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nanadays
「ナカタさん」に憧れている
ナカタさんの生活に憧れている。
「ナカタさん」とは。村上春樹著「海辺のカフカ」の登場人物である。
厳密には様々な事情を抱えている暮らしをしているので
悠々自適とは言い難いのであるが、とあるルーティーンに
ずっと憧れているのである。
それは「毎月髪を切りに行く」ことである。
なにぶんフィクションの人物であるし、
先述した通り事情がある方なので、そのまま真似したいという
わけではないのであるが、とにかく毎月髪を切りたいのである。
少年野球をしていたせいか、丸刈りの時期が長く
前髪が目に掛かるのも嫌だし、サイドの髪が耳に掛かるのも煩わしい。
そうやってずっと生きてきている。
でも、お金や時間の都合で結局毎月髪を切りに行けたことはない。
子供の頃から高校生まで、
髪を切ってもらっていた地元の床屋の主人が亡くなった。
高校卒業してからは札幌に住んでいたし、
地元に戻ってきてからも違う店で髪を切るようになったので
ここ20年くらいは関わることがなかったけれど、
それでも10年はお世話になっていたわけだから、
やっぱり少し寂しい。
会社で出している店が、
その床屋のすぐそばにあるので、
実は頻繁に近くを通っていて、そのたびあの頃を思い出していた。
店の前に自動販売機があって、
よくジュース買ってもらったなあ、とか。
お店の奥に息子さんがいて、
何度か一緒に遊んだな(確かゼルダのゲームをしていた)
とか。
喪主の名前が、その息子の名前だった。
それこそ20年以上会っていないわけだけれど、
どんな大人になっているのだろうか。と、ふと考えた。
そういえば髪が伸びてきたな、と
ちょうど思っていたのだった。
そろそろ切ろう。スマートフォンのLINEで予約ができる。
便利な時代になったものだ。
