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『佐渡おけさ速習』👘原色写真解説/附・佐渡民芸集発行:佐渡汽船・新潟交通佐渡営業所

【新潟の古紙物紹介】🧐

『佐渡おけさ速習』👘
原色写真解説/附・佐渡民芸集
発行:佐渡汽船・新潟交通佐渡営業所

「観光みやげ」として刷られた小冊子。表紙には笠を被った踊り手が波打ち際で舞う原色写真が使われ、開けば佐渡おけさの踊り方から鬼太鼓、文弥人形、春駒、小獅子舞まで、佐渡の郷土芸能がひとまとめに詰め込まれている📖

表紙にある「原色写真」とは、実際の色をそのまま再現したカラー写真を指す当時の呼称。
白黒写真に着色した「彩色写真」と区別するために使われた言葉で、天然色印刷技術がまだ珍しかった時代、カラー写真であること自体が観光みやげの売りだった。

【内容など解説】🧐
⚫︎ はしがきには、佐渡おけさが全国的に流行し「佐渡情話」がラジオでも度々流された当時の熱気がそのまま刻まれている。
「佐渡へ佐渡へと草木もなびく」の唄い出しに始まり、佐渡おけさ愛好家のために本書を編んだ経緯が記されている。この一文だけで、昭和のおけさブームがどれほどのものだったかが伝わってくる。

⚫︎ 目次は「はしがき」「おけさ踊りの解説」「佐渡おけさ歌詞と音譜」「相川音頭『源平軍談』」「鬼太鼓」「両津甚句」「春駒」「文弥節とのろま人形」「小獅子舞」の構成。
踊りの手順・唄・郷土芸能の由来までを一冊で網羅しており、観光みやげとしては破格の情報密度。
単なるパンフレットではなく、佐渡芸能の入門百科としての実質を備えている点が本書最大の見どころ。


⚫︎ 「おけさ踊りについて」の頁では、動作を写真と文章で丁寧に解説。
「一つでと左足を右前に一歩出し左手を立て両手を打ち」など、実際の振り付けをステップごとに追える構成で、モデルは新潟交通会社おけさキャラバンの太田典子さんと明記されている。
観光客が実際に踊りを覚えて持ち帰れるよう作られた、実用書としての体裁が興味深い。


⚫︎ 「両津甚句」「相川音頭」の頁には歌詞がずらりと並び、「殿は山参り出たら羽黒で逢ふもの」など、佐渡の暮らしや恋情を詠んだ俚謡が多数収録されている。現在ではなかなかまとまった形で読める機会の少ない、民謡歌詞の記録としても資料価値が高い。


⚫︎ 「鬼太鼓」「文弥人形」「春駒」「小獅子舞」では、それぞれの郷土芸能の由来や現状が写真とともに紹介されている。
文弥人形の頁では、佐渡の人形芝居が寛保年間の京都・野呂間人形にまで遡ることや、昭和27年に文化財として指定された経緯が記されており、簡易な観光みやげでありながら郷土芸能史の要点をしっかり押さえている。


⚫︎ 巻頭・巻末には佐渡汽船、新潟交通佐渡営業所の広告が挟み込まれ、当時の観光インフラと郷土芸能振興が一体だったことがうかがえる。


📖 紙が語る「観光と芸能の橋渡し」——佐渡おけさブームの只中、観光客が踊りを覚えて帰れるようにと編まれたこの一冊は、交通会社の広告を挟みながら郷土芸能の解説も兼ねる欲張りな構成になっている。
写真・歌詞・解説・広告が一冊に凝縮された、まさに「昭和の佐渡観光」を丸ごと持ち帰るための紙物。
単体の古絵葉書や切符とは違い、一冊で佐渡の芸能史・観光史・印刷文化のすべてを俯瞰できる点に、この一冊ならではの収集価値がある😌

#カミログ新潟 #ぽんしゅ館クラフトマンシップ新潟本コーナー
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