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医療費控除、家族の分もまとめられますか

去年は家族がよく体調を崩して、病院代や薬代がかさんだ、という30代のあなたへ。

医療費控除という言葉は聞いたことがあるけれど、うちには関係ない。
だって、10万円も使っていないから。
そう思って、最初からあきらめていませんか。

実は、その思い込みで、戻るはずのお金を取り損ねている人が、とても多いんです。
家族の分をまとめたり、10万円より低いラインで使えたりと、思っているより間口は広い。

ぼくはふだん、家計の相談を受ける仕事をしています。
医療費控除は、知っているかどうかだけで、毎年の手取りが変わってくる仕組みの代表格です。

この記事は、よくいただく質問に、ひとつずつ答えていくかたちで進めます。
読み終えるころには、去年のレシートを捨てずに集めておく理由が、はっきり分かります。

この記事で分かることは、3つです。

  • 家族の医療費を、誰がまとめて申告すればいいのか

  • 「10万円の壁」の、本当の意味

  • けっきょく、いくら戻ってくるのか



そもそも、医療費控除ってなんですか

まず、土台からお答えします。

1年間に払った医療費が一定額を超えると、確定申告をすることで、税金の計算からその分を差し引いてもらえます。
これが、医療費控除です。

差し引いてもらえると、払いすぎていた税金の一部が戻ってきたり、翌年の税金が軽くなったりします。

ここで大事なのは、これは自分から申告しないと、1円も戻らないということです。
待っていても、誰かが計算してくれるわけではありません。
だからこそ、知っているかどうかで、差がつきます。

家族の分も、まとめていいんですか

はい、まとめられます。
ここが、いちばん取り損ねられているところです。

医療費控除は、同じ財布で暮らしている家族の分を、ひとつにまとめて申告できます。
夫の分、妻の分、子どもの分、そして仕送りで支えている離れて暮らす親の分まで。
一緒に暮らしていなくても、生活のお金を同じにしていれば、まとめられます。

自分ひとりの医療費では10万円に届かなくても、家族全員分を足したら超えていた、ということは、よくあります。

では、共働きの場合、夫と妻のどちらが申告すればいいのか。
基本の考え方は、収入が高いほうが申告すると、戻る金額が大きくなりやすい、というものです。
税金の割合が高い人のほうが、差し引いたときの効き目が大きいからです。

ただし、ここには例外もあります。
医療費が10万円ぎりぎりくらいのときは、収入が低いほうで申告したほうが得になる場合もあります。
このあたりは、両方で軽く計算して、有利なほうを選ぶのがおすすめです。

10万円を超えないと、使えないんですか

いいえ、そうとは限りません。
「10万円の壁」には、あまり知られていない、もうひとつのラインがあります。

医療費控除で差し引けるのは、正確には、次のように決まります。
1年間に払った医療費から、まず保険などで補われた分を引く。
そこからさらに、10万円か、その年の所得の5パーセントか、金額が低いほうを引く。
その残りが、控除の対象です。

ポイントは、この「10万円か、所得の5パーセントの低いほう」というところ。
収入がそれほど高くない年は、10万円ではなく、所得の5パーセントのほうが使われます。
つまり、医療費が10万円に届いていなくても、控除を受けられる場合があるんです。

「うちは10万円も使っていないから」と、最初からあきらめる必要はありません。

ひとつ注意したいのが、保険で補われた分は、必ず引かなければならないことです。
入院給付金を受け取った、出産で一時金をもらった、そういうお金があった場合は、その分を医療費から差し引いて計算します。
ここを忘れると、あとで直すことになります。

けっきょく、いくら戻ってくるんですか

ここが、いちばん誤解の多いところです。

たとえば医療費が20万円かかって、そこから10万円を引いて、控除の対象が10万円になったとします。
このとき、「10万円が戻ってくる」と思ってしまう方が、とても多いんです。

でも、これは正しくありません。

戻ってくるのは、この10万円に、自分の税金の割合をかけた分だけです。
税金の割合は、収入からいろいろ差し引いたあとの金額で決まりますが、多くの子育て世帯では、5パーセントか10パーセントくらいのことが多いです。

かりに10パーセントだとすると、こうなります。

所得税が、およそ1万円戻ってくる。
さらに、翌年の住民税が、およそ1万円安くなる。

合わせて、およそ2万円です。

10万円がまるごと戻るわけではないけれど、何もしなければゼロだったものが、2万円ほど戻ってくる。
これが、医療費控除の本当の効き目です。
金額を正しく知っておくと、「思ったより少ない」とがっかりせずに、毎年きちんと取り戻せます。

なお、市販薬をよく買う家庭には、セルフメディケーション税制という、別の仕組みもあります。
ただし、こちらは通常の医療費控除とは、どちらか一方しか使えません。
両方を同時には使えないので、自分の家はどちらが得か、いちど見比べてみてください。

医療費控除は、年末調整では受けられず、確定申告が必要です。
そして、うっかり申告し忘れていても、過去5年分までさかのぼって取り戻せます。

去年、家族の医療費がかさんだ心当たりがあるなら、まだ取り戻せます。
過去5年分までさかのぼって申告できるからです。

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医療費控除は、「10万円を超えた人だけのもの」でも、「10万円が戻るもの」でもありません。
家族の分をまとめられて、収入によっては10万円未満でも使えて、戻るのは控除額に税金の割合をかけた分。

この3つを知っているだけで、毎年の取り戻し方が変わります。

まずは今年から、家族の医療費の領収書を、捨てずに1か所にまとめておいてください。

あなたの家では、去年の医療費、家族全員分でいくらくらいになりそうですか。
よかったら、コメントで教えてください。