重しながら、
そっと顎の下を撫でてくださるご婦人。
嬉しそうに、
ふりふりとしっぽを揺らして応えます。
お話を伺うと、
ご婦人は幼い頃からずっと犬と暮らしてこられたのだそう。
60代後半ぐらいかとお見受けするその方は、
今は歳を重ね、
新しく犬を迎えることは難しいと—
「最後まで責任を持てるかわからないから…」
そう、寂しそうにおっしゃいました。
それでも、うちのコとの交流を心から楽しんでくださっていることが、
伝わってきます。
お別れのとき、
「今日はあなたと会えて、
いい一日になりそう。幸せをありがとう。」
と、微笑んでくださいました。
その言葉がじんわりと心に広がり。
“わんこって本当すごいなぁ”
とあたたかい想いに包まれ。
私も、こんなふうに—
心をほんわか温められる愛犬家でありたいな
とやさしい気持ちになりました。
その犬生を背負うということ
ふと考えます。
自分が年齢を重ねたとき、
どのように犬と関わっていけるかな
ということ。
ありがたいことに、
今の私は健康で、
犬のパワフルな生きる力を
一緒に楽しむことができます。
40代に入り、うちのコ(2代目)を迎えたとき、
”仔犬から迎えるのは、もしかしたらこのコが最後になるかもしれない”
そんな想いがよぎったことを思い出しました。
私にとって、
犬は大切な家族です。
今、一緒に暮らすうちのコはもちろん、
この先も新たなご縁があれば、
できるだけ長く、
犬との暮らしを続けていきたい
と願っています—
ですが、どれだけ深い愛情や想いがあっても、
それだけではどうにもならない場面が、
現実には起こり得るのだと感じています。
最近、ご高齢の方が、
ご自身の入院や施設への入居をきっかけに、
愛犬を手放さざるを得ないケースが増えていると耳にすることがあります。
出先で脳卒中に倒れ、
搬送先で長らく昏睡状態となった
とあるご年配の方。
犬猫ちゃんは誰にも知られることなく、
お水もごはんもないまま、
オーナーさんの帰りを待ち続け、
再会が叶わなかったとのこと。
保護団体によっては、
相談にいらした方の6~7割が、
ご高齢の方というお話もあります。
人は誰しも、
いつ何があるか分からないので。
そのようなご事情そのものは、
年齢に限らず良い・悪いではありませんが、
突然大好きな家族と離れる犬の気持ちを想うと、胸がぎゅっと締めつけられます。
犬は群れで暮らし、
心のつながりやコミュニケーションが、
とても大切になる生きもの。
ご婦人のように、
犬が大好きで、大切だからこそ、
“新たに迎えない”
という選択も1つ、
犬への愛情だと感じます。

また、別の機会でのこと。
たまたま公園でご一緒した70代の方が、
お話してくださったのは。
ご自身に
“万が一のことがあったときのために”と、
持ち家のある息子さんを愛犬の後継人に定めて、公式な書面を交わしているとのこと。
さらに、一般的な相続とは別に、
愛犬の生活費を託せるよう準備しており。
息子さん家族の愛犬とも、
犬同士の親交を深める機会を月に1回以上、
定期的に設けているのだとか。
愛犬が信頼できる人と心の拠りどころに、
暮らしの安全網。
「どれだけ準備しても、
万全ではないのよね。」
そうおっしゃっていましたが、
“その出番がないことが何より”
ということを前提に、
言葉だけでなく、
愛犬の未来を守るために行動されていることに。
またひとつ、
深く穏やかな愛情の形にふれて、
考えるきっかけをもらいました。
道はつづく
年齢を重ねていったときに—
どのように犬と関わり、
その命に責任を持つのか。
私の答えは、
まだはっきりとは見つかっていません。
けれど、
ひとつだけ決めていることがあります。
“私自身の独りよがりな幸せを、
犬に押しつけないでいたい”
今は、
うちのコと過ごす、
一瞬一瞬を大切にしながら。
そして、いつか—
新たに“うちのコ”としてのお迎えが、
難しくなった時には。
保護犬のお預かりをサポートしたり、
犬と人の幸せをつなぐお手伝いができたら。
そんな想いも
ぼんやりと心に秘めています。
できるだけ長く、
犬との暮らしを続けていきたいからこそ、
真摯に向きあいたい。
しばし、
このテーマを心の片隅におきながら、
模索していくことになりそうです。
同じように、
答えをまだ探しているドッグオーナーさんへ。
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