【統計検定】基礎暗記シートを作る①

以前、統計検定の過去問をやったときに公式や定理などを覚えていないことで解けなかった/解くのが時間かかったため、基礎の部分はある程度暗記するのがいいんじゃないかと思った。今回は基礎暗記シートを作ってみる(追加で作るかもしれないので①としている)。



暗記をしているとどの程度問題が解きやすくなるかの主観評価を3段階にして括弧内に表しておく。

1. 確率関数(★★★)

統計検定では主要な確率関数でも問題文で定義が与えられている場合がほとんどだった気がする。しかし、推定や検定などのパラメトリックな統計的手法は確率関数をもとに行うことがほとんどなので、すらすら書けるようになっておいた方が良い。また、確率関数から分布関数や積率母関数を導出する際にも、確率関数の形をどう変形させればよいか覚える必要があるため、関数自体を暗記しておくのは重要だと思う。

二項分布

$$
p(x) = \binom{n}{x} p^{x}(1-p)^{n-x}
$$

多項分布

$$
p(x_1, x_2) = \frac{n!}{x_1!x_2!} p_1^{x_1} p_2^{x_2}
$$

幾何分布

$$
p(x) = (1-p)^x p
$$

負の二項分布

※ 以下はr回成功するまでにx回失敗したときの確率。

$$
p(x) = \binom{r+x-1}{x} (1-p)^r p^x
$$

超幾何分布

※ 以下はM個のあたりとN-M個のはずれがある場合に非復元抽出でK個を取り出したときにX個があたりである確率。

$$
p(x) = \binom{M}{x} \binom{N-M}{K-x} / \binom{N}{K}
$$

ポアソン分布

$$
p(x) = \frac{\lambda^x}{x!} e^{-\lambda}
$$

一様分布

$$
f(x) = \frac{1}{b-a} I(a\le x \le b)
$$

指数分布

$$
f(x) = \lambda e^{-\lambda x} I(x\gt 0)
$$

正規分布

$$
f(x) = \frac{1}{\sqrt{2\pi\sigma^2}} \exp \left\{ -\frac{(x-\mu)^2}{2\sigma^2} \right\}
$$

ガンマ分布

$$
f(x) = \frac{1}{\Gamma(\alpha)\beta^\alpha} x^{\alpha-1} \exp \left\{ -\frac{x}{\beta} \right\} I(x \ge 0)
$$

ベータ分布

$$
f(x) = \frac{1}{B(a, b)} x^{a-1} (1-x)^{b-1} I(0\lt x \lt 1)
$$

2. 確率/積率母関数(★★☆)

確率/積率母関数はk次のモーメントやk次の階乗モーメントを求めることができるため、積分で期待値や分散を求めることが難しい場合や、歪度、尖度を求める場合などに良く用いられる。また、確率/積率母関数は分布と1対1に対応しているため、確率/積率母関数から分布を特定するような問題もたまに見られる。確率/積率母関数は分布の期待値を計算することによって求まるが、よくある導出方法は積分を変形させて1にしてしまうというもの。

二項分布

$$
G_X(s) = (ps + 1- p)^n \\
M_X(t) = (pe^t + 1 - p)^n
$$

ポアソン分布

$$
G_X(s) = e^{\lambda s - \lambda} \\
M_X(t) = \exp\{ (e^t - 1)\lambda \}
$$

正規分布

$$
M_X(t) = \exp \left( \mu t + \frac{\sigma^2}{2}t^2 \right)
$$

ガンマ分布

$$
M_X(t) = 1/(1-\beta t)^\alpha
$$

3. 変数変換(★★★)

変数変換は過去問でもかなり頻出している。それ自体がメインの問題はあまり多くないが、設問2, 3あたりで間に挟んでくることが多い気がする。1変数の場合と2変数の場合で公式は多少違うが、考え方は基本的に同じとなる。2変数の場合は計算がかなりめんどくさく、すらすら公式が書けるようになっていないとミスする可能性が高い。

1変数の場合

$$
Y = g(X) \\
f_Y(y) = f_X(g^{-1}(y)) \left|\frac{d}{dy}g^{-1}(y)\right|
$$

平方変換

$$
Y = X^2 \\
f_Y(y) = \frac{1}{2\sqrt{y}} \{f_X(\sqrt{y}) + f_X(-\sqrt{y})\}
$$

2変数の場合

$$
J((s, t) \to (x, y)) = \begin{vmatrix}
  \frac{\partial}{\partial s} h_1(s, t) && \frac{\partial}{\partial t}h_1(s, t) \\
  \frac{\partial}{\partial s} h_2(s, t) && \frac{\partial}{\partial t}h_2(s, t) \\
\end{vmatrix} \\
f_{S, T}(s, t) = f_{X, Y}(h_1(s, t), h_2(s, t)) |J((s, t) \to (x, y))|
$$

畳み込み

$$
S=X+Y \\
T=Y \\
f_{S, T}(s, t) = f_{X, Y}(s-t, t)
$$

4. 条件付き期待値・分散の公式(★☆☆)

条件付き期待値・分散の公式は設問で直接出てくることは少ない気がするが、たまに出てくるときは知っていないとまず解くことが難しいため、覚えておいた方が良い。全く知らない状態から導出も難しい公式だと思う。

繰り返し期待値の法則

$$
E[X] = E[E[X|Y]]
$$

条件付き分散の分解

$$
Var(X) = E[Var(X|Y)] + Var(E[X|Y])
$$

5. デルタ法(★★☆)

デルタ法は過去問ではまあまあ出題されていた印象がある。確か出題されていたのは、ある確率変数を変換したときに近似的にどういう分布に従うのかを問われるようなものだったと思う。

$${\sqrt{n}(X-\mu) \to_{d} N(0, \sigma^2)}$$ならば以下が成り立つ。

$$
\sqrt{n}(h(X)-h(\mu)) \to_d N(0, \sigma^2 \{h'(\mu)\}^2)
$$

6. 導出に使う公式(★★☆)

確率関数から確率/積率母関数を求めたり、何かしら少し難解な積分などを行うときによく使うような公式は暗記しておいた方が良い。

ガンマ関数

$$
\Gamma(a) = \int_{0}^\infin x^{a-1} e^{-x} dx
$$

ベータ関数

$$
B(a, b) = \int_0^1 x^{a-1} (1-x)^{b-1} dx \\
B(a, b) = \frac{\Gamma(a)\Gamma(b)}{\Gamma(a+b)}
$$

指数関数

$$
e = \lim_{n \to \infin} \left( 1 + \frac{1}{n} \right)^n
$$

二項定理

$$
(p+q)^n = \sum_{k=0}^n \binom{n}{k} p^k q^{n-k}
$$

多項定理

$$
(x_1 + x_2 + … + x_m)^n = \sum_{k_1+k_2+…+k_m=n} \frac{n!}{k_1!k_2!\cdots k_m!} x_1^{k_1} x_2^{k_2} \cdots x_m^{k_m} 
$$

ガウス積分

$$
\int_{-\infin}^\infin e^{-x^2} dx = \sqrt{\pi} \\
\int_{0}^\infin x^{a-1} e^{-bx^2} = \frac{1}{2}b^{-a/2} \Gamma(a/2)  \cdots  一般化
$$

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とりあえずこのあたりがすらすら書けるようになったら、本番でテンプレ問題が出たら解ける可能性が高まると思う(特に変数変換は公式をそのまま使うだけのものが多い気がする)。また、導出が出たとしても、これらを暗記していると少しは式変形の役に立つと思う。

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