見出し画像

病院に行かない家庭ほど、市販薬のレシートで5年4万円取りこぼす

手取り25万円、子どもふたり、大きな病気もなく一年が過ぎていく30代のあなたへ。

我が家は、家族で病院にかかることがほとんどありません。

子どもが熱を出したら市販の解熱剤、自分の頭痛や胃の不調はドラッグストアの薬で済ませる。

年末に医療費を集計しても、家族みんなで10万円なんて全然いきません。

だから「医療費控除はうちには関係ない」と、ぼくはずっと思い込んでいました。

これが、毎年お金を取りこぼしていた原因でした。

実は、病院に行かない健康な家庭ほど見落としている控除のルートがあります。

市販薬を年1万2,000円より多く買っていれば使える、もうひとつの入り口です。

ぼくはFPとして13年、家計の相談に乗ってきました。制度や税金を、人に教える側の人間です。

そのぼくですら、自分の家のドラッグストアのレシートは、長いあいだゴミ箱に直行させていました。

この記事で持ち帰ってもらえることは、次の3つです。

  • 10万円の医療費を使っていなくても取れる「市販薬の控除」のしくみ

  • 健康な共働き家庭でも、ほとんどの人がすでに条件を満たしている理由

  • 戻る金額の正直な目安と、5分でできる準備の手順

毎年このお金を自動で取りこぼさなくするための「見るだけ家計簿」の置き場所まで、全部無料で読めます。



「医療費10万円」の壁を超えなくても、控除は取れる

医療費控除と聞くと、多くの人が「家族の医療費が年10万円を超えたら使えるやつ」と覚えています。

これは半分だけ正しい。

医療費控除には、入り口がふたつあります。

ひとつは、よく知られている通常の医療費控除。

家族みんなの医療費を合算して、年10万円(所得が低い場合は所得の5%)を超えた部分が対象になります。

入院や手術、歯の治療、出産。大きな出費があった年に効くルートです。

もうひとつが、この記事の主役です。

正式には「セルフメディケーション税制」と呼ばれる、医療費控除の特例。

ドラッグストアで買う対象の市販薬が、年1万2,000円を超えていれば、その超えた部分が控除になります。

通常ルートの入り口が、10万円。

特例ルートの入り口が、1万2,000円。

この差が大きい。

健康で病院にあまり行かない家庭は、通常ルートの10万円には届きません。

でも、家族の風邪薬・胃腸薬・湿布・花粉症の薬を一年分ためていくと、1万2,000円のラインは意外とあっさり超えます。

つまり、病院に行かない家庭が「うちは医療費控除と無縁」と思っているそのときに、市販薬のレシートのほうでは、とっくに入り口を越えていることが多いのです。

ぼくがレシートを捨て続けていた3年間

恥ずかしい話を先にします。

ぼくは独立する前から、お金の出口を見える化する仕事をしてきました。

それなのに、自分の家のドラッグストアのレシートだけは、買い物のたびに丸めて捨てていました。

理由は単純で、「市販薬なんて控除にならない」と決めつけていたからです。

ある年、たまたま確定申告の準備で家じゅうのレシートをかき集めました。

財布の底や上着のポケットから出てきた薬局のレシートを並べてみたんです。

子どもの解熱剤、妻の頭痛薬、自分の胃薬、家族全員の花粉症の薬。

ざっと足したら、一年で2万円を超えていました。

そのうち、税制の対象になる薬だけでも、1万2,000円のラインははっきり超えていた。

つまりぼくは、何年も「使えたはずの控除」を、レシートと一緒にゴミ箱に捨てていたわけです。

金額にすれば、一年で数千円から1万円ほど。派手ではありません。

でも、これを3年、5年と積み上げれば、家族で外食一回ぶん以上のお金が、ただ知らなかったというだけで消えていきます。

使途不明金と同じ構造です。

一回いっかいは小さいから気づかない。気づいたときには、まとまった額になっている。

戻る金額の、正直な目安

ここは盛らずに書きます。

セルフメディケーション税制で控除になるのは、対象の市販薬を買った金額から1万2,000円を引いた部分です。

上限は8万8,000円(購入額でいうと10万円ぶん)まで。

そして、控除額がまるごと手元に戻るわけではありません。

戻るのは、控除額にあなたの税率をかけたぶんです。

具体例で見ます。

家族の対象市販薬が、一年で3万円だったとします。

そこから1万2,000円を引いた1万8,000円が控除額。

これに所得税(会社員世帯では5〜10%が多い)と住民税の10%がかかります。

所得税が10%の人なら、戻りはおおよそ3,600円。

所得税が5%の人でも、おおよそ2,700円。

対象市販薬が一年で5万円まで増える家庭なら、控除額は3万8,000円。

戻りは、おおよそ7,600円。

このうち所得税のぶんは申告後に口座へ振り込みで戻り、住民税のぶんは翌年度の住民税が安くなる形で返ってきます。

一年だけ見れば、コンビニのちょっとした買い物くらいの金額です。

でも、思い出してください。還付申告は、過去5年分までさかのぼれます。

レシートさえ残っていれば、去年も、その前も、まとめて取り戻せる。

薬をよく買う健康な家庭なら、5年で2万〜4万円。

まだ取り戻せる場所に、それだけ眠っています。

いまのこの制度は、2026年(令和8年)の12月31日まで使えることが決まっています。

「うちは健診も受けてるし、これ使えるかも」と思った方は、今日まず箱を1つ用意するところからで大丈夫です。

毎年このお金を自動で取りこぼさなくするための「見るだけ家計簿 スタートガイド」を、公式LINEで無料でお渡ししています。

家計簿をつけずに、週1・5分で家計が回る仕組みの作り方を、そのまままとめたものです。

このレシートの置き場所づくりも、その仕組みの一部として組み込めます。

https://go.taspla.co.jp/line/open/Pzdg6zWtlWoP?mtid=zkWp1ynAqDI1

あなたの家は、去年のドラッグストアのレシート、まだ残っていますか。

それとも、ぼくのようにとっくに捨てたあとでしょうか。コメントで教えてください。

ほとんどの共働き家庭が、すでに条件を満たしている

「対象になる薬を、そんなに買ってる気がしない」

そう思うかもしれません。でも、対象はかなり広いです。

風邪薬、解熱鎮痛薬、胃腸薬、鼻炎の薬、湿布や塗り薬、花粉症の薬。

ドラッグストアで売られている薬の多くが、この税制の対象になっています。

見分け方は簡単です。

対象の薬にはパッケージに専用の識別マークがついていて、レシートにも「★」などの印で「これは税制対象です」と分かるように記されています。

そしてもうひとつ、見落とされがちな条件があります。

この特例を使うには、その年に「健康のための一定の取り組み」をしている必要があります。

ここで身構えなくて大丈夫です。

会社の健康診断を受けた。

インフルエンザなどの予防接種を受けた。

市区町村のがん検診や特定健診を受けた。

このどれかひとつをやっていれば、条件はクリアです。

共働きの会社員世帯なら、会社の健康診断をほぼ毎年受けているはずです。

つまり、わざわざ何かを足さなくても、もう条件を満たしている人が大半なのです。

「薬を年1万2,000円より多く買っている」「その年に健診を受けている」。

この2つがそろえば、入り口に立っています。

通常の医療費控除とは「選ぶ」関係

ひとつだけ、間違えやすい点があります。

セルフメディケーション税制と、通常の医療費控除は、同じ年に両方は使えません。どちらか一方を選びます。

だから判断はシンプルです。

入院や手術、歯の矯正、出産などで、その年の家族の医療費が10万円を大きく超えた。

→ 通常の医療費控除のほうが戻りは大きくなります。

大きな医療費はなかったけれど、市販薬はそこそこ買っている。

→ セルフメディケーション税制の出番です。

「うちは10万円なんていかないから関係ない」とあきらめていた家庭にとって、後者の入り口が用意されている。

これが、この記事のいちばん伝えたいところです。

大きな病気がなかった健康な年こそ、こちらのルートが効きます。

5分でできる、取りこぼさない準備

むずかしい手続きはありません。やることは、レシートをためる場所を決めるだけです。

ステップ1: ドラッグストアのレシートの置き場所を1つ決める

財布から出したらすぐ入れる箱や封筒を、玄関でも冷蔵庫の横でも、家に1つ決めます。

市販薬を買ったレシートは、捨てずにそこへ放り込むだけ。一年分をためます。

レシートが薬とそれ以外で分かれていないお店でも、対象品には印がついているので後で見分けられます。

ステップ2: 健診を受けたことが分かるものを1枚残す

会社の健康診断の結果票や、予防接種・がん検診の領収書を、同じ箱に1枚入れておきます。

これが「健康のための取り組みをした」という証拠になります。

書類そのものを税務署に出す必要はなく、手元に保管しておくだけで大丈夫です。

ステップ3: 確定申告で「医療費控除の明細書」に書く

申告のときは、対象市販薬の合計額を「医療費控除の明細書」のセルフメディケーション税制の欄に書きます。

国税庁の確定申告書等作成コーナーやスマホからの申告でも対応しています。

レシートそのものの提出はいりませんが、申告から5年間は手元に保管しておきます。

会社員で初めて確定申告する場合は、勤め先からもらう源泉徴収票が手元にあれば進められます。

過去の年のぶんを取り戻したいときは、その年ごとに同じ明細書を作って提出します。

還付の申告は、その年の翌年から5年以内ならいつでも受け付けてもらえます。

よくある質問

Q1. 家族みんなぶんを合算していいですか

はい。生計を同じくする家族が買った対象市販薬は、合算して申告できます。

ひとつだけ大事な注意があります。

合算して申告する場合、健診などの取り組みをしている必要があるのは「申告する本人」です。

家族の誰かが受けていればいい、ではありません。

だから「税率の高い夫に寄せる」ときは、その夫自身がその年に健診を受けているかをセットで確認してください。

共働きで夫婦それぞれ会社の健診を受けていれば、税率の高いほうに寄せて問題ありません。

Q2. ネット通販で買った市販薬も対象ですか

対象になります。

注文履歴や購入明細を、品名と金額が分かる形で残しておきます。

対象品かどうかは商品説明やレシートの印で確認できます。

Q3. レシートをもう捨ててしまった年は、あきらめるしかないですか

その年のぶんは、原則として集計のしようがなくなります。

ただ、ドラッグストアのポイントアプリや電子レシートに購入履歴が残っていれば、そこから拾える場合もあります。

だからこそ、今日から置き場所を1つ決めるのが効きます。

来年の申告のときに「ためておいてよかった」となります。

Q4. 通常の医療費控除と、どっちが得か分からないときは

両方を仮に計算してみて、控除額が大きいほうを選べば大丈夫です。

確定申告書等作成コーナーでは、入力した金額からどちらが有利かを比べやすくなっています。

Q5. パートで働いている妻でも使えますか

所得税や住民税を払っている人なら使えます。

ただし戻る税金がもともと少ない、あるいは無い場合は、効果も小さくなります。

世帯で見て、税率の高い人にレシートを寄せるのが基本です。

このときも、寄せる先の本人が、その年に健診などの取り組みをしていることが条件になります。

「見るだけ家計簿」に、この入り口を組み込む

ここまで読んで、「結局また何かを管理しないといけないのか」と感じたかもしれません。

逆です。

ぼくがすすめているのは、毎日家計簿をつけることではありません。

仕組みを作って、あとは手放す。

週に1回、5分だけ、決めた場所を見る。それだけで回る状態にする家計設計です。

これを「見るだけ家計簿」と呼んでいます。

今回の市販薬の控除も、これと同じ考え方で組み込めます。

レシートの置き場所を1つ決める。健診の結果を1枚そこに足す。

あとは、年に1回、申告のときにその箱を開けるだけ。

ふだん意識しなくていい。箱が勝手にお金を取り戻す準備をしてくれている状態です。

努力ではなく、置き場所で解決する。

家計のお金が残らない家庭の多くは、頑張りが足りないのではなく、お金が戻ってくる入り口に気づいていないだけです。

最後に

病院に行かなかった健康な一年は、誇っていい一年です。

その一年が、お金の面でも損をしていないか。

市販薬のレシートを残すだけで、そこに小さな戻りが生まれます。

市販薬の控除は、家計に眠っている入り口のひとつにすぎません。

自分の家にどの入り口がいくつ眠っているかは、家計のタイプによって変わります。

気になる控除や家計の悩みは、公式LINEからそのまま質問してください。

一つずつ、一緒に取り戻していきましょう。

https://go.taspla.co.jp/line/open/Pzdg6zWtlWoP?mtid=zkWp1ynAqDI1