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『写真は語る 亀田の百年』📘平成2年(1990年)1月1日発行亀田町 発行写真集編集委員会 編

【新潟の古書紹介】🧐

『写真は語る 亀田の百年』📘
平成2年(1990年)1月1日発行
亀田町 発行
写真集編集委員会 編

紺縞の布表紙・和紙の函——開けば、浸水した田圃で稲を刈る農民の姿から、亀田工業団地の航空写真まで、百年分の亀田が静かに広がる📖
町制施行100周年を記念して町が編んだ亀田の「まるごと一世紀」写真集。

【内容など解説】🧐
⚫︎ 本書の装丁そのものが亀田の地場産業へのオマージュ。
表紙を包む紺縞の布地は亀田縞を想起させ、中身を手にする前からこの町の記憶に触れる。
函は和紙張りで背に「写真は語る 亀田の百年」と毛筆体で記され、贈呈用・保存用として丁寧に仕上げられたモノとして佇まいが際立つ。


⚫︎ 目次は「耕」「織」「産」「商」「戦」「公」「災」「祭」「樹」「躍」「祀」の11章構成。
農業から織物・商業・戦時・祭礼・まちの成長まで、一つの町の百年を切り口ごとに区分けした構成は、単なる行政記念誌を超えた地域史の体系をなしている。


以下、個人的にきになった一部の章の紹介。
⚫︎ 「耕」の章では舟で水田に漕ぎ出して稲を刈る農民。
一家総出の均し作業、馬を使った代搔き、「ごろ」と呼ばれる農具、牛に肥桶を引かせての肥料撒きなど、機械化以前の亀田の農景が丁寧に記録されている。
キャプションひとつひとつに「一家あげての均し作業、ときには集落で助合うこともあった」と生活の温度が宿る。


⚫︎ 「織」の章では亀田の織物業の盛衰を追う。
日新染布株式会社亀田燃糸工場(昭和18〜19年頃)の写真、昭和10年前後に向山の松林がまだ健全だった頃の織娘たちのレクリエーション風景、そして戦時下で糸の配給がなくなり閉鎖に追い込まれた工場の姿まで——織物産業と時代の波の交叉が一章に凝縮されている。


⚫︎ 「災」の章は木津切れ・曽川切れという水害の記録。本町1丁目の浸水、舟で行き来する人々、宗通寺鐘楼に避難した人々——亀田が水と長く闘ってきた町であることが、生々しい写真から伝わる。


⚫︎ 「商」の章では三九の市や商店街、昭和35年・昭和59年の市場風景など、かつての亀田の賑わいが並ぶ。市場スケッチ(昭和初年)の挿絵も収録され、商業史の資料としての密度が高い。


⚫︎ 「祭」の章は亀田祭りの大岩万燈の巡行・亀田東小学校の樽ッ子連中・笛と胴の大合奏など、祭礼の熱量がカラー写真で収録されている。
白黒主体の本書の中でカラーが差し込まれるこの章の存在感は大きい。


⚫︎ 「躍」の章には亀田工業団地・工作機械製作所・印刷団地など昭和後期の工業化の記録が並び、農村から工業都市へと変貌する亀田の姿を記録。
農業から工業への転換という20世紀後半の地方都市の典型的な変容が、この一冊に凝縮されている。


📖 紙が語る「歴史の断面」——平成2年、亀田町は百年を写真で振り返った。
舟で稲を刈った水田も、織娘が通った工場も、木津切れの濁流も、大岩万燈が練り歩く夜も——すべてがこの紺縞の表紙の中に静かに収まっている。
この一冊は、亀田という町が自分の百年を誇りとともに記録した、かけがえのない地域の記念碑である 😌

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